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株式交換の適格要件について解説|要件の詳細から税制改正まで

安江一将

税理士 安江一将

会計コンサルティング会社・税理士法人及びベンチャー企業2社に勤務。会計コンサルティング会社・税理士法人では税務顧問・税務申告のほかに、事業承継支援業務、組織再編業務、IPO支援業務、M&A業務を数多く実行。ベンチャー企業では管理部長・経営企画室を歴任し、上場のための体制構築・実行支援を推進する。大手コンサルティング会社名古屋支社副支社長を経て2019年8月に開業した後、さらにM&A業務を推進することを目的として株式会社すばるに参画し、現在に至る。本記事の監修を務める。

事業の再編を実現するために行うひとつの方法が「株式交換」です。株式交換では一定の要件の元に株式交換時の課税を繰り延べられますが、この要件を「適格要件」といい、適格要件を満たす株式交換を「適格株式交換」といいます。株式交換をするうえで、適格要件は理解し、適格要件を満たすか、満たさないかによりどのような影響がおく必要があります。

そこでこの記事では、株式交換の適格要件について詳しく解説します。適格要件を正しく理解することで、どのような場合に適格株式交換となり、どのような場合にはならないのか、また、適格株式交換となることでどのようなメリットがあるのかがわかるでしょう。

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株式交換の適格要件は何のために存在するか

株式交換の適格要件は何のために存在するか

適格要件とは、課税の繰延を受けられるかどうかを決める条件です。条件にあてはまらない場合は非適格となり、課税の繰延は行われません。税法上は適格要件を満たす場合が「例外」であり、例外となる要件を満たさなければ原則通り課税となる、という建付けになっています。
課税が繰り延べられれば株式交換時に税金を支払う必要がなくなるため、税制上優遇されるシステムだといえるでしょう。

適格要件の判定の入り口は①親会社と子会社の支配関係があるかどうか、と②共同事業を行う目的かどうか、で別れます。さらに支配関係は100%の株式を所有している場合と50%以上100%未満の場合に分かれ、50%未満の場合は支配関係による適格要件の適用はありません。また、支配関係がなくとも親会社と子会社が共同で事業を行うためのものであれば適格株式交換となります。

適格要件の条件は関係性で変わる

クリアすべき適格要件の数は、どのような関係性にあるかによって変わります。支配関係や、共同事業目的なのかによって適格要件は異なるため注意しましょう。適格要件の判定は次の3つのケースのいずれに該当するかよってそれぞれ要件が変わってきます。

1.完全支配関係

親会社が子会社の株式を100%所有する支配関係となっているケースです。

2.支配関係

親会社が子会社の株式を50%以上100%未満所有する支配関係となっているケースです。

3.共同事業目的

株式交換をする目的が共同事業のケースです。株式交換による親会社が子会社の株式を50%未満の場合で適格判定をする場合には、共同事業目的となっているかどうかで判定します。

各ケースの必要となる要件は下記の表のようになっています。各要件がどのような内容になっているかを次に確認していきましょう。

要件 完全支配関係 支配関係 共同事業目的
対価要件
支配関係継続要件
従業者引継要件
事業継続要件
事業関連性要件
株式継続保有要件
右記のいずれか 事業規模要件
経営参画要件

株式交換の適格要件を解剖する

株式交換の適格要件を解剖する

適格要件にはさまざまなものがあるため、どのような関係性のケースに何があてはまるのかを理解しておく必要があります。ここからはそれぞれの適格要件について詳しく解説するので、クリアしなければならない要件をチェックしておきましょう。

対価要件

対価要件は厳密には適格要件というよりは、適格であることの「前提」ともいうべき要件です。株式交換の対価として完全親法人となる会社の株式以外の資産が交付されないことが要件となっております。株式以外の資産の交付とは主に「金銭の交付」が不可ということとなります。
ただし、株式交換の結果、端株となる部分について交付する金銭や、すでに完全親法人となる会社が完全子法人となる会社の株式を2/3以上持っている場合の他の株主に対して交付する金銭等については例外として対価要件を侵害しません。

この要件が必要となる株式交換のケースは?

⇒すべてのケースで必要です!

支配関係継続要件

すでに成立している完全支配関係や支配関係が、株式交換後も継続することが見込まれる状態が「支配関係継続要件」です。完全支配関係のケースではその完全支配関係が、支配関係の場合はその支配関係以上の株式の継続保有が必要となります。

この要件が必要となる株式交換のケースは?

⇒すべてのケースで必要です!

従業者引継要件

従業者引継要件は、株式交換する前後で子会社に在籍していた従業員の80%以上が引き続き在籍することを求める要件です。従業員が株式交換後も辞めずに続けやすい環境を作るには、あらかじめ説明したり今後の見通しをきちんと伝えたりすることが重要です。

しかし説明不足や対応不足により、80%以上の従業員を確保できないこともあるでしょう。株式交換に納得できない、経営方針に沿った働き方ができないと従業員が判断したケースです。80%以上の従業員を確保するには、株式交換をすると決まった時点で従業員にそのことを伝え、納得してもらえるよう経営者側の努力も求められます。

この要件が必要となる株式交換のケースは?

⇒支配関係のケース、共同事業目的のケース!

事業継続要件

完全子法人化した子会社が営んでいた事業を引き続き行うこと、が「事業継続要件」です。ただし、継続対象となる事業は「主要な事業」であり、2つ以上の事業を営む場合は収入金額、損益状況、従業者の数等により主要な事業を判定する必要があります。

この要件が必要となる株式交換のケースは?

⇒支配関係のケース、共同事業目的のケース!

