M&Aとは?わかりやすくメリットと流れ、目的や手法を説明!【図解】

公認会計士 牧田彰俊

会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。 その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。 組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。 2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく牧田公認会計士事務所を設立し、現在に至る。本記事の監修を務める。メンバーの紹介はこちら

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M&A(エムアンドエー)をニュースで聞くけれど、具体的にどのようなことをするのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、M&Aについて解説をします。M&Aは英語の「Mergers and Acquisitions」の略称であり、直訳では「合併と買収」を意味します。企業経営における戦略のひとつでもあります。

日本においてM&Aが耳目を集めるようになったのは、バブル崩壊後です。「失われた10年」の時代からちょうど2000年代前半、不良債権処理や企業再建における経営手法としてM&Aの件数が増えはじめました。

M&Aと聞くと、何となく大きな企業間で行われる手法だと考えられがちです。また「合併と買収」という言葉のニュアンスから、ネガティブなイメージも根強く残っています。

しかし今、中小企業においても、M&Aが注目されています。後継者不足で廃業の危機に直面する中小企業にとって、事業承継の一手法としてM&Aの活用が増えています。この記事では、M&Aの種類や具体的な内容を紹介します。

M&Aのメリットや注意点、そしてM&Aを行う際に発生する費用についても詳しく説明します。M&Aや事業承継などに興味のある方はぜひ最後までご覧ください。


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M&Aとは?意味と特徴

M&Aの特徴や意味とは?

M&Aとは、英語の「Merger And Acquisition(合併と買収)」の略で、企業の合併や買収を意味します。言い換えれば、会社もしくは支配権(経営権)の取得を意味します。

M&Aは「ビジネスの売買(買収)」、「複数のビジネスをひとつに統合(合併)」する手法です。M&Aで多く用いられる手法には「株式譲渡」、「事業譲渡」、「合併」があります。広義の意味合いとして「資本提携」や「業務提携」を含むケースもあるでしょう。

売り手側の会社は、「事業承継」や「資金調達」、「コア事業への集中」といった、自社の生き残りを目的としてM&Aを行います。買い手側の会社は「事業規模の拡大」、「新規事業の実施」を目的としてM&Aを行うのが一般的です。

【関連記事】M&Aのスキーム(種類)一覧を解説

M&A(エムアンドエー)における譲渡側(売り手側)の目的

M&A(エムアンドエー)においては、会社や経営権を譲渡する側がおり、一般的には譲渡側や売り手側と呼ばれます。

ここでは、譲渡側(売り手側)がどのような目的でM&A(エムアンドエー)に踏み切るのかを紹介します。

1.後継者不在への対策

M&A(エムアンドエー)における譲渡側(売り手側)の目的

近年のM&A(エムアンドエー)で非常に多いケースが、後継者不在への対策のために、M&A(エムアンドエー)に踏み切るというものです。

調査業務大手の株式会社東京商工リサーチの調査によると、全国社長の平均年齢は61.73歳(2018年調べ)で、同社が調査を開始して以降、最高年齢を更新しているとのことです。

また、同社調査により、休廃業や解散をする企業の社長の平均年齢は69.91歳(2018年調べ)であり、社長の高年齢化や団塊の世代等による事業承継・後継者へのバトンタッチがうまく行われていないことが、データからも読み取れます。

親族内に企業の後継者がいない場合、オーナー社長としては親族外への第三者への譲渡・M&A(エムアンドエー)を行うことにより、企業の存続ひいては従業員の雇用維持や取引先に廃業・解散による迷惑をかけないようにすることを企図します。

仮に企業内に親族内外を問わず後継者がいる場合であったとしても、①オーナーによる創業者利潤の確保②後継者候補の能力問題③企業の更なる発展、などの要因によりM&A(エムアンドエー)に踏み切るケースも散見されます。

2.企業の選択と集中

企業の選択と集中とは、自社のメインとなる事業分野(コア事業)に経営資源を集中し、メインではない事業分野(ノンコア事業)への投資を低下させるもしくは切り離すことを言います。

企業の選択と集中に伴うM&A(エムアンドエー)は、複数の事業を営む大企業やグループ企業で行われ、一般的にはノンコア事業の切り出し(切り離し)と言われます。

近年では、過去行った多角化経営を整理する動きが見られ、また競争環境の激化により、企業が持つヒト・モノ・カネの経営資源(リソース)をコア事業に集中することが重視されています。

