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事業承継で株式譲渡を行うメリットやデメリット!具体的な方法は?

公認会計士 牧田彰俊

公認会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。 その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。 組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。 2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく牧田公認会計士事務所を設立し、現在に至る。本記事の監修を務める。

経営者のなかには業績不振や人手不足に悩み、経営を継続するか考えている方もいるのではないでしょうか。事業承継の方法に「株式譲渡で会社の経営権を移転する」という選択肢があります。株式譲渡は後継者がいなくても事業を継続でき、比較的簡単な手続きで行うことができるメリットがあります。

さらに売却対価を得ることができるため、金銭的な面でも廃業を選ぶより株式譲渡の方がおすすめです。

そこでこの記事では、事業承継で株式譲渡を行うメリット・デメリット、注意点や具体的な手順をご紹介します。正しい道を選択することで、培ってきた会社の有形・無形の資産を無駄にすることなく事業承継できるでしょう。

事業承継で株式譲渡を行うメリットとは?

事業承継のための株式譲渡では「対価としての現金」「簡潔な手続き」「コスト削減」などのメリットがあります。経営権を譲受先に移転するというシンプルな手続きのため譲渡後も大きな変化があまりなく、従業員の混乱も避けられるのが特徴です。この項目では、事業承継において株式譲渡を選ぶメリットについて解説します。

現金を得られる

株式譲渡によって売却された株式の対価は、キャッシュで支払われます。譲渡側は株式譲渡で現金を受け取ることができ、今後の資金としても活用できます。

高齢を理由に株式譲渡を行う場合は引退後の生活資金として、譲渡後も事業を継続したい場合は新規事業への投資として、有意義な使い方が可能です。株式譲渡で得られる利益は株式価格から取得価額等を控除したものからその約20%の税金を引いたものとなり、かかる税率も一定かつ高くないためより多くの現金が手に入ります。

「アーリーリタイアで第二の人生をスタートしたい」と考える方も、株式譲渡で現金を得ることで可能になります。多額の資金が必要な場合の手段として、株式譲渡は有効な方法のひとつでしょう。

M&Aの中でも手続きが手軽

株式譲渡はM&Aスキームのひとつですが、ほかのスキームの場合は手続きを完了させるまでの時間や労力が株式譲渡に比べ重くなります。一方、株式譲渡の場合は最低限、株式譲渡契約書の作成と締結、株式の対価であるキャッシュの支払い、株主名簿の書き換え等だけで手続きを完了できます。

例えば、事業譲渡の場合は双方で合意した事業のみを売買するため、譲渡の際は事業を引き継ぐための契約を個別に再締結することが必要になります。一方、株式譲渡の場合は会社の経営権ごと移転するため、個別に契約を再締結する必要はありません。譲渡側は自社の株式を売却し、譲受側は株式を取得するというシンプルな仕組みです。

「迅速に会社を譲渡したい」「面倒な手続きはなるべく避けたい」と考えている場合、株式譲渡が適しています。

経営スタイルが崩れづらい

株式譲渡で事業承継する場合、株主以外は大きく変わらないことも少なくありません。経営権や所有権は譲渡しても経営者は譲渡前と同じ人物であったり、会社名や役員の構成などがそのまま引き継がれたりと、譲渡後もこれまでの経営スタイルを続けることも可能です。

また株式譲渡の際に、譲渡側の条件として「従業員の雇用」についてしっかりと交渉しておけば、事業承継後の社員トラブルも抑えられます。従業員の雇用や待遇を維持することを条件にしておけば、譲渡後も安心です。

株式譲渡をきっかけに従業員が退職すれば人員不足になってしまうだけでなく、会社に利益をもたらす社員が抜け当初想定していた売上・利益を確保出来なくなる可能性もあるため、従業員の継続雇用は譲受側にとってもメリットがあります。

廃業コストを削減できる

高齢化や引退などを理由に、黒字経営であってもやむを得ず廃業を考えている経営者の方もいます。廃業ではなく株式譲渡により事業承継することで、コストの負担を抑えることが出来ます。廃業する場合「解散や清算の登記」「官報公告」「保険の廃止手続き」などの費用が必要です。また、廃業のための手続きを専門家に依頼した場合はその分の費用もかかります。

廃業した場合はさまざまな手続きにコストがかかってしまいますが、株式譲渡で事業承継すれば手続き費用を上回る対価を得ることが出来るかもしれません。

お金の面だけでなく、廃業してしまえば会社名やこれまでの実績、取引先との関係なども失ってしまいます。しかし株式譲渡で事業承継することで、これまで培ってきたものを守りながら次世代に継承することが可能です。

事業承継で株式譲渡を行うデメリットとは?

