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株式交換とは?メリットとデメリット、具体的な手順と注意点を解説

公認会計士 牧田彰俊

公認会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。 その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。 組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。 2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく牧田公認会計士事務所を設立し、現在に至る。本記事の監修を務める。

株式交換は会社同士の経営統合やグループの再編などを目的として使われるM&Aの手法のひとつです。どんな仕組みになっているのか、またメリットとデメリットはどんなことなのか、さらには具体的な手順も含めて解説していきます。

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株式交換とは?

株式交換とは?

株式交換は複数の会社が互いの株式を交換しあうことによって、親会社と子会社の関係になることです。どんな目的があって株式を交換するのか、くわしく解説していきます。

株式交換はM&Aの手法のひとつ

株式交換は経営統合や事業再編を目的として、複数の会社が互いの株式を交換し合うことで、親会社と子会社の関係を構築するM&Aの手法のひとつです。株式交換によって相手の会社の株をすべて取得した会社は完全親法人に、取得された会社は完全子法人になります。「完全」という言葉がつくのは、株式交換においては子会社の株式をすべて取得することがマストになっているからです。

2006年にGoogleがYouTubeを完全子会社化した際にも株式交換の手法が取られました。その当時、現金による買収ではなく、株式交換を選択したのはGoogleがYouTubeの株主に配慮したからという内容のコメントも発表されています。現金による買取であれば、すぐに課税されますが、株式交換ならば完全親法人等の株式以外の資産が交付されないかぎり、交換して得た株を売却するまで税金がかからないからです。株式交換にはいくつかのメリットがあることから、M&Aの手法として使われるケースは珍しくありません。

株式交換と株式移転の違い

株式交換と似た手法のひとつが株式移転です。資金を使わず、組織再編ができるという点では共通していますが、新たに持株会社(ホールディングス)を設立する点が大きく異なっています。持株会社が親会社となって、既存の会社の株式を所有し、既存の会社は持株会社の傘下に入るのです。

この株式移転も上場会社同士の統合といったダイナミックな組織再編が行われる際に活用される手法とされます。2014年にKADOKAWAとドワンゴが株式会社KADOKAWA・DWANGO(現:株式会社KADOKAWA)を設立しましたが、これは株式移転の手法を使った経営統合でした。

株式交換と株式移転とは手続きの面でもいくつかの違いがあります。株式交換は株主総会での承認を省略できる場合もありますが、株式移転は株主総会での承認が必須です。

株式交換比率と株価の算出方法

株式交換比率と株価の算出方法

2つの会社が株式を交換する際に、どのような比率で交換されるのでしょうか? 比率や株価の算出方法を解説します。

株式交換比率は話し合いで決定

株式交換比率には親族間での取引を除き、決まった基準、ルールがあるわけではありません。当事者である会社同士の交渉によって決定されます。それぞれの会社の規模、発行済みの株式総数とその価値などをトータルで判断した上で、交渉します。株式の交換比率を決める上では公平な株価の算定をしなければなりません。

株式交換比率が株主に与える影響

株主の権利には、自益権(主に配当金など、会社から経済的利益を受ける権利)と共益権(議決権を通じ会社の経営に参加する権利)の2つに分けることができます。株式交換比率は次で説明する算出方法により算出された株価と交渉により決定するものの、株価の比率で算定するため各株主が保有する株式の資産に変化はありません。そのため株式交換比率による資産価値への影響は直ちにはありませんが、株式交換比率により保有する株式数の割合が変化するため、株主総会での議決権比率が変化するなど共益権には影響を与えます。

おもな株価の算出方法は3つ

一般的には株価とそれに伴う交換比率は第三者によって公正に算定されることが重要になります。株価のおもな算出方法は次の3つです。

①コストアプローチ

コストアプローチは会社の所有している資産の価値と負債とをそれぞれ個別に評価し、純資産を評価する方法です。資産の価値と負債の評価の手法・範囲によって簿価純資産法、修正簿価純資産法、時価純資産法などがあります。簿価純資産法は簿価純資産額をそのまま適用する方法、修正簿価純資産法は主要な資産・負債を時価として純資産を算出する方法、時価純資産法は資産と負債の全てを時価評価して純資産を算出する方法です。

②インカムアプローチ

インカムアプローチは将来得られる収益、キャッシュフロー、配当などを現在価値に割り引いて、評価額を算出する方法です。収益還元法、DCF(ディスカウンティドキャッシュフロー)法、配当還元法などがあります。それぞれの内容とて初めに収益還元法は一定の想定収益を永久還元することにより評価額を算出する方法です。次にDCF法は将来会社が生み出すキャッシュフローを株主資本と負債の加重平均資本コストで現在価値に割り引いて評価額を算出する方法です。最後に配当還元法は将来の配当金額の予測に基づいて評価額を算出する方法です。