企業の選択と集中に伴うM&A(エムアンドエー)はこうした昨今の企業ニーズに合致したM&Aといえ、譲渡側(売り手側)にとってノンコア事業であったとしても、譲受側(買い手側)にとってはコア事業の強化であったり新規事業への進出といったWin-Winの関係となる場合があります。

3.経営不振の会社の救済

変化が目まぐるしい現代において、ときに業界環境の変化や資金繰りの悪化などにより、企業経営が立ち行かなくなる場合があります。

この場合の選択肢として、企業を休廃業・解散・清算する方法がありますが、代表者(オーナー)が金融機関等による連帯保証が付され個人財産が毀損することや従業員の雇用維持などを鑑みると、直ちに取りうる選択肢とは言えません。

この場合、スポンサー企業を選定し、スポンサー企業による資金注入(第三者割当増資)や事業譲渡などにより、企業経営を存続させる選択肢を模索します。

経営不振の会社の救済

これを再生型のM&A(エムアンドエー)と言い、かつては大型倒産を回避するために国策的に行われる案件もありましたが、最近では中小企業へも裾野が広がっております。

ただし、再生型のM&A(エムアンドエー)では、代表者(オーナー)も無傷では済まず個人財産が大なり小なり毀損するケースが多く、再生フェーズに入る前に早めにM&Aを決断することが肝要です。


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M&A(エムアンドエー)における譲受側(買い手側)の目的

M&A(エムアンドエー)においては、会社や経営権を譲受する側がおり、一般的には譲受側や買い手側と呼ばれます。

ここでは、譲受側(買い手側)がどのような目的でM&A(エムアンドエー)に踏み切るのかを紹介します。

1.シナジー効果を発現させる

M&A(エムアンドエー)における譲受側(買い手側)の目的

M&A(エムアンドエー)では、シナジー効果(相乗効果)を発現させるために実施されるケースが多数です。

シナジー効果(相乗効果)とは、一社だけではなく、二社以上の企業が組み合わされることにより、一社では得ることの出来ない成果を導き出すことです。

シナジー効果(相乗効果)には様々な種類がありますが、代表的なシナジー効果(相乗効果)としては以下が挙げられます。

✓ 顧客リストを共有することにより収益機会の拡大を図る

✓ 共同購買を実施することにより、スケールメリットを生かしたコスト(費用)削減を図る

✓ 川上企業が川下企業を、もしくは川下企業が川上企業をM&A(エムアンドエー)することにより、垂直統合による競争力強化を図る

2.業界再編

同業他社(類似企業)をM&A(エムアンドエー)することにより、業界再編の機運が高まる場合があります。

業界再編

業界再編型のM&A(エムアンドエー)では、その多くが同業団体内での上位の企業が下位の企業をM&A(エムアンドエー)するケースが多いものの、勢いのある下位の企業が上位の企業をM&A(エムアンドエー)するケースや、三社以上の複数の企業が団結して経営統合するケースなどもあります。

業界再編型のM&A(エムアンドエー)は、金融業界やコンビニエンス業界など皆様に馴染みのあるものから、建設業界、家電業界など様々な業界にて行われています。

業界内での再編は、競争力を構築する点では非常に利点があるものの、再編した後の統合作業が難航するケースもあり、いわゆるPMIと呼ばれるPost Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)というM&A(エムアンドエー)後の統合作業が重要となります。

また、一般的に業界再編型のM&A(エムアンドエー)では、独占禁止法(独禁法)による規制に対応するため、公正取引委員会への届出や審査などが必要になるケースが一般的です。

3.新規事業への進出

企業が発展する上で、前述の通り選択と集中が重要である一方、新規事業への進出や事業の多角化も重要であり、そのバランスが肝要と考えられます。

その際に自社グループで新規事業や社内ベンチャーを立ち上げる方法がある一方、この方法ですと非常に時間を要するケースやそもそも自社グループ内で最適な人材やノウハウがないケースもあります。

そこで利用されるのが、新規事業への進出を目的としたM&A(エムアンドエー)です。

新規事業への進出

このようなM&A(エムアンドエー)は、自社グループ内で手薄な新規事業の人材やノウハウを素早く獲得するだけではなく、対象会社の従前の取引先や業種によっては許認可を取得する意味で、スピード感をもった新規事業への展開が可能となります。

