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廃棄物処理業界の業界動向やM&Aの事例をご紹介!

公認会計士 牧田彰俊

公認会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。 その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。 組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。 2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく牧田公認会計士事務所を設立し、現在に至る。本記事の監修を務める。

廃棄物処理業界は、私たちの生活の中にそこまで馴染みがあるわけではありません。しかし、私たちの生活を支えてくれる重要な業界の一つとなっています。今回は、そんな廃棄物処理業界の業界動向はどのようになっているのか、実際に行われたM&Aの実例などを交えながらご紹介していきましょう。

廃棄物処理業界の特徴

廃棄物処理業界の市場規模は、環境省が発表した『環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書』によると、2016年度ではおよそ3兆9,811億円の規模となっています。地域別で見た分別産業廃棄物処理の排出量は同じく環境省が発表した『産業廃棄物排出・処理状況調査報告書』から、関東が25%と最も大きな割合になっていることが分かります。関東に次いで中部と近畿が多くなっていることから、廃棄物処理業者の数に連動した結果になっていると言えるでしょう。

産業廃棄物の排出量は業種によっても異なります。電気・ガス・熱供給業・水道業など私たちのライフラインを維持する業種、農業と林業、建設業の3つの分野でおよそ70%の産業廃棄物を排出しています。そのため、これらの業界動向の影響を廃棄物処理業界はダイレクトに受けることになります。

私たちの生活と密接な関わりがある廃棄物処理業界ですが、産業廃棄物処理業者の数は2009年がピークとなり、その後は集約化が進んでいます。環境相の調査によると、2016年4月1日現在の許可された産業廃棄物処理業者の数は前年より0.6%減少した198,279件となっています。産業廃棄物処理業者の数が減少した背景には、廃棄物の処理および清掃に関する法律が一部改正されたことで産業廃棄物収集運搬業許可の合理化が進んだためだと考えられます。

このような特徴を持つ廃棄物処理業界は、単体で大きな動向の変化が起こるとは考えにくいです。なぜなら、前述したように産業廃棄物の排出量に影響を受けてしまうからです。産業廃棄物の排出量が多い業界の動向が変化し、排出量が減少していけば廃棄物処理業界が低迷していく可能性が高まり、排出量が増えていけば順調に事業を継続していくことができるでしょう。

廃棄物処理業界のM&A(エムアンドエー)傾向

近年M&Aは様々な業界で行われていますが、廃棄物処理業界も例外ではありません。それぞれの業界によってM&Aの傾向は異なるため、続いては廃棄物処理業界におけるM&Aの傾向をご紹介しましょう。

新しい技術を目的としたM&Aが増えると予測される

産業廃棄物などを処理する廃棄物処理業界では、海外に廃棄物処理の設備を積極的に売り込んでいます。海外へ新しい設備を順調に売り込んでいくためには、これまでとは違う新しい技術を導入することが大きな課題となります。したがって、廃棄物処理業界におけるM&Aは新しい技術を目的としたものが増えるのではないかと予測されます。

特に大手企業であればあるほど、新しい産業廃棄物処理技術の取得を目指そうという勢いが強くなっています。そして、中小企業はそれに追随する形で新しい技術を取り入れるためのM&Aを行おうとすると考えられます。

大手企業を中心にM&Aが行われる可能性が高い

環境省によると廃棄物処理業界の市場規模は、さらに拡大していくと予想されています。しかし、技術は確実に進歩していることや環境へ配慮する姿勢がさらに高まっていくことを踏まえて考えてみると、産業廃棄物処理場の数自体は減っていく可能性が高いと言えます。

産業廃棄物処理場の数が減るということは競争環境が激しくなるということにつながるでしょう。そのため、大手企業は産業廃棄物処理場を確保するという目的でM&Aを進めています。その動きは今後も続いていくと予想されます。

許認可制の業界なので新規参入は難しい

廃棄物処理業界は許認可制の業界となっています。かなり厳しい審査を潜り抜ける必要があるため、新規参入はとても難しいです。もしも、地方自治体がこれ以上産業廃棄物処理業者の必要がないと考えているのであれば、許認可申請が通ることはありません。