③マーケットアプローチ

マーケットアプローチは株式市場やM&A市場における株価や取引価格を基準に評価額を算定するアプローチであり、市場株価法、類似会社比較法、類似取引比較法などがあります。市場株価法は市場で取引されている価格に基づき株式価値を算定する方法です。次に類似会社比較法は、上場類似会社の株式時時価総額等を、利益などの財務数値で除して株価倍率を算定し、当該倍率に基づき株式価値を算定する方法です。最後に類似取引比較法は、類似取引のM&A買収価格に基づく倍率を試算し、当該倍率に基づき株式価値を算定する方法です。

株式交換のメリット

株式交換のメリット

株式交換のメリットとはどんなことなのでしょう。おもなメリットとして考えられるのは次の3つです。

資金は不要

株式譲渡などのM&A手法では、対象会社の株式を取得するための資金がかかりますが、株式交換は基本的には自社株との交換となるので、資金がいりません。特に親会社となる会社の株価が高い場合は、交付する自社株の比率も小さく株式交換は効率的な手法となります。

少数株主から株式を吸い上げることができる

株式交換は会社同士の合意があれば、手続きを進めることができます。少数株主からの反対があっても可能というところがポイントです。株式交換は当事会社は原則特別決議で議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権3分の2以上の株主の同意があれば成立するのです。子会社に反対する少数株主がいたとしても、株式交換によって株式を吸い上げることができる。株主をすべて集中できるのは大きなメリットといえるでしょう。

一定の要件を満たせば、税金がかからない

株式交換時の対価として金銭等が交付されないなど、一定の要件を満たした場合に「適格株式交換」となり、株を売却した時に得た利益に税金がかからないケースがあります。こちらはのちほどくわしく解説します。

株式交換のデメリット

株式交換のデメリット

メリットのたくさんある株式交換ですが、デメリットもいくつかあります。大きなものは次の3つです。

価格変動のリスク

完全親法人が上場企業の場合、株式交換後対価として受け取る株式の価値が親会社法人の業績によっては変動するリスクがあります。完全親法人・完全子法人となりシナジーがうまれ業績向上が期待できるものであれば、株価の上昇を期待できます。しかし一方で、逆に業績が悪化してしまった場合は株価が下落する可能性もあります。

株主比率が変動する

完全子法人の株主が、完全親法人株主となるため、完全親会社の株主構成に変動が生じます。交換比率や、親会社と子会社の会社規模によっては、完全親法人の株主の議決権割合が低下するだけではなく価値も毀損する可能性があります。

手続きが煩雑

株式交換の手続きはかなり煩雑で手間がかかります。株価の算出、株式交換比率の算出、株式交換契約の締結、事前開示書類の備え置き、株主総会での承認、株式交換の登記、事後開示書類の備え置きなどなど。高い専門知識が求められ、時間や手間もかかります。さらには、自社のみで手続きを完遂することは困難であるため、M&Aアドバイザリーを起用する必要があり、コストを要することになります。

株式交換の手順

株式交換の手順

株式交換の手続きとはどのようなものなのか、一般的なプロセスを説明しましょう。

株式交換契約を締結

まず株式交換契約を締結します。契約書の内容は交換の目的、対価の割当交付、増加する資本金や資本準備金の額、表明保証などです。株式交換は大きな業務執行に当たるため、取締役会を設置しているならば、取締役会での承認の手続きが必要となります。

事前開示書類の備え置き

株式交換を実行する会社は契約事項を事前に備え置き(開示)しなければなりません。開示する期限は会社法で掲げられた日のいずれか早い日から株式交換の効力発生後6か月を経過する日までになります。

株主総会の開催と承認決議

株式交換を実行する会社は効力発生の前日までに株主総会の特別決議で株式交換契約の承認を受けなければなりません。開催の通知は開催日1週間前(上場企業は2週間前)までにします。ただし簡易株式交換、略式株式交換に該当する場合には株主総会を省略することも可能です。ここの2つについては後述します。

株式交換に対して、反対を表明する株主や特定の条件下の債権者がいた場合は、会社に対して株式買取請求権が与えられ、会社はその要求に応じなければなりません。

事後開示書類の備え置き

株式交換を行ったそれぞれの会社は株式交換の効力発生日から6か月間、株式交換の内容を記した書類を親会社と子会社双方の本店に備え置かなければなりません。

株式交換の登記申請

株式交換契約書で定められた効力発生日に親会社は子会社の全株式を取得する手続きを完了させます。新株の発行や資本金の増減がある場合には効力発生日より2週間以内に株式交換の登記を行わなければなりません。通常は親会社のみが登記をします。子会社は株主が変わるだけで、会社そのものについては特に変更がないため、登記する必要はありません。