株式譲渡での事業承継を選んだ場合で、譲受側の負担となりうる事項が調査結果として判明するケースがあります。譲受側の負担になるということは、譲受側は始めからリスクを抱えて買収することになるので、株式譲渡が成立しない可能性もあります。

また、譲渡側にもデメリットとして成立後には譲渡益に対して法人税(個人の場合は所得税)を支払う義務が発生します。この項目では、事業承継で株式譲渡を実施するデメリットを解説していきます。

デューデリジェンスの結果、潜在的・顕在的なリスクが発見される

株式譲渡を行う場合、対象企業やその事業に対してデューデリジェンスを実施します。デューデリジェンスは、M&Aにおいて必要なもので「買収監査」とも呼ばれています。財務・税務、法務、労務、ビジネスなど複数の観点から実施され、譲渡側が譲受側に必要な資料を開示し譲受側が分析したり、譲渡側のマネジメント層にインタビューをしたりします。

デューデリジェンスをすることで、譲受側は譲渡側企業の適切な価値を知ったり、取引において必要な手続きや薄外債務などのリスクを把握したりできます。

このデューデリジェンスの結果、潜在的もしくは顕在的なリスク項目が発見されることがあります。多くは、許容できる内容であったり、株式価格を当初想定より一定程度減額したり、株式譲渡契約書にリスクヘッジ策を盛り込むことで、M&A成立を目指すことになります。
しかし、リスクの度合いによっては株式譲渡というスキームを変更せざるを得ないケースもあります。なぜなら株式譲渡では企業そのものを取得することになるため、事業譲渡等とは異なり当該リスク項目もそのまま譲り受けることになってしまうためです。

このようにデューデリジェンスは非常に重要なプロセスになりますが、高度な知識を要するため、専門の公認会計士・税理士や弁護士などに依頼することをお勧めします。依頼費用も相応にかかりますが、ある程度の時間も必要になのでスケジュール管理に注意しましょう。

税金がかかる

株式譲渡は、法人・個人問わず株主と相手先による株式の売買です。売却益に対しては法人では法人税が、個人では譲渡所得税が課税され、譲渡側の株主が支払うことになります。譲渡所得税は申告分離課税のひとつで、税率は約20%です。譲渡で売却益があった場合、翌年の確定申告で申告する必要があります。

譲渡側は株式の売却により創業者利潤を得ることができる一方で、利益に対しては必ず一定の税金がかかってくることを理解しておきましょう。

株式譲渡を「贈与」にて行うことを検討している経営者の方もいるかもしれません。贈与では、基礎控除額を超えると贈与税が発生し、贈与を受けた側が税金を支払うことになります。自分の子どもや親族などに贈与を考えている場合には、課税ポイントに注意しましょう。

そもそも株式譲渡とは?

株式譲渡とは、企業のオーナー(譲渡側)が保有している株式を買い手企業(譲受側)に売却し、経営権を承継させることを指します。譲受側は、株式を買い取ることで会社の経営権を得ることができます。譲渡側は創業者利潤を獲得し、譲受側は比較的シンプルな手続きで会社を手に入れられることから、事業承継の方法として株式譲渡が選ばれることがあります。

譲渡側が会社の経営権を移転させることに抵抗がなく、譲受側も買収資金がありM&Aに伴うリスクを承知していれば、スムーズに成立する取引です。

事業承継のための株式譲渡の割合は?

