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トラック(企業物流)業界の業界動向やM&A事例をご紹介!

公認会計士 牧田彰俊

公認会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。 その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。 組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。 2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく牧田公認会計士事務所を設立し、現在に至る。本記事の監修を務める。

現在、インターネット普及によってネットでの買い物が一般的な時代になってきました。消費者にとっては非常に利便性の高いサービスではありますが、このサービスを支えているのはトラック業界と言えます。業界自体は細かく分類することができ、BtoC・CtoCの両方で活躍する宅配便、引越し業などもトラック業界です。

そんなトラック業界内でM&Aが行われている事例が増えています。今回は、トラック業界の中でも企業間での物流を支えている企業物流業界の業界動向からM&A事例、M&Aを成功させるためのポイントなどをご紹介していきましょう。

トラック(企業物流)業界の特徴

トラック業界はその名の通り、トラックを用いた物流を取り扱っている業界です。上記でもご紹介したように、業界内でも様々な分類ができます。企業物流業界の中には業務範囲を日本全国へ広げたり、物流の中継点に活用したりするために大型倉庫を保有しているケースも多く、倉庫業界との競合が見られる場合があります。

トラック業界の市場規模

トラック(企業物流)の市場規模は、物流業界全体の6割を占める約16兆円です。宅配便よりも市場規模は大きく、物流事業を支える分野だと言えるでしょう。また、輸送機関別の分担率はトンベースなら約9割、トンキロベースなら約5割で、品目では建設関連貨物が4割弱を占めている状況です。

トラック業界の分類

トラック業界の物流サービスを細分化すると、主に4つの事業に分類できます。これは、貨物自動車運送事業法に基づく分類方法です。

一般貨物自動車運送事業

荷物を預かったらそのまま直接運送する事業です。例えば、工場で作られた大量の部品をそのまま別の工場まで運送する場合、一般貨物自動車運送事業に分類されます。引越しや霊柩事業も一般貨物自動車運送事業に含まれています。

特別積合せ貨物運送事業(一般貨物自動車運送事業の一形態)

これまで一般貨物自動車運送事業では貸し切りの形態で行われていましたが、近年は小口輸送のニーズも増えてきており、ターミナルを経由して多くの荷物を1台のトラックに積み合わせながら運送する、特別積合せ貨物運送事業が増加傾向にあります。一般貨物自動車運送事業とサービス内容的にはそれほど変わりませんが、ターミナルを経由している分時間が掛かってしまうことがあります。

特定貨物自動車運送事業

特定貨物自動車運送事業は、特定の荷物に限定した輸送を行う事業です。荷主と直接契約を結び、決まった頻度で運送を行います。自家用輸送を代行したいと考えている企業で特定貨物自動車運送事業が活用されています。

貨物軽自動車運送事業

貨物軽自動車運送事業は、大型トラックではなく軽自動車による運送が中心の事業となります。軽自動車ということは大量の荷物を運ぶことは難しいものの、多頻度小口輸送に向いています。貨物軽自動車運送事業はBtoCの印象が強いものの、基本的に荷主は不特定多数で決まっていないため企業物流に活用されるケースは多いです。

トラック(企業物流)業界の業界動向

企業物流においてはこれまで自社内で物流を賄い、自家用トラックを使って運送するケースが多かったのですが、近年は運送を外部へ委託する傾向にあります。なぜ企業では運送を委託するようになったのでしょうか?

その理由として考えられるのが、運送以外に流通加工や梱包などの間接業務まで外部へ委託するようになってきたということです。全ての業務を荷主側の企業が行ってきましたが、外部へ委託することで経営資源や規模が小さくても問題なくスムーズな物流を実現できます。

さらに、近年は1つの商品を大量に生産するよりも多くの品種を少量ずつ生産する傾向にあります。ロスを徹底的になくすための「ジャストインタイム」と呼ばれる生産管理システムによって各企業が必要なものを必要な数だけ生産するようになりました。

ジャストインタイムを自社運送に取り入れると非常にノウハウが複雑で高度なものになってしまいます。それなら必要な時に外部に依頼し運送を委託してしまった方が荷主企業としても楽なのです。

将来的にトラック運送の外部委託は増えていくと考えられています。トラック(企業物流)業界の中には既に多くの運送会社が存在していますが、今後は3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業の強化を図ることで、荷物をただ運送するのではなく流通機能をまとめて請け負うためのサービスが増加することでしょう。