昨今では、情報化社会の発展により、事業やビジネスが進捗するサイクルが短期化しています。

このような変化のスピードが早い昨今では、新規事業への進出にはM&A(エムアンドエー)が有効な方法であると言えます。

M&Aの手法

M&Aの手法

M&Aは手法により、主に4つの種類に分類することができます。

・事業譲渡
・株式譲渡
・会社分割
・資本業務提携

M&Aと聞くと、事業譲渡や株式譲渡といった有名なものが思い浮かぶかもしれません。そのなかで、資本業務提携とM&Aがなかなかつながらない方も多いでしょう。

この項では、4つのM&Aについて詳細を解説していきます。

事業譲渡

事業譲渡とは、対象の事業を譲渡する代わりに、金銭などを受領する取引になります。買い手側(譲受側)は金銭を対価に対象事業を取得することができます。会社の一部のみを売却する取引手法で、M&Aでは株式譲渡の次に多く利用されているといえます。

事業譲渡のメリットは、事業の一部のみを譲渡することができる点でしょう。また、買い手側に不要な契約を引き継ぐ必要がないため、簿外債務などのリスクをほぼゼロにすることができます。

事業譲渡のデメリットは、手続きが煩雑なことです。事業譲渡の際に、株主総会特別決議や資産・負債の移転手続きといった時間と手間が必要になります。

【関連記事】事業譲渡とは?メリットや注意点を徹底解説!

株式譲渡

株式譲渡とは、簡単にいえば会社を丸ごと売却する際に用いられるM&Aの手法です。他のM&Aと比べると手続きが簡便で、M&Aの中では最も多く用いられます。中小企業を対象としたM&Aをする際には、株式譲渡が最もよく用いられています。

手続きの簡便さにくわえ、対象の株主へ直接金銭対価が支払われる点もメリットといえるでしょう。許認可や既存契約もそのまま引き継げます。

デメリットは、簿外のものまですべて承継しなければならない点です。たとえば、簿外債務が万が一あった場合、そのまま承継することになります。部分的な譲渡の際にも利用できないのもデメリットです。

【関連記事】株式譲渡とは一体?メリットや手続き方法は?

会社分割

会社分割は、株式譲渡や事業譲渡とは特徴が異なる手法です。会社分割とは、会社を複数の法人に分割する方法で、組織再編のためのM&Aといえるでしょう。ただし、会社の一部を売買する目的で利用するケースもあります。

承継会社(事業の移転を受ける会社)が新設の会社なのか既存の会社なのかにより、新設分割か吸収分割かに分けることが可能です。新設分割は新しく設立する会社に事業を移転する方法で、吸収分割は既存の会社に移転する方法です。

会社分割のメリットは、権利関係が包括承継されるのでこの点は事業譲渡に比べ手続きが簡単という点です。また、対価に株式を利用出来るため、この場合金銭負担を抑えることが出来ることも大きいでしょう。

一方、会社分割のデメリットは簿外債務も承継会社に承継されてしまう点と、手続きの煩雑さにあります。

【関連記事】会社分割とは?メリットや吸収分割と新設分割の違いを解説!

資本業務提携

資本業務提携とは、提携する会社同士で株式を持ち合うまたは片側だけが相手先の株式を取得して資本提携を行うと同時に、技術などを持ち寄り事業に取り組む業務提携を行うことです。

資本業務提携はM&Aの株式譲渡や事業譲渡とは異なり、会社の支配権を獲得することを目的とした手法ではありません。しかし、異なる会社が資本や技術を持ち合って事業を行うので、広義ではM&Aといえるでしょう。

資本業務提携のメリットには、強固な協力関係を築くことができる点があります。都合のよいときに提携を解消しやすく、通常の商取引に比べ短期間で相乗効果(シナジー効果)を見込める点もメリットといえるでしょう。

資本業務提携のデメリットは、相手方の支配権を得るわけではないので提携が形骸化するケースがある点や利益配分で争いが生じる可能性がある点でしょう。技術や人材流失の可能性も考えられます。


