電気工事業界の動向や今後の課題は?M&Aを選択するメリットを解説

山下正太郎

山下正太郎

メガバンクに入行し、M&Aを含む各種ファイナンス業務に従事した後、大手M&Aブティックに入社。中小企業の事業承継問題に対するソリューションとしてのM&A取引を推進。その後、上場企業および大手コンサルティング会社の企画部門にて投資責任者を歴任。キャリアを通じて多数のM&A案件の成約に携わった他、PMI担当として買収先とのスムーズな経営承継を実現した経験を多数持つ。牧田公認会計士事務所、相続・M&A大学に参画し、現在に至る。本記事の監修を務める。メンバーの詳細はこちら

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私たちの生活になくてはならない電気を通すために必要な電気工事。後継者や人手不足、社長の高齢化などの問題を抱える電気工事業界では、それらの解決のためにM&Aが行われています。そこで今回は、電気工事業界でM&Aを選択するメリットについて解説します。

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本記事のポイント

  1. 電気工事業界の動向と課題
  2. 電気工事業界でM&Aを実施するメリット(売り手および買い手の視点から)

電気工事業界の動向

電気工事業界の動向

電気工事業界は、社長の高齢化、後継者や若年層の働き手が減少するなど様々な問題を抱えています。また就業希望者数の減少が慢性的に続いており、優秀な人材確保に頭を悩ます企業が増加しているのが現状です。しかし、電気工事業界には悪いニュースばかりではく、例えば2021年開催の東京五輪の影響を受けて電気工事の需要が増加している等の良いニュースもあります。ここではまず、電気工事業界の動向について解説します。

東京五輪の影響で電気工事の需要が増加

2007年~2009年にかけて電気工事業界の売上は緩やかな減少傾向にありましたが、2010年以降は穏やかに増加しています。特に2011年以降は、東日本大震災の復興に向けた設備投資が増加し、電気工事業界の景気は上向きになりました。また先日開催された東京五輪の影響により建設需要が増し、電気工事業界の需要も増加に転じています。

人手不足や後継者問題を抱える企業が増加

震災復興や五輪開催による需要の高まりがあった一方で、日本は少子高齢化で働き手の減少が著しく、電気工事業界も例外なく人手不足に陥っているのが現状です。後継者の問題を抱える企業も増えています。このような流れを受けて、後継者や人手不足の問題を解決できるM&Aを選ぶ企業も出てきています。

電気工事業界における3つの課題

電気工事業界における3つの課題

需要が高まる電気工事業界ですが、企業を存続させるために解決すべき課題が存在します。これらの課題を解決しないと、場合によっては廃業に追い込まれる可能性もあります。ここからは、電気工事業界における課題について解説します。

<電気工事業界における課題>
 ①人手不足の解消
 ②熟練した職人の技術継承

①人手不足の解消

電気工事業界で多くの企業で問題視されているのが、人手不足です。電気工事業界で仕事をしたいと考える若者が少なく、企業が求人募集をしても応募はごくわずかしか来ない状況のようです。

電気工事業界の労働環境も影響してか、離職率が高く、人材の定着も難しくなっています。結果として、従業員の中から後継者を育成することが出来ず、廃業に至る企業も少なくありません。

②熟練した職人の技術継承

電気工事業界では、熟練した職人の技術継承も課題となっています。前述の人手不足に関連し、近年は若い世代の働き手が減少しているため、数十年に渡り磨き上げた職人の技術が、他の従業員に継承されることなく途絶えてしまうことも少なくありません。

電気工事業界でM&Aを行うメリット

電気工事業界でM&Aを行うメリット

需要が高まる電気工事業界ですが、M&Aが徐々に増えています。M&Aを選択することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、売り手と買い手の視点でそれぞれ得られるメリットについてまとめました。

売り手が得られるメリット

M&Aを通じて売り手側が得られる主なメリットは以下の通りです。
 ①後継者問題の解決・従業員の雇用維持
 ②事業拡大や経営の安定化
 ③廃業手続きが不要
 ④個人保証に関する課題の解消

以下、それぞれについて解説していきます。

①後継者問題の解決・従業員の雇用維持

M&Aによる売却であれば買収先の企業が経営を引き継ぐため、自社に後継者がいなくても会社を存続させることができ、従業員の雇用も守ることができます。

②事業拡大や経営の安定化

M&Aでは買い手側の資金や経営資源(人材や情報など)を活用することができるため、事業拡大や経営の安定化を目指すことが出来ます。従来の体制では実現することが難しかったような新たな事業を始められる機会を得られることもあるでしょう。