産業廃棄物処理業者の数が不足している地域であれば、新規開業ができるかもしれません。しかし、都市部で新規参入できる可能性はかなり低いのが現状となっています。

産業廃棄物処理場を作るためには、施設の基準や運営能力の基準を満たすだけではなく、該当する市町村長もしくは都道府県知事からの許可が必要です。さらに、産業廃棄物の収集や運搬をするためにいくつかの条件を満たし、都道府県知事の許可を得なければいけません。このような基準を満たすためのハードルがかなり高くなっているため、M&Aで廃棄物処理業界に参入するケースが増えています。

廃棄物処理業界のM&A(エムアンドエー)事例

廃棄物処理業界のM&Aが行われた事例はいくつかあります。廃棄物処理業界のM&Aについて理解を深めていくためにも実際に行われた事例をご紹介していきましょう。

造船事業などを行っているTによる廃棄物処理会社SのM&A

造船事業などを行っているTは、2016年に廃棄物処理会社SをM&Aすることを発表しました。造船事業の他にも環境事業を手掛けているTでは、廃棄物収集運搬やリサイクル、産業廃棄物の中間処理などを行っているため、さらなる事業の拡大を目指したM&Aとなっています。アジアへの展開などグリ-バルな取り組みを行っていることから、さらにグローバルな視点でごみ処理問題の解決に取り組もうとしています。

M&Aの対象となった廃棄物処理会社Sは、産業廃棄物の収集や運搬、処理、処分業務だけではなく、公害関連の施設に関わる業務も行っています。産業廃棄物関連の事業では、中間処理をすることでセメント原材料原燃料や製鉄原料として再資源化する技術にも強みを持っています。そのような強みを持つ廃棄物処理会社Sを買収することで造船事業などを行っているTは再資源化技術を獲得でき、リサイクル事業を推進しようとしているのです。

いくつものM&Aを行ってきた大手産業廃棄物処理業者ATの事例

大手産業廃棄物処理業者Tは、これまでにいくつものM&Aを行い、子会社を増やしてきました。廃棄物処理業界の中でも多くの事例を持つ大手産業廃棄物処理業者ATについて見ていきましょう。

1つ目は、同業種のIを子会社化したケースです。産業廃棄物事業などを行っているIは、一般廃棄物と特別管理産業廃棄物の収集運搬業や中間処理、再資源化などを行っている会社です。重金属を含んだ廃液から純度の高いニッケルや銅を回収するノウハウを強みとしているため、廃液処理や有害産業廃棄物処理といった分野に参入するための子会社化だと言えます。

2つ目は、廃棄物処理やリサイクル事業を展開しているFを子会社化したケースです。廃棄物処理やリサイクル事業を展開しているFでは、生木の再生資源化などを行っていて、生木類を100%リサイクル化するという他にはない特徴を持っています。そのため、子会社化することによって再生資源化・再生エネルギー原燃料化というこれからの時代に必要だと考えられる分野への参入を成功させたと言えるでしょう。

廃棄物処理業界のM&A(エムアンドエー)を行う目的

廃棄物処理業界のM&Aを行うということは、何らかの目的があります。続いては、M&Aを行う目的についてメリットを交えながらご紹介していきましょう。

【売却側の目的】

従業員の雇用を確保するため

廃棄物処理業界のM&Aは、従業員の雇用を確保するために行われるケースが多くなっています。廃棄物処理業者の数が減少しているため、廃棄物処理場を経営する会社で勤務する従業員の雇用を確保するという目的でM&Aが行われます。

廃棄物処理業界で働いている人は専門的な技能を身に付けている方もいるため、とても貴重な人材です。会社を売却したり、譲渡したりする際に専門的な技能を持つ従業員の雇用を維持することは大きなメリットになります。つまり、そのメリットを最大限に活かせるM&Aは、人的財産を守るという大きな意味を持っていると言えるでしょう。

経営基盤を安定させるため

近年、廃棄物処理業界に関係する技術の進歩はかなり加速しています。技術の進歩についていくことは中小企業にとってかなり大変なことなので、M&Aで大手企業の傘下に入るメリットは大きいです。自社だけでは難しかった技術開発資金を獲得できたり、大手企業の技術力を活用できたりするため、経営基盤を安定させることも容易になります。

後継者問題を解決するため

廃棄物処理業界は、他の業界と同じように中小企業における後継者不足が大きな問題となっています。M&Aを行うことによって売却や譲渡することができれば、後継者の確保もできるためM&Aを検討するケースが多くなっています。

