M&Aはスケジュール立てが重要!期間短縮のメリットやコツも紹介!

会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく株式会社M&A DXを設立し、現在に至る。

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M&Aを行うときには、煩雑な準備や手続きが発生します。そのため、初期段階で進め方について想定し、スケジュールを立てておくと安心です。しかし、実際にどのようにスケジュールを立てればいいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、M&Aのスケジュールについて詳しく紹介します。期間を短縮するためのコツも解説するので、よりスムーズにM&Aを進めたい方は是非ご覧ください。M&Aによるメリットを生かすためには、計画的な戦略も求められます。

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M&Aスケジュールはどうなっている?

M&Aスケジュールはどうなっている?

M&Aは、売り手と買い手双方の企業経営に大きな影響を及ぼすことがある取引です。そのため、一般的に簡単に話がまとまることは多くありません。しかし、あらかじめスケジュールを立てて動くことにより、M&Aの方向性がぶれることなく、より効率的に進めることができる可能性は高まります。

M&Aのスケジュールについて

M&Aの手順は多岐に渡るため、一般的に最低でも半年以上の時間を要します。取引によっては1年以上の時間を費やすこともあるため、円滑に進めるためにはプロセスごとの計画が不可欠です。

またM&Aを成立させるためにはさまざまな手順があり、多くの人が関わります。あらかじめ全体的な流れをつかんでおき、関係者と連携をとりながら行うことで安心して進められるでしょう。

短期間での成立が大切

M&Aの成約率は、決して高いものではありません。中には途中で不成立となってしまったり、成立してもM&Aによるシナジー効果を得られなかったりする場合もあります。このような結果となる要因はさまざまですが、予定よりも最終合意までの期間が長引いてしまうことが一因である場合もあるので注意しましょう。

手続きが滞ってしまったり、条件の交渉に長い時間を要することによって、最終契約締結までの期間が長くなると、売り手会社の価値が変動して条件が見合わなくなったり、買い手と売り手のどちらかが心変わりしたりするリスクを抱えます。M&Aにおいて短期間で成立させることが必ずしも良いこととは言えませんが、上記のようなリスクを回避することはできます。また、スケジュールを立てておくことで、効率的に手続きを進めやすくなります。

M&Aスケジュールを短くするメリット

M&Aスケジュールを短くするメリット

M&Aを成功させるためには、できるだけ計画的に行うことが大きなポイントとなり得ます。そのためには、M&Aのスケジュールをより具体的に立てておくことがポイントです。また、他にもいくつかのメリットがあります。それは「効果が早くなる」「業界動向に影響されにくい」「リスクを軽減できる」の3つです。

効果が早くなる

M&Aの手続きが短くなれば、それだけM&A実行日も早くなるということです。場合によっては、M&Aによるシナジー効果を早く得られることもあります。また、買収による経営資源を確保して、事業拡大をスピーディーに進める場合もあるでしょう。M&Aが短期間で成立することで、事業の成果に早くつながる可能性があることがメリットです。

業界動向に影響されるリスクを軽減できる

市場動向や業界動向は日々変化するため、M&Aを進めていく中で突然大きな変化が生じる場合があるかもしれません。動向が変われば、見込んでいた目標を達成できずM&Aが無駄に終わってしまう可能性もあるでしょう。どの場合でも動向の変化による影響は避けられませんが、スケジュールが短くなれば影響を受ける可能性は低くなります。

リスクを軽減できる

M&Aは、株主や経営陣など限られた人員だけで進めることが一般的であるため、従業員や取引先がプロセスの初期段階から知ることはほぼないでしょう。しかし手続きが長引くことで、従業員や取引先がM&Aの動きがあることを察知してしまうリスクも高まります。

そうなると、実態とは異なる情報が出回ったり、取引先との契約が解消されたりする危険性も出てきます。また、会社の将来性に対する不安から従業員が離職してしまうリスクもあるため、M&Aは動きを察知される前に短期間で成立させることがポイントです。

