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起業の手段としてM&Aを活用するメリットや注意点まとめ

公認会計士 牧田彰俊

公認会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。 その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。 組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。 2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく牧田公認会計士事務所を設立し、現在に至る。本記事の監修を務める。

近年、M&Aを活用して起業するという手段が拡大しつつあります。M&Aと聞くとネガティブな印象を受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、実は会社や事業を譲り渡す側も譲り受けて起業する側も多くのメリットが期待できるのです。そのため、双方にとってメリットがあるM&Aでの起業が今注目されています。

そこでこの記事では、起業の手段としてM&Aを活用するメリットや注意点、今注目されているスモールM&A・マイクロM&Aなどについてご紹介します。

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M&Aで起業する4つのメリット

M&Aで起業する4つのメリット

最近は起業するときにM&Aを利用するという手段が注目を集めています。それは、新規で新しい会社を設立するよりも、M&Aによって既存の会社や事業を譲り受けた方がさまざまなメリットが期待できるからです。

ここでは、「会社やサービスを引き継げる」「優秀な人材が確保できる」「企業文化やノウハウを引き継げる」「許認可を引き継げる」という、M&Aで起業する4つのメリットについてご案内します。

会社やサービスを引き継げる

M&Aを利用した起業では、すでに事業形態が出来上がっている会社やサービスを引き継いで事業をスタートできます。何もない状態で一から会社を設立した場合、新しい製品やサービスを開発して提供していくことになります。

しかし、提供する商品やサービスが実際に売れるのかどうかは不透明です。言い換えれば、新しい商品・サービスを開発しても失敗するリスクがあるということです。商品が失敗して負債が増えていけば、起業からすぐに倒産してしまうでしょう。

M&Aで起業する場合、譲り受ける会社・事業のサービスの提供や事業形態が確立されていれば、経営をスタートさせた段階からある程度の売上や利益が見込めます。既存の顧客情報やサービスを引き継げることで、安定した経営が期待できるのです。

優秀な人材が確保できる

M&Aを起業に利用することで、M&Aされる企業に在籍している優秀な人材を引き継げます。人材のない状態から起業する場合、事業拡大に伴う従業員の雇用の際は、採用情報の掲載や募集、採用面接さらにはコスト負担といった労力が必要となります。

しかし、M&Aによる起業ではスキルや経験のある人材をそのまま引き継げますので、新しく従業員を探して採用する手間やコストが省けます。

新しく未経験の人材を雇う場合は、人材育成に時間がかかることも懸念材料として考えられます。優秀で即戦力となる人材を同業界内からヘッドハンティングする方法もありますが、基本的にこの手法は人材発掘の手間がかかり、さらには採用コストや給与面での負担が大きくなり、一気に人材を確保できるわけではないため現実的ではありません。

譲り受けた会社や事業の従業員はそのまま業務を任せられる即戦力です。そのような優秀な人材を引き継げることもM&Aで起業する大きなメリットのひとつです。

企業文化やノウハウを引き継げる

すでに経営されている会社には、企業文化やノウハウが培われています。M&Aによる起業では、このような企業文化やノウハウをそのまま引き継いで経営していくことになります。

ゼロから起業する場合は、企業文化はもちろんなく、ノウハウを身につけていない状態から経営をスタートさせます。そのため業界内に存在するルールを知らなかったり、トラブルを解決するノウハウが蓄積されていなかったりなどを理由に、経営が安定するまでに時間がかかるケースも多く見受けられます。

すでに経営されている会社であれば、業界内での立ち位置もある程度把握することができますし、発生する問題や課題を対処するノウハウが蓄積されていますので、トラブルへの対応力が高く安定した経営が可能となります。

許認可を引き継げる

新しく事業をスタートさせるときに、事業によっては官公庁からの許認可が必要になる場合があります。官公庁から許認可を受けるためには必要書類を用意して申請するなどの手間がかかるだけではなく、許認可の種類次第では新たに取得することが困難もしくは実質的に不可能な許認可も存在します。

たとえば建設業界や飲食業界、美容師なども許認可を得るために書類を用意する必要があります。許認可を受けるのが難しい金融業界の場合は、官公庁から認められるまでかなりの時間と労力が必要になるでしょう。さらには、酒類製造や風営法対象業種の一部では、新たに許認可を取得することが実質的に不可能なケースもあります。

