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【事例6選】敵対的買収(TOB)のターゲットになっても慌てない!防衛策で突破しよう

公認会計士 牧田彰俊

公認会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。 その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。 組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。 2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく牧田公認会計士事務所を設立し、現在に至る。本記事の監修を務める。

M&Aの手法のひとつであるTOBには、敵対的買収(敵対的TOB)と友好的買収(友好的TOB)の2種類があります。敵対的買収は「乗っ取り」というイメージがあり、自社がターゲットにならないか不安な方もいるのではないでしょうか。

敵対的買収の目的や防衛策、成功事例や失敗事例を知ることで、自社が当事者になった場合のイメージが持てます。そこでこの記事では、敵対的買収の目的や防衛策、ルール・成功事例・失敗事例についてご紹介します。

参考記事「TOB(株式公開買付け)とは?目的と種類、防衛策まで詳しく解説

一時期減少していた敵対的買収が、昨今増加傾向にあります。この記事で、TOBや対策も含めて理解しましょう。

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敵対的買収(TOB)はなぜ行われる?

敵対的買収(TOB)はなぜ行われる?

日本国内では敵対的買収の例は多くありません。また、一定数以上の株式を取得する場合TOBの実施が金融商品取引法により定められています。買収側はなぜ友好的TOBではなく敵対的TOBを実施するのでしょうか。敵対的買収の目的やメリット・デメリットを解説します。

敵対的買収(TOB)の目的

敵対的買収を実施する主な理由は、買収者が対象企業の賛同を得られない状況でも株式を一定数以上取得し、支配権を獲得することです。支配権を獲得することで、対象企業の経営陣を入れ替えたり、子会社化したりできます。

対象企業が非効率な経営を行っている場合、経営陣の一新により、経営の改善や企業価値の向上を目指すことが可能です。つまり、敵対的買収が成立することで、株主や従業員がメリットを享受できるケースがあるということです。敵対的買収は経営陣の間で合意を得ずに行いますが、必ずしも全ての利害関係者にとってマイナスというわけではありません。

敵対的買収のメリット

敵対的買収は強引な手法という面もありますが、成立によって以下のメリットが生まれるケースもあります。

・株主の利益を守れる場合がある
・組織変革が実行しやすくなる
・株主の価値観が反映される

A社とB社が良好な業務提携を築いていても、B社が経営方針を変更する場合もあります。これがA社や株主の意向に反する変更であったなら、利害は一致しません。A社によるB社の敵対的買収が成立することで、2社の利害対立の解消につながります。特に、B社が株主にとって不利益な経営方針の場合、敵対的買収により株主の利益を守ることができる可能性もあります。

また、現代はIT技術への対応が企業の寿命を左右する場合があります。しかし、長年培った企業文化を変革するのは容易ではありません。敵対的買収によって経営陣を一新することで、組織変革をスムーズに行える可能性があります。

TOBで提示する買付価格は、市場価格より高値であることが一般的です。株主が株式売買による利益を優先するなら、友好的買収や敵対的買収に関わらずTOBに応募するでしょう。応募するということは、敵対的買収に同意したことも意味します。株主の価値観が反映されるのも敵対的買収の一面です。

敵対的買収のデメリット

敵対的買収はメリットを生むケースもありますが、いくつかのデメリットもあります。主なデメリットは以下の3点です。

・成功率が友好的買収に比べて低い
・従業員が大量に退職するリスクがある
・買手側の風評被害が発生する場合がある

友好的TOBは買収者・対象企業間で合意を得て進めるため、成立までは比較的スムーズです。しかし、敵対的買収は対象企業の経営陣と合意を得ずに行います。敵対的買収を仕掛けると、対象企業は何らかの防衛策を講じるのが一般的です。対象企業の抵抗がある場合、友好的TOBより成功率は低くなると考えられます。

また、敵対的買収は「強引な乗っ取り」というイメージを抱きやすい傾向があります。労働環境の悪化や、給与や待遇が悪くなるかもしれないと従業員が不安を抱く可能性があります。

TOBは実施内容を公告して行い、敵対的買収の情報はマスメディアを通じて拡散されます。敵対的買収は「のっとり」のようなネガティブな印象を与え、風評被害により買手の業績に悪影響を与える場合もあります。

日本では敵対的買収の成功率が低い

日本において、敵対的買収の件数は友好的TOBに比べてわずかです。敵対的買収は成功率が低く、実施するにはリスクもあります。

敵対的買収(TOB)のターゲットになった時の防衛策

敵対的買収(TOB)のターゲットになった時の防衛策

主に上場企業が、敵対的TOBのターゲットになります。敵対的買収に対しては予防策と緊急的な防衛策があり、対象企業はさまざまな方法で防衛が可能です。敵対的TOBが進む前の予防策と、進んだ後の防衛策について解説します。

敵対的買収(TOB)が進む【前】の防衛

敵対的買収を受けた場合に備え、予防策を導入する企業が増えています。主な予防策は以下の5種類です。

高い企業価値(株式価値)を維持する

ライツプラン(ポイズンピル)