事業関連性要件

完全子法人化した事業が、完全親会社が営む事業と相互に関連している事業であること、が「事業関連要件」です。いくつか事業があるケースでは、「主要な事業」のうちいずれかの事業が関連していれば問題ありません。

この要件が必要となる株式交換のケースは?

⇒共同事業目的のケース!

株式継続保有要件

支配株主が株式交換で交付されるものを引き続き保有する要件が「株式継続保有要件」です。株式交換をする前から支配関係が成立しており、株式交換後も継続してその関係が続きます。

この要件が必要となる株式交換のケースは?

⇒共同事業目的のケース!

事業規模要件又は経営参画要件

これらの要件は少しイレギュラーで、2つの要件のどちらかを満たしていればよいこととなります。
事業に関連している完全親会社と完全子会社の事業の売上金額や従業員の数のどちらかがが概ね5倍を超えないことが「事業規模要件」です。
また、完全子法人で役員を務めている者は退任せずに継続して残ることが「経営参画要件」です。完全子法人に残らなければならないのは社長、専務、常務等の特定役員となっていますが、全員である必要はありませんので、特定役員のうち1人以上が残っていれば要件を満たします。

この要件が必要となる株式交換のケースは?

⇒共同事業目的のケース!

国税庁による株式交換の適格要件の税制改正について

国税庁による株式交換の適格要件の税制改正について

株式交換の適格要件は、国税庁が2016年と2017年に税制改正をしました。以前に比べると適格条件は緩和されたのが特徴です。株式交換を考えるうえで、どのような点が変更されたのか知っておくとよいでしょう。ここからは、税制改正による変更点を3つ解説します。

スクイーズ・アウト関連の改正

2017年に税制改正され、親会社が子会社の株式の総数のうち3分の2以上を保有している場合に適用されます。この状態で株式交換したケースでは、他の株主への交付した資産が金銭などであっても適格株式交換とみなされることが変更点です。この改正は株式交換するにあたり、さまざまなケースで適用されます。

親会社の株式しか子会社へ交付できなかった改正前に比べると、大きな変化だといえるでしょう。税制改正により株式交換のほかにも、株式併合・全部取得条項付種類株式・株式等売渡請求などの少数株主対策に用いられる手法についても影響を与え、税制内容も同様になりました。

完全子法人株式の取得価額

2016年には、完全子法人株式の取得価額の評価について、株式交換を行った事業年度の前事業年度の末の子会社の簿価純資産価額を使用できるように変更されています。改正前は、株式交換直前の子会社の簿価純資産価額しか使用できませんでした。そのため処理するのに時間がかかりがちでしたが、改正後は株式交換直前の算出がなくなり手続きが楽になったといえるでしょう。

適用される条件は、株主が子会社に50人以上いるケースです。

特定役員継続要件

特定役員継続要件は2016年に改正されました。改正後は子会社の役員が1人残っていればよいとなったため、経営参画のケースも考えやすくなったでしょう。

改正前は子会社の役員は全員残る必要がありました。それに比べると、現在は適格条件である役員継続要件をクリアしやすくなったといえます。株式交換にともない役員を一新したいケースでも、1人を残して役員を入れ替えることが可能です。なお、対象となる役員は、社長、副社長、代表取締役、代表執行役、専務取締役、常務取締役等の経営に深く参画している役員(特定役員)を指します。

適格要件の税務処理のポイントは譲渡損益と繰越欠損金

適格要件の税務処理のポイントは譲渡損益と繰越欠損金

適格要件をクリアしている、もしくはクリアしておらず非適格になるのかによって税金面や会計処理の手間は異なります。ここからは、適格要件について理解した次の段階として「譲渡損益」と「繰越欠損金」について確認しましょう。

譲渡損益

株式交換において完全子法人の元株主は、完全子法人株式と完全親法人株式を交換した形となります。しかし、税法上は保有している完全子法人株式を売却して現金を得て、その現金で新たな株式を購入するとされます。そのため株主が売却時の譲渡損益の税務処理をしなければなりませんが原則です。適格要件を満たさないような場合にはこの処理になります。一方で、適格要件を満たしているケースは例外としてこの譲渡損益に対する課税が繰り延べられ、株式交換時における譲渡損益に対する課税は発生しません。

繰越欠損金

過去に発生した損失が繰越欠損金です。適格株式交換か否かによって、繰越欠損金を引き継げるかも変わります。同時に財務状況にも繰越欠損金は大きな影響を及ぼすことも理解しておきましょう。引き継ぐことにより、将来課税される金額を減らせることがメリットです。

適格株式交換のケースは、繰越欠損金を引き継げますが、適格要件を満たさない非適格株式交換のケースは繰越欠損金を引き継ぐことはできません。

株式交換の税務処理はプロに任せる

株式交換の適格要件にはさまざまなものがあり、パターンも複数あります。適格条件や税務処理は、素人の知識だけで対処するのは難しいこともあるでしょう。スムーズに行うには、公認会計士や税理士といったプロに任せるのが良策です。

株式交換や関連する税務処理を自分で済ませようとすると、それだけで時間的負担と精神的負担が大きくのしかかります。無理をする前に、プロ集団のすばるへご相談ください。

まとめ

まとめ

株式交換した会社の関係性によって、クリアしなければならない適格要件は異なります。「適格と非適格どちらなのか」「税務処理はどうすればよいか」などは専門性の高いプロに依頼したり相談したりするのがおすすめです。

すばるには、大手監査法人系 M&Aファーム出身の公認会計士や税理士等者が多数在籍しています。株式交換に悩んでいる方は、すばるのM&Aサービスへぜひ一度ご相談ください。すばるのM&Aサービスによって、時間的負担と精神的負担の両方を軽減できます。

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