M&Aを利用して起業すれば許認可もそのまま引き継げますので、官公庁への手続きにかかる時間や労力、さらには許認可取得可否といったリスクがなくなります。

ただし、許認可はその会社が長年信頼と責任を積み重ねてきた証でもあります。一度の違反行為でも引き継いだ許認可が取り消されたり信頼を失ったりしてしまいますので、責任感をもって引き継ぐようにしましょう。

M&Aで起業する場合の3つの注意点

上述したように、M&Aでの起業には多くのメリットが期待できますので、会社のスタートアップ時に効果的な経営戦略のひとつとして考えられています。しかし、メリットばかりというわけではなくいくつかの注意点も存在します。

ここでは、M&Aで起業する場合の3つの注意点についてご紹介します。注意点を意識することで、M&Aの成功をグッと手繰り寄せられるでしょう。

信頼関係の構築を行う必要がある

M&Aで企業や事業を買収し従業員も引き継ぐ場合、元々働いていた従業員や契約していた取引先と新たに信頼関係を構築する必要があります。
前社長への忠誠心が高い従業員がいる場合、経営者が交代したことによって退職の意向を示すことも考えられます。

また、前社長の人脈や人柄で契約していた取引先だと、M&Aをきっかけに契約を見直すような取引先もでてくるかもしれません。経営のバトンを引き継ぐ際は、そのような従業員や取引先と一から信頼関係を築いていく覚悟を決めることが大切です。

最初は環境の変化による不安などから、従業員と経営者の間で誤解やすれ違いが起こってしまい摩擦が生じる可能性もあります。、そのような事態を避けるために、決してワンマン経営にならずに従業員の声に耳を傾けることが重要です。既存の取引先には今後も末永く付き合ってもらえるように事前の挨拶を行うなど、誠実な対応が求められるでしょう。

業績不振になるリスクがある

M&Aで売却される会社や事業には元々業績が悪化しており不採算事業の整理という目的で売却を検討しているケースも少なくありません。そのような会社や事業を取得する場合、、自分の力で業績を回復させる必要があります。

また、M&Aで起業したからといって必ず経営が成功する訳でなく、さらに業績が悪化したり、業績不振に陥ってしまったりすることも考えられます。最悪の場合、廃業に追い込まれるリスクもあります。

M&Aが成功して経営が安定していくには、業績の向上と回復を戦略的に考えて創意工夫することが求められます。
譲り受けた会社のサービスやノウハウに頼り切るのではなく、サービス内容や経営方針を改良する必要があるかもしれません。

譲渡側も、事業再生を期待して会社を売却するケースも多々あります。譲り受けた会社や事業の業績を回復させるのは、新しい経営者に対して最も期待されている使命なのかもしれません。

優秀な従業員を喪失するリスクがある

M&Aのスキームによっては会社の資産や人材をそのまま引き継げますが、従業員の中には経営方針の変更に不満や不信感を抱いて退職してしまうリスクがあります。
とくに、中小企業は社長の人望で従業員が集まっているケースもあり、社長交代に合わせて自分も退職するという人も出てくる可能性があります。

したがって、M&Aで人材を引き継ぐからといって、すべての従業員が必ず残ってくれるわけではないことに注意しましょう。実際に、M&Aによる企業買収は「お金の力で会社を買い取られたと悪い印象」を抱く方も多くいます。新しい経営者と従業員との意思疎通がうまくいかないとと、このようなイメージを持たれて退職してしまうかもしれません。優秀な人材の流出をを防ぐためには、経営方針などについてしっかりと説明し、信頼関係を構築しておくことが大切です。

起業の手段としてスモールM&Aが注目されている理由

M&Aで起業するからといって、企業を買収するのに何千万または何億という資金調達が必ずしも必要な取引ばかりではありません。むしろ、中小零細企業のM&Aでは数百万円から数千万円の資金で取引されることも多く、このような取引を”スモールM&A(小規模M&A)”や”マイクロM&A(超小規模M&A)”と呼ばれています。

ここでは、最近起業の手段としてスモールM&Aが注目されている理由についてご案内します。

後継者の不在で悩む中小企業が多数ある

2019年に中小企業庁が公表した『中小企業白書・小規模企業白書 概要』(参考:中小企業庁『中小企業白書・小規模企業白書 概要』)によると、全体の事業承継の形態における親族内承継の割合は55.4%となっています。かつては90%以上で親族内承継されていましたが、現在はおよそ半数です。

