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吸収分割の手続きの進め方をチェック!必要書類や事業の許認可についても紹介

安江一将

税理士 安江一将

会計コンサルティング会社・税理士法人及びベンチャー企業2社に勤務。会計コンサルティング会社・税理士法人では税務顧問・税務申告のほかに、事業承継支援業務、組織再編業務、IPO支援業務、M&A業務を数多く実行。ベンチャー企業では管理部長・経営企画室を歴任し、上場のための体制構築・実行支援を推進する。大手コンサルティング会社名古屋支社副支社長を経て2019年8月に安江一将税理士事務所として開業した後、さらにM&A業務を推進することを目的として株式会社すばるに参画し、現在に至る。本記事の監修を務める。

吸収分割とはM&A方法のひとつで、会社が営んでいる事業の一部を別の会社に承継させるためのものです。吸収分割を検討していても、どのように手続きを進めていけば良いのか分からない方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、吸収分割の進め方や必要な書類について詳しくご紹介します。手続きを円滑に進めるためにも、手続き内容について事前にチェックしておきましょう。ひととおり確認しておけば、手続き面で迷うことを防げるでしょう。

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吸収分割のタイムスケジュール

吸収分割のタイムスケジュール

吸収分割は以下のスケジュールで進めます。承継会社・分割会社双方のスケジュールを以下に記載するので、どのタイミングで何の手続きをすれば良いのかを確認しましょう。

スケジュール 承継会社 分割会社
開始 吸収分割契約協議
取締役会決議
吸収分割契約締結
官報公告の準備・申込
吸収分割契約協議
取締役会決議
吸収分割契約締結
労働者保護手続き開始
官報公告の準備・申込
契約締結から2週間程度 株主への通知・公告
債権者に対する催告・公告開始
労働者保護手続き開始
事前開示書類備置開始
株主への通知・公告
債権者に対する催告・公告開始
労働者保護手続き開始
事前開示書類備置開始
契約締結から1か月程度 株主総会招集通知 株主総会招集通知
契約締結から1か月半~2か月程度 株主総会決議
債権者保護手続き終了
株主総会決議
債権者保護手続き終了
契約締結から2か月程度 効力発生 効力発生
契約締結から2か月~2か月半程度 変更登記
事後開示書類備置開始
変更登記
事後開示書類備置開始

吸収分割の手続きの進め方

吸収分割の手続きの進め方

吸収分割の手続きについて具体的に解説します。今回は契約を締結してから変更登記・書類の事後備置までを見ていきましょう。それぞれのステップでさまざまな手続きを行うため、進捗に合わせた必要書類を準備します。手続きをスムーズに進めるためにも、どのように進めていけば良いのかをあらかじめチェックしましょう。

STEP.1吸収分割の契約を書面で交わす

吸収分割を実行することを決断したら、当事会社同士で吸収分割契約を締結します。契約書の記載事項は、大きく法定記載事項や任意記載事項に分かれますが契約書の記載内容は、吸収分割全体に影響するため、お互いのニーズに即した内容か検討した上で作成する必要があります。そのため、分割会社と承継会社双方が契約内容に関して協議をした上で契約書を作成し、契約を締結します。

STEP.2-1 債権者の保護手続き

吸収分割契約を締結したら、債権者の保護手続きを行います。当事会社双方は官報公告に吸収分割を実施すること、債権者の異議申述期間があることなどを掲載します。

さらに、債権者に対して個別催告します。なお、定款で日刊新聞紙又は電子による公告方法を定めている場合には、個別催告に代わり定款記載方法による公告で代替することが可能です。

STEP.2-2 株主への通知

当事会社双方は、吸収分割契約の効力が発生する日の20日前までに株主に対して以下の通知・公告を行います。

・吸収分割を実施すること

・当事会社の商号、所在地

吸収分割に反対する株主は、公正な価格で株式を買い取るように当事会社に請求することが可能です。

STEP.3-1 株主総会の承認取得

当事会社双方は、効力発生日の前日までに株主総会を開いて特別決議を実施し、効力発生日に関して承認を受けなければなりません。ただし、簡易・略式吸収分割に該当する場合は株式総会による特別決議は不要となり、代わりに取締役会の承認が必要となります。