ゴールデン・パラシュート

プット・オプション

チェンジ・オブ・コントロール条項

高い企業価値を維持するということは、高い株式価値(時価総額)を維持するということであり、この結果敵対的TOBのターゲットになりずらくするという効果があります。高い株式価値が維持されるということは、ある意味割高な状態な株価であるといえます。敵対的TOBのターゲットとなりやすいのは、資産価値や実力に比べて割安な状態の銘柄であることから、高い株価を維持するというのが本質的な買収防衛策といえます。

ライツプラン(ポイズンピル)は、一定割合の議決権を取得した買収者が現れた場合に備えて、既存株主にあらかじめ「買収企業のみが行使できない」オプションを与えておく手法です。買収者の持株比率を下げることで、支配権の取得を困難にします。ライツプランの発動まで、配当負担や償還義務などの経済的負担は発生しません。なお、日本では会社法上等の規制により欧米のポイズンピルと同じ仕組みは取れませんが、事前警告型防衛策である新株予約権を利用した対抗措置が同じような効果を担っています。

ゴールデン・パラシュートは、買収者が対象企業の経営陣を解雇した場合に備え、経営陣に莫大な退職金を支払う契約を締結する手法です。ただし、この手法は経営陣に利得はあるものの、既存の株主価値を棄損する方法でもあります。

プット・オプションは、金融機関から借り入れを行う際に、「支配権が変わったなら、一括弁済を請求できる」といった条項を盛り込んでおく手法です。買収後の財務状況が悪化するため、予防策として一定の効果を発揮します。

チェンジ・オブ・コントロール条項は、重要な契約において、「支配権が変わった場合、相手方が契約の破棄・見直し、合弁会社の買取を行うことができる」といった条項を入れ、買収時の事業価値低下を狙います。

敵対的買収(TOB)が進んだ【後】の防衛

敵対的買収を仕掛けられた後も、防衛策を講じて買収に抵抗できます。主な防衛策は以下の4種類です。

第三者による買収(ホワイトナイト)

企業価値の引き下げ((クラウンジュエル)

増配

逆買収(パックマンディフェンス)

第三者による買収(ホワイトナイト)は、対象企業にとって友好的な企業が、敵対的TOBを仕掛けた企業に対抗して対象企業に対する友好的TOBを行う手法です。基本的には、敵対的買収よりも好条件のTOB価格を提示します。敵対的買収の阻止に有効な手法ですが、資金力のある協力者がいなければ実施できません。

企業価値の引き下げ(クラウンジュエル)は、買収者にとって魅力的な事業・資産を売却したり、多額の負債を引き受けたりする手法です。買収するメリットを減らす、あるいは買収後の経営リスクを増大させることを狙います。ただし、この手法は既存の株主価値を棄損する方法でもあります。

増配は、既存株主へ還元する配当を増やす手法です。株主から支持を得られる施策の実施により、既存株式の魅力を高めます。敵対的TOBへ応募する株主を減らせる他、株価の上昇によって買収にかかるコストを増加させる手法です。

逆買収(パックマンディフェンス)は、敵対的買収を仕掛けてきた買手に対して、逆に買収行為を行って対抗する手法のことです。売手は、逆買収を行うために資金が必要となり、借り入れや資産の売却などを行います。その結果、買収先としての魅力が下がり、相手企業の買収意欲を削ぐこともできます。さらには、一定数以上の株式を相互に持ち合えば、保有する相手企業の議決権が無効となり、買収理由を削ぐことが出来ます。

買収防衛策には様々な手法がありますが、実施により既存株主の株式価値を棄損する手法も多く、やはり日々の時価総額を高めるということが最高の買収防衛策であることに違いありません。

敵対的買収(TOB)の防衛が成功したケース

敵対的買収(TOB)の防衛が成功したケース

日本国内では敵対的買収の事例が少なく、多くのケースで何らかの買収防衛策によってTOBが失敗しています。買収防衛の成功事例からは、予防策・防衛策の活用方法が学べるでしょう。北越製紙、ブルドックソース、ニッポン放送の3つのケースについて解説します。

王子製紙 vs 北越製紙

2006年、製紙業界1位の王子製紙は北越製紙に友好的な経営統合を提案しましたが、北越製紙の反発を受け敵対的TOBを仕掛けました。この事態を受け、三菱商事は北越製紙の第三者割当増資を引き受け、製紙業界2位の日本製紙は北越製紙株を取得します。結果として、王子製紙の敵対的TOBは不成立に終わりました。

スティール・パートナーズ vs ブルドックソース

2007年5月18日、スティール・パートナーズはブルドックソースの全株取得を目指し、敵対的TOBを開始しました。ブルドックソースは防衛策を講じ、新株予約権無償割当を実施します。

スティール・パートナーズは、株主平等原則に反するとして新株予約権無償割当の差し止めを請求しますが、最高裁判所で否決されました。結果的にスティール・パートナーズの敵対的TOBは失敗に終わっています。