【買収側の目的】

事業の強化を推し進めるため

会社の経営を安定させるためには、事業の強化を推し進めることも重要なポイントになります。特に大手企業で事業を強化していく傾向があるのですが、M&Aで他の会社を買収することができると短期間でそれを実現できる可能性が高まります。時間をかけずに事業の強化をしたいと考えている会社にとってM&Aを行うメリットはとても大きいということになります。

人材を確保するため

廃棄物処理業界は、技術の発展が著しい業界です。技術が発展していくということは、対応できる技術者を獲得しなければいけません。廃棄物処理業界で必要な知識を持つ技術者の数はそこまで多くないため、有力な人材を確保するためにM&Aによる買収は有効だと言えます。

許認可や顧客を獲得するため

廃棄物処理場などを各地に建てている廃棄物処理業者は、地方自治体や周辺に暮らす住民からの理解や協力がなければ、事業を継続が難しくなります。M&Aを行えば、許認可や地方自治体などのコネクションや事業展開のノウハウを獲得できます。そのため、スムーズな事業展開を実現できます。

廃棄物処理業界のM&A(エムアンドエー)を成功裏に進めるために

廃棄物処理業界のM&Aはメリットがたくさんあるため、実施したいと考えている廃棄物処理業者が増えています。最後に、廃棄物処理業界のM&Aを成功させるために知っておきたいポイントについてご紹介しましょう。

確固たる許認可を保有している

前述の通り、廃棄物処理業界では業者もしくは処理場の新たな許認可を得ることが非常に難しい状況であり、また周辺住民の理解を得ることも非常に難しい状況となっています。そのため、既に稼働している産業廃棄物処理場や中間処理施設等を保有している会社は、それだけで希少性が高いといえます。

新しい技術や特許などを持っている

廃棄物処理業界は、どんどん技術が進化している将来性のある業界です。しかし、国内企業だけではなく海外の企業も参入しているため、新しい技術や特許などを持っているといった魅力がなければM&Aは成立しにくい状況になっています。仮に開発段階の技術であっても将来性がある場合は、M&Aを成功させられる可能性が高いので新しい技術や特許などを持っていることは大切なポイントになります。

M&Aの専門家に相談して進める

M&Aで事業の売却を行うためには、廃棄物処理業界に関する知識だけではなく、会計や税務、法令などに関する幅広い知識が必要になります。さらに、交渉するためのノウハウや柔軟な判断力が必要となるため、M&A仲介会社に依頼することも視野に入れておくと良いでしょう。専門家に相談すれば、より効率的なM&Aを実現できます。

独自のアピールポイントを持つ

廃棄物処理業界はとても範囲が広くなっています。M&Aを行う際の買収側は、現在持っていない技術を求めるケースが多くなっています。そのため、特定の分野に強みを持ち、独自のアピールポイントを持つことが重要だと言えるでしょう。

設備や施設を充実させる

M&Aは、ただ何となく買収や譲渡を行うわけではありません。事業範囲を広げたり、人材を確保したりといった目的を達成するために行われます。しかし、設備や施設が充実していなければ成功する可能性が低くなってしまうため、20年~30年ごとに新しくしていく必要があります。

まとめ

私たちの生活を支えてくれる重要な役割を担う廃棄物処理業界は、集約化が進んだことで業者の数が減っています。しかし、産業廃棄物処理の需要が減っているわけではないので、廃棄物処理業界が衰退してしまうということは考えにくいです。ただし、産業廃棄物の排出量に影響されてしまうため、産業廃棄物の排出量が多い業界の動向に左右されてしまいます。

そんな廃棄物処理業界では、新しい技術を目的としたM&Aが増えていくと予測されています。なぜなら、廃棄物処理業界における技術の発展は非常に目覚ましいものがあるからです。売却側と買収側の利害関係が一致し、将来の展望まで一致しているのであれば、積極的にM&Aを行うようになっています。

M&Aを行うことによって、新しい技術を導入できれば企業の発展にもつながります。そのため、大手企業が自社にはない技術を持つ中小企業を買収するケースが増えていると言っても過言ではないでしょう。今後は、さらなる技術の発展を目指してM&Aが今より増えていくと予想されています。

株式会社すばるには、大手監査法人系M&Aファーム出身の公認会計士や税理士等が多数在籍しています。廃棄物処理業界のM&Aをお考えの方は、株式会社すばるの仲介サービスの利用をぜひご検討ください。

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