株式交換での注意点

株式交換での注意点

株式交換ではいくつか、気をつけたいポイントがあります。説明しましょう。

簡易株式交換と略式株式交換

株式交換を実行するには株主総会の特別決議で議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権3分の2以上の承認が必要になります。例外は簡易株式交換と略式株式交換にあたるケースです。このふたつに関しては株主総会の省略が可能になります。このふたつにはそれぞれかなり細かな条件がついているため、少し複雑です。ここではおおまかな基準を説明しましょう。

簡易株式交換は親会社が子会社に交付する対価の額が純資産額の5分の1以下である場合に適用されます。ただし親会社が非上場企業であり、交換に際して譲渡制限株式を交付する場合は適用されません。

略式株式交換は親会社が子会社の90%以上の議決権を保有しているケースで適用できます。この時、子会社は株主総会を省略することができます。ただし子会社が完全子法人になる場合で公開会社であり、その株主に対して株式交換によって譲渡制限株式を交付するには略式株式交換を利用できません。

適格株式交換と非適格株式交換

株式交換において交換の対価として金銭等を取得した場合には課税されます。ただし適格要件を満たしていれば課税対象になりません。税法上、株式交換は課税されない適格株式交換と課税される非適格株式交換の2つに分類されます。

その違いを説明しましょう。この2つの相違点は適格要件を満たしているかどうかという点にあるのです。適格要件はパターンごとに充足すべき要件が変わってきます。以下に説明する3つのパターンに分類でき、適格要件を満たすためには、さらにそれぞれのパターン別で異なる要件を満たす必要があります。

①株式交換をする会社同士が100%の資本関係(完全支配関係)に該当する場合

②株式交換を行う時点で2つの会社の間に50%超100%未満の資本関係に該当する場合

③ 株式交換の目的が共同事業を営むことである場合

この要件を1つも満たさないものは非適格株式交換です。
また3つのパターンごとに充足すべき要件は以下の表の通りです。

要件 要件の内容
対価要件 株式交換等の対価として株式交換等完全親法人株式等以外の資産が交付されないこと(株式交換完全親法人が株式交換完全子法人の発行済み株式の総数の3分の2以上に相当する数の株式を有する場合において、株主に交付される金銭等を除く)
(完全)支配関係継続要件 株式交換等後に株式交換等完全親法人と株式交換等完全子法人との間に株式交換等完全親法人による完全支配関係が継続することが見込まれているものであること
事業関連性要件 株式交換等完全子法人の事業と株式交換完全親法人(株式移転においては他の株式移転完全子法人)の事業とが相互に関連するものであること    
事業規模要件 株式交換等完全子法人の事業と当該事業に関連する株式交換完全親法人(株式移転においては他の株式移転完全子法人)の事業のそれぞれの売上金額、従業者の数もしくはこれらに準ずるものの規模の割合がおおむね5倍を超えないこと    
(どちらか一方)
経営参画要件 株式交換等前の株式交換等完全子法人(株式移転においては他の株式移転完全子法人を含む)の特定役員の全てが株式交換等に伴って退任するものでないこと    
従業者継続要件 株式交換等完全子法人の株式交換等直前の従業者のうち、その総数のおおむね80%以上に相当する数の者が株式交換等完全子法人の業務に引き続き従事することが見込まれていること  
事業継続要件 株式交換等完全子法人の事業が株式交換等完全子法人において引き続き行われることが見込まれていること(共同事業を営むための株式移転においては、株式移転完全子法人の事業と当該事業と関連する他の株式移転完全子法人の事業とが引き続き行われることが見込まれていること)  
株式継続保有要件 株式交換等により交付される株式交換等完全親法人株式等のうち支配株主(株式交換等直前に株式交換等完全子法人(株式移転においては他の株式移転完全子法人を含む)との間に支配関係がある株主)に交付されるものの全部が支配株主により継続して保有されることが見込まれていること    

上記要件を満たさない場合も非適格株式交換となります。

ただし例外もあります。近年の税制改正で適格かどうかの基準が緩和される傾向がありますが、その基準は細部に渡って、細かく設定されているため、判定には専門的な知識が求められるため、専門家に相談しましょう。

まとめ

まとめ

近年、使われることの多い株式交換。資金がなくとも可能であることなど、メリットがたくさんあります。しかし手続きが複雑であるため、専門家を交えることも念頭に置いておきましょう。事業再編や経営統合は周囲に対しても大きな影響を与えるものであるだけに、慎重かつ丁寧に進めていくことを検討してください。

すばるのM&Aサービスには大手会計系M&Aファーム出身の公認会計士、金融機関出身者などが多数在籍しています。M&A、株式交換などでお悩みの方は、まずはすばるの無料相談をお気軽にご活用下さい。

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