ライブドア vs ニッポン放送

2005年1月、フジテレビジョンはニッポン放送に対するTOBを開始しました。その翌月、ライブドアとその子会社はニッポン放送株の約35%を取得し、フジテレビジョンに業務提携を要求します。

この事態を受け、ニッポン放送はフジテレビジョンを引受先として、新株予約権の発行を発表しました。両社は和解し、ライブドアはニッポン放送株を全てフジテレビジョンに譲渡し、フジテレビジョンはライブドアに出資しました。

敵対的TOBは「乗っ取り」という世論イメージもあり、成功率は低いものとなっています。

敵対的買収(TOB)が成立したケース

敵対的買収(TOB)が成立したケース

日本における敵対的買収の中には、TOBが成立したケースもあります。以下で紹介する3件に共通するのは、買収防衛策を講じていない点です。これらのケースからは、買収防衛策の必要性を学べるでしょう。デサント・大戸屋・ソリッドグループHDに対する敵対的買収について解説します。

伊藤忠 vs デサント

2019年1月31日、伊藤忠商事はスポーツ用品大手のデサントに対し、合意がないままTOBを仕掛けました。この時点で伊藤忠商事はデサントの筆頭株主でしたが、デサント株の持株比率を高め経営権を取得することが狙いです。

両社はデサントの経営を巡って対立しており、TOB期間中も激しい討論が繰り広げられました。結果的に、伊藤忠商事の敵対的買収は成立しています。

コロワイド vs 大戸屋

2020年7月、コロワイドは大戸屋ホールディングスに対して敵対的TOBを仕掛けました。コロワイドは事前に大戸屋ホールディングス株を買い進めており、最後の一手を打って経営権を取得する狙いです。大戸屋ホールディングスは経営不振が続いていたこともあって、株主の反発は弱く、コロワイドによる敵対的TOBは成立しました。ただし、個人投資家からの応募は想定より集まらず、当初目標としていた過半数の株式を握ることができず子会社化は失敗に終わっています。

ケン・エンタープライズ vs ソリッドグループHD

2007年10月、投資会社のケン・エンタープライズは、ソリッドグループHDに対して敵対的TOBを仕掛けました。ソリッドグループHDの経営陣・従業員が反発する中、発行済み株式総数の48%~66.58%を取得する狙いです。TOBには大株主のリーマン・ブラザーズ証券が応じたとみられ、敵対的TOBは成立しています。

これらの案件に限らず敵対的買収の成功率は低いですが、近年ではコロワイドによる大戸屋の敵対的TOBのように成立も増加してきています。

敵対的買収(TOB)の防衛策にはルールがある!

敵対的買収(TOB)の防衛策にはルールがある!

2005年、経済産業省と法務省は「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」を発表しました。この指針の中で、買収防衛策は企業価値・株主共同利益を確保・向上することが基本として、3原則を定めています。買収防衛策は経営者の一存で進めることはできません。買収防衛策のルールについて解説します。

(参考; 『企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針(要約)』)

経営者の一存で進めることはできない

企業価値を守るための買収防衛策は、一定の範囲で認められています。しかし、株主の利益を損なう場合もあるため、経済産業省・法務省は原則を用意しています。

経営者にとっての利益は、株主にとっての利益と異なる場合があります。対象企業の株主からすれば、敵対的買収が利益となる場合があります。株主は、「買収防衛策は合理的か」「経営陣が不当に防衛を行い、株主の利益を阻害していないか」といったことを判断します。防衛策を講じる際は、株主の利益を十分に検討しましょう。

1. 企業価値・株主共同の利益の確保向上の原則

買収防衛策の目的は、企業価値と株主共同の利益を維持・向上するものと考える原則です。企業価値とは、株主利益に資する会社の資産・安定性・成長力などを指します。株主共同の利益とは、株主全体に共通する利益です。この原則に従い、例えば以下のような買収に対する防衛策が認められます。

・株主共同の利益を明白に侵害する買収

・段階的に買付け条件を不利にして、株主に売り急がせる買収

2. 事前開示・株主意思の原則

事前開示とは買収防衛策の内容を事前に開示し、株主の予見可能性を高めることです。株主意思とは、株主の合理的意思に依拠した買収防衛策であることを指します。買収防衛策は、株主総会の承認を得て買収防衛策を導入することが原則です。取締役会で導入する場合、株主の意思で廃止できる措置が求められます。

3. 必要性・相当性確保の原則

「買収防衛策は過剰なものであってはならない」とする原則です。買収防衛策は、株主平等の原則や財産権保護の原則を守り、商法上の手続きに従って導入することが求められます。この原則により、経営者が買収防衛策を乱用することは認められません。

買収防衛策は既存株主の株式価値を棄損するケースもあり、近年では買収防衛策を廃止する企業が増加しています。

まとめ

まとめ

敵対的買収は対象企業の経営陣や株主の反発を受けやすく、成功率は高くありません。防衛策を講じれば阻止も可能ですが、TOBには厳格なルールがあるため専門家との連携を要します。TOBを仕掛ける側になるなら、友好的TOBを選択して進めましょう。

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