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M&Aにかかる費用

M&Aにかかる費用

M&Aを確実に成立させるためには、専門の仲介業者やアドバイザーを利用します。M&Aが成立した場合、税金も発生するでしょう。

・専門仲介業者へ支払う仲介手数料
・税金

この2つがM&Aを行う際にかかる費用です。

この項では、M&Aにかかる費用について、専門仲介業者へ支払う仲介手数料と税金に分けて詳しく解説していきます。

仲介手数料

M&Aの成立確率を高めるために、仲介会社やアドバイザリー業務を行うM&Aアドバイザリーを利用することになるでしょう。仲介会社やM&Aアドバイザリーに依頼してM&Aを行う際、仲介手数料が発生します。

仲介手数料には、
・着手金
・中間報酬
・リテイナーフィー(仲介会社を利用の際、毎月支払う手数料)
・成功報酬

といったものがあります。

仲介手数料としては、数百万円~数千万円規模によっては1億円を超える費用が発生するでしょう。M&Aの成立確率を高めるためには、仲介会社やM&Aアドバイザリーの利用は必須です。安心して信頼できる仲介会社を探しましょう。

【関連記事】M&Aの仲介手数料はいくら?完全成功報酬型が良いとは限らない!?

税金

M&Aが成立した場合、売り手側(譲渡側)は株式対価(事業譲渡対価)として主に現金を受領します。株式譲渡や事業譲渡などM&Aには複数の種類がありますが、どの方法を利用したとしても、対価は受領した売り手側は税金を支払う必要があるのです。

株式譲渡を行い成立した際には、税金として
・所得税
・住民税
・法人税(売り手が法人の場合)
を支払わなければなりません。

事業譲渡を行い成立した際には、税金として
・消費税(買い手側)
・法人税
を支払わなければなりません。

親族内承継等の事業承継により営業権を後継者へ引き継ぐ場合、
・経営者が生きているときには贈与税
・経営者が亡くなった後には相続税
という税金が発生します。

M&Aのメリット

M&Aによる事業承継は、売り手側にも買い手側にも、双方に大きなメリットがあります。
そこで続いては、M&Aによるそれぞれのメリットには具体的にどのようなものがあるか解説していきます。

売り手側のメリット

M&Aによる売り手側のメリットには、以下のようなものがあります。

・事業承継問題の解決
・経営基盤を強化できる経営状態の悪化に伴う倒産回避
・経営者が資金を獲得できる

事業承継問題の解決

日本の中小企業の場合、以前は親子間や親族間での事業承継が一般的でしたが、近年の国内企業の半数は後継者がいない状況だと言われています。そのため、経営者の高齢化などが理由で、会社が黒字の状態にもかかわらず廃業を余儀なくされるケースも少なくありません。
しかし、M&Aを利用すれば後継者がいなくても、長年にわたり培ってきた会社や事業を承継することができます。

選択と集中による経営基盤の強化

幅広い事業を営む企業の場合、どうしても採算が合わない企業や優先度の低い事業がでてくるでしょう。優先度の低い事業(ノンコア事業)を譲渡することで、今後伸ばしたい事業やコア事業(メイン事業)に経営資源を集中投資することができ、経営基盤の強化につながります。

経営状態の悪化に伴う倒産回避

経営状態が悪化し、このままでは倒産を免れないという企業の場合、M&Aによって事業の一部や全部を譲渡することで、倒産を回避できる可能性があります。また、従業員も買い手企業に引き継ぐことができれば、社員の雇用を維持できるというメリットもあります。
ただし、社員の雇用を引き継ぐためには、売り手側企業および買い手側企業の合意が、スキーム次第では売り手側企業の従業員の合意までが必要です。

経営者が資金を獲得できる

M&Aによる事業承継を行うことで、経営者は売却益を得ることができます。そのため、売却対価を利用して既存事業の立て直しや新規事業を始めることも可能です。また、廃業による清算よりM&Aによる売却対価の方が高額になるケースが多く、M&A後の生活資金として活用することが出来ます。

買い手側のメリット

M&Aによって事業を譲り受ける買い手側企業のメリットとしては、以下のようなことがあります。

・新規事業へ参入ができる
・既存事業の強化が図れる
・スピーディーに事業拡大ができる

新規事業へ参入ができる

自社の新規事業の拡大や進出を目的として、M&Aを検討する企業は多いです。M&Aによって、その業界や事業に関する基盤やノウハウ、知名度のある企業を買収するとそのブランドを獲得し、新規事業であっても優位性を確保することができます。自力で新規事業を始めるよりも、失敗のリスクを大幅に減らし、かつスピーディーに拡大することができます。