STEP.3-2 契約書・開示情報の事前備置

当事会社双方は必要事項を記載した書類を本店に備置しなければならないと定めています。以下に掲載した期間のうち、いずれか早い日から備置しなければなりません。

・株主総会実施日の2週間前

・株主への通知・公告を行った日

・債権者への催告・公告を行った日

これは株主や債権者の保護を目的としたもので、株主や債権者は必要に応じて備置書類の開示を請求可能です。

STEP.4 吸収分割の効力発生

株主総会の特別決議で吸収分割が承認されると、承認された効力発生日をもって吸収分割が有効です。吸収分割を実施する場合は新設分割と異なり、登記を効力発生要件として定めていません。吸収分割契約書に記載され、株主総会によって承認を受けた日が効力発生日です。

STEP. 5-1 吸収分割の登記

吸収分割の効力が発生したら、効力発生日から2週間以内に変更登記をしなければなりません。変更登記は分割会社と承継会社が同時に行わなければならないため、速やかに本店所在地を所轄する法務局で手続きします。登記申請時に添付しなければならない書類が多数あるため、事前に準備してスムーズに進めましょう。

STEP. 5-2 吸収分割に関する書類の事後備置

法令によって定めた事項を記載した書面や記録を本店に備置する必要があります。記載する内容は、吸収分割の効力発生日や承継会社が分割会社から承継した権利義務などに関する情報です。

効力発生日を迎えたら遅滞なく備置を開始しなければならず、備置期間は効力発生日から6か月と定めています。期間中、株主や債権者は必要に応じて開示請求が可能です。

分割会社は「労働者の保護」が必要

分割会社側は、労働者保護手続きを行う必要があります。吸収分割を実施すると、分割会社で当該事業に携わっていた社員は、承継会社に転籍するのが基本です。労働者側に拒否権がないため保護手続きを設けており、以下の流れで手続きをします。

1. 吸収分割実施を労働者側に通知し、協議して協力を得る

2. 分割会社の社員と個別に協議する

3. 労働者・労働組合に異議申し立てするために必要な情報を通知する

4. 吸収分割に利害関係がある労働者が異議申し立てをする

手順2の個別協議などをきちんと行わないと吸収分割が無効になることがあるため、労働者保護手続きは正しく行いましょう。

吸収分割の手続きに必要な書類

吸収分割の手続きに必要な書類

吸収分割の手続きを行うためには、さまざまな書類を提出します。承継会社と分割会社では用意しなければならない書類が異なるので、事前にチェックしておきましょう。書類の不備などがあると手続きがスムーズに進みません。事前にきちんと準備し、予定通り吸収分割を行えるようにしましょう。

承継会社側に関わる書類一例

書類 概要
吸収分割契約書 契約内容を記した書類
株主総会議事録 吸収分割を承認した総会のもの
当事会社双方のものが必要
債権者保護手続き関連書類 債権者保護手続きに関する通知やその内容について記されたもの
新株予約権証券提供等の公告の実施を証明する書類 官報に公告を掲載したことを証明するもの
資本金の計上に関する証明書 発行した株式に対して払い込まれた金銭の総額を記載したもの
株主リスト 当事会社双方の株主をリストアップしたもの

承継会社側は上記の書類を準備します。他にも、経由申請(管轄の登記所が異なる場合、承継会社の本店所在地の登記所を経由して登記申請すること)する場合は分割会社の登記履歴事項証明書が、登記を司法書士に依頼する場合は委任状が必要です。状況によっては別の書類を提出するため、事前に確認しましょう。

書類を準備するためには時間がかかるので、予め必要書類を把握して手続きの進捗状況に合わせて提出できりょう用意します。備置しなければならない書類も、備置開始日までにきちんとそろっている状態にしましょう。

分割会社側に関わる書類一例

・事前・事後備置書類

・印鑑証明書

・委任状(必要な場合)

・登記履歴事項証明書(必要な場合)

分割会社側は上記の書類を用意します。承継会社側と同様に、登記を司法書士に依頼する場合は委任状が必要です。経由申請する場合は登記履歴事項証明書が必要になるため、必要に応じて取得しましょう。分割会社側が用意しなければならない書類は承継会社側に比べて少ないため、そろえるのは比較的容易です。

業種で異なる「許認可」の手続きに注意!

業種で異なる「許認可」の手続きに注意!