株式会社では、株主総会での決定権を持つのに必要な株式の議決権比率は過半数の50%超です。過半数を所持する株主には経営権が与えられ、人事や財務などの決定権を持つことができます。

しかし、重要事項を決定する権利を得るためには50%超では不十分です。全体の3分の2以上となる66.66…%の株式を持つことで支配権が得られ、会社を自由に動かす権利を手に入れられます。株式譲渡で事業承継を行う場合は66.66…%の株式を売却する必要があり、中小企業では100%が一般的です。

株主譲渡の手続きに必要な書類

株式譲渡を行う際は、主に以下の書類と手続きが必要です。ただしこれらは、取締役会非設置会社と株主総会が承認機関である企業に必要な書類となります。手続きの際は、自社の構成機関などを確認しておきましょう。

・株式譲渡承認請求書
・株式譲渡承認通知書
・株式譲渡契約書
・株式名義書換請求書
・株主名簿
・株主名簿記載事項証明書交付請求書
・株主名簿記載事項証明書

株式の譲渡が制限されている「株式譲渡制限会社」の場合は、株式譲渡を認めてもらうための請求を株主に行います。上記書類のほかに、株主総会を招集するための通知や、(臨時)株主総会の内容を記録した議事録なども必要です。

株主から承認を受けたら、株式譲渡契約書を双方で結びます。その後は、株式名義の書き換えを会社に請求します。

事業承継で株式譲渡を行うための手順

株式譲渡を実施する場合「そもそも自分の会社が株式を譲渡できる会社であるかどうか」を確認する必要があります。

制限があった場合、株主もしくは取締役会から承認を受けなければ譲渡できません。譲渡側・譲受側が合意して契約が成立すれば、株主名簿の名義書換をすることで手続は終わります。ここでは、事業承継のために株式譲渡を行う際の大まかな手順について解説します。状況次第で、一部前後することもありますが、一例とご理解下さい。

1.株式を確認する

株式譲渡に興味をもったら、まず自社の株式を確認する必要があります。会社によっては、株式の譲渡に制限が設けられていることがあります。一般的には、譲渡の制限がない会社を「公開会社」、制限がある会社を「非公開会社」「株式譲渡制限会社」と呼びます。中小企業の多くは、株式譲渡制限会社です。

譲渡制限の有無は、登記簿謄本または企業の定款から確認できます。制限がある場合、株主総会または取締役会での承認がないと、株式譲渡を実施できないため注意しましょう。

2.取締役会・株主総会で承認を得る

自社が株式譲渡制限会社であった場合、株主または譲渡人は譲渡承認請求を行うことができます。株主総会または取締役会での承認を得たら、譲渡ができるようになります。万が一承認されなかった場合は、次に「買取請求」を出すことで自分の株式を買い取ってもらえるようになります。

買取請求の際は「企業が買い取るか」「指定された買取人が買い取るか」いずれかの買取人を指定します。買取人が株主または譲渡人に対して10日以内に買取通知を行うことで、株式の売買価格に関する協議へ移ることが可能です。

3.契約書の作成・締結

譲渡側・譲受側の双方が条件に合意したら、株式譲渡契約書を作成して契約を結びます。株式譲渡契約書には、株式と現金を交換することを保証する目的があります。株式譲渡の目的や実行日、取引に関する内容や誓約事項などが記載されています。

株式譲渡契約が完了したら、会社に対して株主名簿の名義書換請求を行いましょう。会社側は書き換えを行ったのち株主名簿記載事項証明書を譲受側に交付し、株式譲渡の手続きは完了となります。

株式譲渡にかかる譲渡所得の計算方法

事業承継における株式譲渡では、売却益が出た場合は譲渡所得となり課税対象となります。譲渡所得税は、株式価格から手数料と取得費用を引いて計算します。

手数料は、株式譲渡を行うにあたって依頼したM&A仲介業者などに支払った費用です。取得費用は、会社の創業者が設立時に出資した資本金のことを指し、帳簿から確認ができます。取得費用がどうしてもわからない場合は、概算の取得費用を算出する方法として株式価格の5%を計上するという方法も認められています。

なお、非上場会社の場合は特例を使うことで譲受側の贈与税(相続税)の納税を猶予できる「事業承継税制」があります。中小企業の事業承継をしやすくするための制度ですが、対応できる専門家は限られているため注意しましょう。

まとめ

株式譲渡を選ぶことで、スムーズに事業承継できるようになります。株式譲渡をすれば廃業を回避できるほか、身内や社内に適任な後継者がいなかった場合でも第三者への譲渡で事業の継続が可能です。経営者を変えずに資金を確保したい場合、株式譲渡は有益な方法のひとつでしょう。

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