トラック(企業物流)業界のM&A傾向

トラック(企業物流)業界では近年他業種からの参入が増えてきています。例えば、食品や機械製造などの物流とは関係ない大手メーカーが、自社の物流などを管理する目的で物流会社を傘下に入れているケースは少なくありません

また、同じ業界内でも輸送対象によっては運送時に必要な技術や設備などが異なるため、業界内に新たな企業が参入してきたとしても得意な事業領域でなければ大きな影響を受けない場合もあります。例えば特別積み合わせタイプには日本通運やトナミホールディングス、第一貨物などの名が挙げられますが、電子メーカーでは日立物流や東芝ロジスティクス、アルプス物流など、電子メーカーの傘下に入っている物流会社が多く見られます。

物流会社の売上を見ると、多くの業種から荷物を運送する企業よりも特定の業種に向けて運送業を担っている企業の方が、売上の利益率は高くなる傾向にあることが分かっています。理由は、特定の業種に絞れば運送事業に加えて梱包や商品検査、工程管理、流通加工などを一貫してサービスを展開でき、ノウハウも蓄積されやすいためです。他社としっかり差別化を図らなければ収益性が落ちてしまい、経営難に陥ってしまうことが考えられます。

特に近年は一般貨物自動車運送事業・特定貨物自動車運送事業、それぞれの事業者のうち約75%もの業者が従業員300人以下の中小企業です。大手事業者の下請けサービスを提供しているところが多く、一次・二次下請けから中には五次・六次下請けまで、非常に多層的な業界でもあります。さらに国内の貨物輸送需要が伸び悩みを見せ始めており、今後ただ単に輸送するだけのサービスでは生き残れない可能性が高いです。

多くの業者が参入しているにも関わらず、輸送需要の上限が見えてきた中で大手事業者はM&Aを実施するようになっていきます。元々運送業者と荷主のつながりが深いことから新規顧客が掴みにくい特性を持っており、営業で新規顧客を狙うよりもM&Aを実施した方が手っ取り早く規模を拡大できるのです。特にリーマンショックが起きてからは、中小企業の経営がさらに難しくなってしまい、M&Aを実行する動きが本格化しています。

トラック(企業物流)業界のM&A事例

トラック(企業物流)業界のM&A傾向についてご紹介してきましたが、実際にどのような企業同士でM&Aが実施されたのでしょうか?いくつか事例を取り上げてみましょう。

セイノーホールディングスによるM&A

岐阜県大垣市に本社を置くセイノーホールディングス株式会社は、2015年5月13日に関東運輸株式会社の全株式を取得し、M&Aを成立させました。関東運輸の株式を取得した理由としては、第2次総合物流商社の実現を目指し、コールドチェーンの追加によって多様な温度環境からの物流網を拡大させ、サービスの高度化・企業価値の向上を図るためだと明記されています。

このM&Aで関東運輸の子会社だった大阪高速乳配やケーシーエス、泉川運輸、ティ・エム・アール北関東もセイノーグループに入ることになります。元々セイノーグループはトラック(企業物流)業界でも大手で全国各地に物流網を広げていましたが、今回のM&Aでさらに物流網を広げることになりました。

日立物流によるM&A

日立製作所の子会社である日立物流は1989年に上場している大手物流企業です。そんな日立物流は国内物流量が減少傾向にあることや人材不足、荷主から求められている高付加価値が伴った運送サービスの需要に応えるため、2016年にSGホールディングスと資本業務提携契約を結びました。

SGホールディングスは佐川急便を傘下に従えている企業であり、日立物流からSGホールディングスに株式29%、佐川急便の株式20%がお互いに譲渡され、持分法適用関連会社になりました。この業務提携によって3PL事業とデリバリー事業の融合を目指しています。

他にも日立物流は2010年に化学業界大手のDICと子会社で物流を担うDICロジテックのM&Aにも成功しています。DICロジテックが日立物流の完全子会社化され、これまで日立物流だけでは新規顧客の開拓が難しかった化学業界でも運送サービスを提供できるようになったのです。

福山通運によるM&A

1948年に創業・設立された福山通運は、1960年から近畿日本鉄道と資本提携を結び、現在は傘下として活躍している運送会社です。資本提携後約12年で東京証券取引所第一部への上場を果たしています。