これは少子化の加速や、後継者の能力不足、後継者本人が希望していないなどが理由に挙げられます。

後継者不足が原因で廃業を考えている経営者も多数いますが、M&Aで会社を買収してもらえば後継ぎ不在の問題は解消され、事業を継続してもらえることになります。

時間やコストがそれほど掛からない

スモールM&Aによる起業では、すでに会社が出来上がっている状態で経営をスタートできます。そのため、起業の準備に要する時間やコストを大幅に削減できます。

新規事業を立ち上げる際に最も懸念材料となるのは、時間と初期コストです。設立にかかる手続きや申請、法人口座の開設などやることが山積みです。また、設立における労働環境の整備などで多額の初期コストがかかります。

しかし、M&Aによる起業では設立時にかかる時間やコストを削減できるとともに、ある程度売上が見込める状態で経営を始められます。また事業所や営業所を譲受すれば整った環境から起業できますので、精神的な負担も軽減できることでしょう。

M&Aでスムーズに起業する方法

M&Aでの事業をスタートさせることは、起業におけるリスクを軽減してくれるだけでなく、起業にかかる時間やコストを削減してくれます。円滑に事業の経営をスタートさせるためには、よりスムーズなM&Aによる起業が有効的です。

ここでは、M&Aでスムーズに起業する方法についてご紹介します。以下で紹介するポイントを意識して、スピーディーな起業を実現しましょう。

M&A仲介会社を利用する

スモールM&Aを行いたくても、企業の売買では不動産や上場株式のような流通市場は少なく、M&Aに関する知識がなければトラブルも発生しかねません。したがって、その道のプロであるM&A仲介会社を利用して、M&Aの相談や交渉を行って起業することが得策でしょう。

M&Aを成立させて企業を譲り受ける際は、その企業の内部事情などを正しく把握して評価しておく必要があります。譲り受けた後から重大な問題や多額の負債が見つかったとなると、大きな損失を被るかもしれません。そのようなリスクを避けるためにも、信頼できるM&A仲介会社のサポートを受けて適切に企業を見極めることが大切です。

売却希望の企業に自分の熱意を伝える

中小企業のM&Aにおいては、売却を希望する相手に自分の熱意を伝えることが非常に大切です。自分の事業計画や経営プランをしっかりと伝えて、「この人に継いでもらいたい」と思わせる必要があります。

中小企業の社長は人とのつながりや信頼関係を重要視している方も多く、売却価額や条件と同じように、相手そのものも会社を売却するかの検討材料になり得ます。自分の熱意がしっかりと伝われば、ほかに高額の取引を持ち掛けられていたとしても売買を承諾してくれるケースもあります。

スモールM&Aで起業するならすばるのM&Aサービスを利用しよう!

スモールM&Aはスピーディーな起業ができて、時間やコストの削減が可能になることから起業戦略として非常におすすめです。スモールM&Aでの起業をご検討中の方がいらっしゃいましたら、すばるのM&Aサービスをぜひご利用ください。

すばるのM&Aサービスは、提携先企業の探索から財務・税務調査、クロージング、PMIプロセスまでワンストップでご提供しております。またすばるが目指すM&Aは「友好的承継」であり、売る側と買う側の双方の家族や従業員、取引先、さらに関わるすべての方たちが幸せになるようなM&Aを実現させます。

M&Aにおける譲渡・譲受をはじめ企業評価などに関するお問い合わせも随時承っております。すばるは創業から数年しか経っていない若い会社ですが、短い期間で多くの実績を挙げている勢いのある会社です。
お客様の理想を叶えるM&Aの成立・成功を全力でサポートいたしますので、M&Aに関する相談なら株式会社すばるまでお気軽にお問い合わせください。

まとめ

まとめ

今回はM&Aを利用した起業について、メリットや注意点などをご紹介しました。M&Aでの起業では会社のサービスや人材などを丸々引き継げるので、安定した経営体制で事業をスタートできます。

後継者が不在している中小企業を対象にしたスモールM&Aも起業には効果的ですが、企業の価値を正しく評価するためにもM&A仲介会社のサポートを受けることをおすすめします。

すばるはM&Aに付随する業務をワンストップで提供しておりますので、M&Aに関するご相談なら何でも承っております。M&Aをご検討している方がいらっしゃいましたら、すばるのM&Aサービスをぜひご利用ください。

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