③廃業手続きが不要

会社の廃業には、各種清算費用(登記費用や公告費用等)や従業員への退職金の支払いなど、少なくはない費用がかかるものです。M&Aで会社を売却すれば処分手続きや費用を削減でき、譲渡対価を得られる場合もあることから、リタイア後の生活を守れるでしょう。

【参考】『会社の清算はどのように進める?手続きの流れや税金との関係性も紹介
(相続・M&A大学 2021年3月19日)

④個人保証に関する課題の解消

通常、金融機関から借入を行う場合は、オーナー経営者による個人保証(もしくは個人資産の担保提供)を行う必要があります。M&Aで会社を売却すれば、一般的にはそれまでの個人保証は外れ、必要に応じて譲受企業が改めて保証行為を行います。売り手側は個人保証に関する課題を解消できるため、M&Aを機に経営を引退して安定した生活を得ることも可能です。

買い手側が得られるメリット

次は、会社を買収する買い手側が得られるメリットを見ていきましょう。M&Aを通じて得られる主なメリットは以下の通りです。
 ①優秀な電気工事士の確保
 ②既存事業とのシナジー効果
以下、それぞれの項目を詳しく解説します。

①電気工事士の確保

買収することにより、買い手側は売手が抱える人材を一気に確保できます。電気工事は専門的な知識はもちろん熟練の技も無くてはならない業種です。長きにわたり培ってきた職人の熟練した技術は、すぐに習得できるものではありません。通常、人材育成には手間や時間がかかりますが、M&Aで買収すれば優れた技術者を確保することができます。

②既存事業とのシナジー効果

シナジー効果とは、お互いの良い部分を作用し合い、効果や機能を最大限に高めることです。買収側が同業種であれば、エリアの拡大等による増収や経営の安定化が期待できます。隣接業種の場合は、お互いの既存顧客に対して双方のサービスを提供するクロスセルによって売上拡大の機会が得られる可能性がある点が魅力でしょう。

M&Aで買い手が見るポイント

M&Aで買い手が見るポイント

M&Aの売却で買い手はどのようなポイントを見ているのでしょうか。電気工事会社を買収すれば買い手も様々な効果を得られますが、買収によるリスクはなるべく抑えたいと考えるのが買手の常です。買収する会社を選ぶときは、
 ①資格保有者の数と従業員の年齢構成
 ②労働基準法における違反の有無
 ③安定した受注先や取引先の有無
などが、注目されるポイントです。以下、それぞれについて詳しく解説します。

①資格保有者の数と従業員の年齢構成

買い手が見るポイントの一つは、資格保有者の数と従業員の年齢構成です。業務の内容によっては資格者でないと行えない業務もあり、資格によっては取得する難易度が高かったり、取得に時間がかかることから、どのような資格を何名保有しているのか確認が必要です。また、比較的資格者が多くいる電気工事会社であっても、高齢の従業員が多い会社では定年退職等により近い将来人材不足に陥る可能性があります。そのため、買収を検討する際、従業員情報を確認する時は、資格保有者の数と年齢のバランスについて確認がなされます。

労働基準法における違反の有無

労働基準法とは、労働者の権利を守ることを目的とした法律です。労働基準法の違反でよくある事例には、残業代や給与の未払い、有給や労働時間における違反などがあります。もし買収する会社に労働基準法の違反があった場合は、買い手企業が支払いの義務を負うだけでなく、イメージや評判を落とすことにもつながりかねず、場合によっては刑事上の罰則が課せられるリスクもあります。該当しそうな場合には、事前にM&A業者によく相談すると良いでしょう。

安定した受注先や取引先の有無

買い手は、安定した受注先や取引先があるかも注目しています。長年取引をしていたり、経営が安定している企業との取引が多くあれば、買収後にも一定の業績を見込むことができます。不安定な受注先や取引先ばかりの場合は、買収後に取引を継続できいない可能性があるかもしれません。安定した受注先や取引先の数は、買収後のリスクを抑えられる要素になります。

まとめ

まとめ

電気工事業界は、震災復興や2021年開催の東京五輪の影響を受けて需要の高まりを見せて来ましたが、若年層の人材不足や社長の高齢化により後継者問題を抱える企業も少なくありません。このような流れにより、M&Aを検討する電気工事会社が増えています。M&Aを進めるには専門的な知識が無くてはならないため、何から始めればいいのか悩む方も多いでしょう。M&Aに関することで迷ったら、まずは専門家に相談するようにしてください。

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