そんな福山通運では事業全体の情報共有を行い、得意分野を活かすことで価値の向上を目指すために2009年王子運送グループを子会社化することが決定しました。王子運送は東京に本社を構え、東北から北陸地域にも運送ネットワークが広がっています。

トラック(企業物流)業界のM&Aを行う目的

企業物流を担う運送会社にとってM&Aを実施する目的は様々です。特に売り手側と買い手側では目的やメリットは異なります。

売り手側の目的

従業員の雇用が守られる

経営が困難になり、倒産してしまうと従業員は路頭に迷ってしまうことになります。未払いの給料や退職金は優先的に支払われますが、それでも仕事を失ってしまうことには変わりありません。経営が傾いている時にM&Aを早めに検討しておくことで、従業員の雇用が守られる可能性は高まります。

後継者不足の問題を解決できる

どの業界でも後継者不足の問題が浮上しています。親族に事業を承継することはできますが、場合によっては親族が経営者に相応しくないと感じていたり、親族に事業承継することで負担を増やしたくないと考えたりする方もいるでしょう。M&Aで企業を譲渡すれば後継者不足の問題は解決できます。

買い手側のネットワークやノウハウを活用できる

これまでは自社で積み上げてきたネットワークやノウハウで事業を展開していたものが、M&Aで譲渡することにより、買い手側のネットワークやノウハウを活用できるようになります。買い手側は大手企業であるケースがほとんどなので、自社だけでは難しかった新しいサービスを展開できる可能性が高まります。

買い手側の目的

物流ネットワークが拡大される

売り手側の企業が培ってきた物流ネットワークを買い手側も利用できるようになるため、物流ネットワークがさらに拡大できます。一からネットワークを構築することが難しい場合にはM&Aを活用すると良いでしょう。

物流業界への参入がしやすくなる

他業界から物流業界へ参入する場合、一から物流ネットワークや新規顧客の開拓、中継点の確保などを行わなくてはならず、時間と手間が掛かります。物流業界へ参入するなら既存の中小企業を子会社化した方がスピーディに参入できます。

ドライバー不足を解消できる

ドライバー不足は企業物流のみならず、業界全体で問題となっている部分です。新しく従業員を獲得しようと賃金水準や条件を良くしても、なかなか応募が集まらない状態になってしまうことも少なくありません。M&Aなら従業員をそのまま獲得することができ、なおかつ経験豊富なドライバーを獲得出来るので、ある程度の研修は必要なものの基本的な教育は省略できます。

トラック(企業物流)業界のM&Aを成功裏に進めるために

トラック(企業物流)業界のM&Aを成功裏に進めていくためには、いくつかのポイントに注意しておく必要があります。

M&Aの成功がゴールではないことを理解する

M&Aを進めていく中で、M&Aの成立自体をゴールとしてしまう方は多いです。しかし、大事なのはM&Aを成立させた後と言えます。これは買い手だけでなく売り手側にも言えることです。

M&Aを成立させた後、互いの企業で協力しながら大きな効果を発揮できるかが重要な課題となります。つまり、買い手側と売り手側、それぞれで将来的な部分まで見通しながらM&Aを実施することが肝要です。

M&Aの専門家に相談する

売り手側にとって、M&Aは何度も実施するようなものではありません。一度譲渡されればそのまま子会社として運営されるようになるでしょう。そのため、M&Aをどのように進めれば良いのか分からないという方は多いです。このような状態でM&Aを成功させるのは難しいと言えます。

M&Aを成功させるためにはサポートしてくれる、M&Aの専門家に相談してみましょう。M&Aの専門家に相談すると、手続きのサポートはもちろん譲渡する際にできるだけ売り手側の希望が叶えられるように交渉してもらえます。

まとめ

トラック(企業物流)業界では、人手不足やサービスのニーズが幅広くなってきていること、他業種からの参入が増えているなど、様々な問題が挙がってきており経営が難しくなっている中小企業は増えてきています。そんな中で、M&Aが盛んになり始めています。

トラック(企業物流)業界でのM&Aはメリットが多いですが、その分気を付けなくては失敗に陥ってしまいます。M&Aを成功させるためにも、専門家に相談した方が良いでしょう。ぜひトラック(企業物流)業界でM&Aを行いたいと考えている方は、今回の記事を参考に検討してみてください。

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