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M&Aスケジュールの基本の流れ

M&Aスケジュールの基本の流れ

M&Aにおいて、できるだけ効率的に進めるためには、スケジュールを立てておくことが大きなポイントです。スケジュールを立てるために、まずはM&A全体の工程を把握しておきましょう。

目的を定める

M&Aにおける最初の手順は、「目的を明確にする」ことです。M&Aを行うことでどのようなメリットを求めているのか、経営の多角化や現在の事業を拡大させることなど、様々な目的が考えられますが、M&Aで達成したい目的は何かを、明確に定めておきましょう。目的が明確化すれば、M&Aを行ううえで自社の譲れない条件も自然と出てくるでしょう。

M&Aによって得られるメリットを最大にしてリスクを軽減するためにも、譲歩できる部分とどうしても譲れない部分はあらかじめ決めておくことがポイントです。これらについては、優先順位をつけておくとターゲットを絞りやすく、よりスムーズに相手先企業の探索が進められます。また自社にとっての武器となり得る、独自のノウハウや特許などがあればあらかじめ洗い出しておくことで、売り手企業へのアピールポイントになります。

買収する企業を決める

目的が定まったら、買収先の企業を決める流れです。相手の企業選びでは、まず企業名を特定できない範囲での情報がまとまったノンネームシートと呼ばれる資料を参考にします。M&Aの専門家であるアドバイザーの意見を参考にしつつ、自社にとってメリットが得られる企業を探しましょう。

買収したい候補先がいくつか見つかったら、売主の承諾を得たうえで秘密保持契約を締結し、財務状況などをまとめた詳細な企業概要書を参照します。会社概要や事業の内容、財務状況なども判断材料となるため、じっくり検討しましょう。アドバイザーへ相談しつつ、最適な買収企業を見極めることがポイントです。

トップ面談を行う

買収したい企業が決まったら、実際にM&Aの交渉に入ります。一般的に最初に行うのは、経営者同士の理解を深めるトップ面談です。トップ面談では、それぞれの企業が持つ経営のビジョンや経営状況、運営の方針などを交換し合います。

トップ面談は、候補となる相手企業がある程度絞られた段階で行うことが一般的です。将来のパートナーとして、ともに企業経営を行う可能性のある相手企業との最初の面談は、M&Aを進めるにあたって大切なステップとなるでしょう。

その後、アドバイザーを通じて質問をしたり資料の開示を求めたりして、候補先企業の理解を深めます。

基本合意書を締結する

初期的な交渉を終えて双方が納得できれば、売り手企業に向けて意向表明書を提出します。意向表明書の内容に対して売主より合意が得られれば、基本合意書を交わします。基本合意書とは、M&Aを進める意向、独占交渉権、現時点での譲渡対価、大まかなスケジュールなどを規定した書面のことです。但し、基本合意書には基本的に法的拘束力がない旨を定めることが多い点は留意が必要です。

デューデリジェンスを行う

基本合意を交わしたのちに行うのが、デューデリジェンス(DD)です。デューデリジェンス(DD)とは売り手企業に対する企業調査で、法務や税務、財務、ビジネスなどの面からの調査を行うことです。この調査はM&Aのアドバイザーや弁護士、公認会計士などの専門家に依頼するのが一般的です。この結果を踏まえ、再度最終的な条件等を擦り合わせ、最終的な契約締結となる「最終契約」へと進む流れです。

最終契約書の締結

最終的な条件等で両方が納得すれば、最終契約書を締結します。最終契約書は、通常基本合意書を元に作成しますが、基本合意書と違い法的な拘束力があります。この契約を交わすことで、M&Aは成立したことになります。

統合する

最終契約が締結したら、譲渡対価を支払ったり、重要な書類を引き渡したりする、クロージングと呼ばれる手続きに入ります。

クロージングでは、経営権の移転とともに対価の支払いを行います。ただし、最終契約書にて規定されるクロージング条件を双方が満たしていなければクロージングは成立しません。通常は、資金調達や書類の準備などに時間がかかるため、最終契約締結から少し時間を空けてクロージングを行います。