吸収分割は包括承継手続きになるため、基本的には取得した許認可は承継会社に引き継がれますが、全ての許認可が引き継がれるわけではないので注意しましょう。引き継げる許認可と再取得が必要になる許認可を把握して、吸収分割時の事業に影響がでないよう注意する必要があります。

届出だけで承継される許認可の例

以下に掲載した許認可は、それぞれの許認可を管轄している官公庁や都道府県に届け出ることによって承継会社がそのまま引き継げます。

届出先 許認可の種類 関連法規
都道府県知事 飲食店・喫茶店の営業許可
食肉処理業・菓子製造業などの許可
食品衛生法
クリーニング業 クリーニング業法
浴場業 公衆浴場法
理容業 理容師法
美容業 美容師法
興行場営業許可 興行場法
財務大臣 たばこ特定販売業
塩製造業
たばこ事業法
塩事業法
経済産業大臣 アルコール製造業 アルコール事業法
ガス小売事業 ガス事業法
国土交通大臣 特定貨物自動車運送事業
貨物軽自動車運送事業
第1種貨物利用運送事業
貨物自動車運送事業法
貨物自動車運送事業法
貨物利用運送事業法
地方運輸局 自動車分解整備事業 道路運送車両法
観光庁長官 旅行業 旅行業法

上記の許認可のうち、国土交通大臣への届け出が必要なもの(特定貨物自動車運送事業や第1種貨物利用運送事業など)や地方運輸局長への届け出が必要なもの(自動車分解整備事業など)は届出期間を定めているため、十分に注意しましょう。

これらの許認可は、承継に際して行政官庁や都道府県などから承認を受ける必要はありません。吸収分割によって事業を承継した会社は、所定の期限内に定めた方法で届け出れば自動的に許認可を承継できます。

行政庁などの承認が必要な許認可の例

許認可の中には、承継会社が引き継げるものの行政官庁や都道府県などからの承認を受けなければならないものがあります。承認が必要な許認可の一例は以下の通りです。

承認機関 許認可の種類 関連法規
都道府県知事 旅館業 旅館業法
介護事業 介護保険法
国土交通大臣 一般旅客自動車運送事業 道路運送法
一般貨物自動車運送事業 貨物自動車運送事業法
第2種貨物利用運送事業 貨物利用運送事業法
公安委員会 風俗営業許可 風俗営業法

これらの許認可を承継会社に引き継がせる場合は、あらかじめ関連機関に届け出て承認を受けましょう。承認を受けなければ、承継会社がこれらの許認可が必要な事業を行えません。承認を受けるまでに時間がかかる可能性もあるため、可能な限り早めに手続きすることをおすすめします。

新規で再取得が必要な許認可の例

許認可の種類によっては、承継会社に引き継がせないものもあるので注意しましょう。一例として以下の許認可は引き継ぎできず、承継会社が新たに取得しなければなりません。

再申請先 許認可の種類 関連法規
国土交通大臣または都道府県知事 建設業 建設業法
宅地建物取引業 宅地建物取引業法
都道府県知事 産業廃棄物収集運搬業 廃棄物処理法

例外として、分割承継会社がすでに産業廃棄物収集運搬業の許認可を受けている場合は再取得せずに事業を行えます。

吸収分割の手続きの煩雑さを「すばる」がサポート

吸収分割は複雑で、ときにトラブルが発生したり、吸収分割が無効になったりする可能性があるものです。各種手続きを滞りなく進めるためにも、それぞれの分野における専門家に相談するとよいでしょう。すばるには法務・税務・会計などの専門家が集まっており、安心して手続きを進めていけるようサポートいたします。後悔しない吸収分割を行うためにも、ぜひお早めにご相談ください。

(参考: 『すばる』)

まとめ

まとめ
吸収分割の手続きは、「契約締結」「労働者・債権者保護手続き」「株主への通知」「株主総会での特別決議」「効力発生」「変更登記」の順に進みます。それぞれの手続きでさまざまな書類を提出したり、複雑な作業を行わなければいけなかったりするため、手間がかかるでしょう。

すばるでは相手先とのマッチングから吸収合併の完了までをワンストップでサポートしているので、円滑に進めたいと考えている方はぜひご相談ください。大手監査法人系M&Aファーム出身の公認会計士や税理士等が多数在籍しており、それぞれの専門知識を生かして会社の状況にマッチしたサポートを提供します。