クロージングはM&Aにおける最終手続きとなり、M&Aを法的に有効とするためのステップです。契約書を見直しながら、正確に進めましょう。

M&Aのスケジュールを早く進めるポイント

M&Aのスケジュールを早く進めるポイント

M&Aのスケジュールを短期間で進めるためには、いくつかポイントを押さえておくと安心でしょう。大切なのは、「条件を許容する」「あらゆるケースを想定しておく」「統合時のスケジュールを準備する」という点です。それぞれのポイントを理解して、M&Aを短期間で成立させましょう。

交渉時に条件を許容する

M&Aの相手となる企業を見つけるために譲れない条件を決めることは、買収候補の探索において有効ですが、条件を絞りすぎると売り手企業を見つけにくくなってしまいます。また、厳しい条件を提示すると、売り手企業との交渉が難航し、時間がかかってしまうこともあります。許容できる条件も決めておくとよいでしょう。

特に、譲歩できる条件は広めに許容範囲を設定すると効果的です。条件には優先順位をつけておくと、相手の企業をスピーディーに見つけやすくなります。

あらゆるケースを考える

M&Aは、市場動向などの要因の影響を受けることもあります。中にはコロナのように、想定外の出来事が発生することもあるため、これによってスケジュールが大幅に長くなったり、交渉が決裂してしまったりすることもあり得ます。

こうした不可抗力のリスクを回避することは難しいものの、あらかじめM&Aの見通しを立てておくことで、臨機応変に対応することが可能です。そうすることで、トラブル発生時もスムーズに対処してスケジュールを短くできるでしょう。

統合時のスケジュールを準備する

M&Aを早く進めるためには、統合作業のスケジュールを準備しておくこともポイントです。

M&Aを進める際に、クロージング時までのスケジュールを重視しがちですが、クロージングはゴールではありません。統合によるメリットを得る段階までは、具体的なスケジュールを用意しておきましょう。クロージング後の統合作業をシミュレーションしておくことで、より短期間でM&Aにおけるメリットを享受することもできるでしょう。

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M&A DXはワンストップだからM&Aのスケジュールが短い!

M&A DXでは、M&Aに関する全ての工程を自社で行うことが可能です。相手先の探索から基本合意締結、各種調査、最終合意締結、そしてクロージングからPMIと、ワンストップでのサービスが提供できます。最初から最後までを請け負えるからこそ、M&Aをスピーディーに締結できることがメリットです。

企業双方の将来を大きく変えることもあるM&Aだからこそ、ワンストップでM&A成立が目指せるM&A DXにお任せください。

(参考: 『M&A DX』)

まとめ

まとめ

M&Aには、目的を定めてから相手企業を見つけ、交渉し契約書を交わして統合するといったさまざまなステップがあります。これらをできるだけ効率的に進めるためには、事前にスケジュールを立てることがポイントです。

全ての工程をワンストップで提供しているM&A DXでは、M&Aの手続きをスムーズに行い、M&Aのメリットを得るためのサポートを行います。初回相談は無料なため、ぜひお気軽にご相談ください。

株式会社M&A DXについて

M&A DXのM&Aサービスでは、大手会計系M&Aファーム出身の公認会計士、 M&A経験豊富な金融機関出身者や弁護士が、豊富なサービスラインに基づき、最適なM&Aをサポートしております。セカンドオピニオンサービスも提供しておりますので、M&Aでお悩みの方は、お気軽にM&A DXの無料相談をご活用下さい。 無料相談はお電話またはWebより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。


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M&A用語集

M&A DX用語集では、M&Aに関する専門用語についての意味や内容についてご紹介しております。
M&Aや事業承継は英語を使うケースが多く、初めて聞くと意味が分からないまま会話が進み、後で急いで意味を調べるような経験がある方もいらっしゃると思います。M&Aの用語に関しては、一度理解してしまえばその後の会話で使えるようになるため、辞書代わりにご利用下さい。
※会計士の当社代表牧田が、動画で解説している用語もあります。

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