既存事業の強化が図れる

自社の既存事業の強化を目的として、M&Aを検討するケースもあります。事業承継によって優秀な人材の確保や技術やノウハウの獲得、スケールメリットなどが得られる場合もあり、既存事業の強化を図ることができます。

スピーディーに事業拡大ができる

企業が事業拡大を目的としてM&Aを検討する場合、シナジー効果の高い事業を取り入れることで、相乗効果を狙うケースが多いでしょう。事業を拡大するには、時間も費用もかかります。しかし、シナジー効果が高い企業や事業を承継することで、短期間で事業を拡大・多角化することが可能です。これが「M&Aは金で時間を買うもの」と言われる所以です。


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M&Aのデメリットや注意点

M&Aには、売り手側企業にとっても買い手側企業にとってもメリットがある方法です。しかし、M&Aを検討する際は、メリットだけでなくデメリットも把握しておく必要があります。
続いては、M&Aのデメリットや注意点を紹介します。

売り手側のデメリット

M&Aの売り手側企業で注意しておきたいポイントとしては、以下の点があげられます。

・最適な買い手が見つからない可能性
・顧客や取引先、社員の反発を買う可能性
・買い手側と希望条件が折り合わない可能性

最適な買い手が見つからない可能性

M&Aによって会社や事業を譲渡したいと思っても、必ず売れるとは限りません。せっかくM&Aを検討しても、買い手企業が見つからなかった場合は、廃業の道を歩まざるを得ない可能性もあるでしょう。
そのため、M&A仲介会社やアドバイザリーを利用するなど、幅広いネットワークを持った専門家に依頼し、双方にメリットのある譲渡先を探してもらうのがおすすめです。

顧客や取引先の反発を買う可能性

M&Aにより会社・事業の一部や全部を譲渡する場合、顧客や取引先との契約も包括的に承継するのが一般的です。しかし、事業内容・契約内容が大幅に変更されると、顧客や取引先とトラブルに発展してしまう可能性もあります。また、同じことが自社の社員にも当てはまり、急激な雇用条件の変更は離職のリスクを高めます。顧客や取引先さらには従業員との友好な関係を保つことは企業価値を維持・向上させるために重要なことなので、その関係性を継続する必要があります。

買い手側との条件が折り合わない可能性

M&Aによる会社や事業の譲渡を希望していても、希望価格や社員の雇用継続など、希望する条件が折り合わなければ交渉は難攻し、M&Aの成立までに時間がかかってしまいます。そして、最終的にはM&Aが破談(ブレイク)となってしまい、またイチから相手先探しをしなくてはならないことは避けたい事態です。
M&Aをスピーディーかつ効率的に進めたい場合は、売り手側企業と買い手側企業の間に入って交渉を進めてくれる、M&A仲介会社やアドバイザリーに依頼するのがおすすめです。当事者同士で交渉をすることも可能ですが、感情的になってうまく話が進まなかったり、どちらかに著しく不利な条件となることが散見されます。

買い手側のデメリット

M&Aの買い手側企業が注意しておきたいポイントとしては、以下の点があげられます。

買収価格が高額なことにより満足した収益を得られない
・PMIにコストと時間がかかる可能性
・優秀な人材が流出する可能性

買収価格が高額なことにより満足した収益を得られない

売手との条件が折り合わないと同様に、M&Aによる買収価格が高額であるがために利益を得るために行ったM&Aのはずが、思ったほど投資回収が出来ない場合があります。短期間で事業の拡大・多角化はできますが、多額の資金が必要になります。M&Aを実行する目的を明確にし、買収先企業・買収金額は適切か十分に検討する必要があります。M&Aは実行して終わりではなく、その後が大切です。収益を伸ばすためのシナジー効果についてもアドバイスをくれるM&A仲介会社やアドバイザリーに依頼し、相談しながら進めると良いでしょう。

PMIにコストと時間がかかる可能性

PMIとは「Post Merger Integration」の略称で「買収を含むM&A後の経営統合」を指します。社風や文化が異なる複数の企業が1つ(のグループ)になるのは、簡単なことではありません。お互いに別の環境で培われてきた組織文化の統合には、コストと時間がかかることがあります。
PMIに時間がかかってしまった場合も、やはり当初見込んでいた収益が確保できない状況になり兼ねません。M&A仲介会社やアドバイザリーを選ぶときは、PMIのサポートが受けられるかについても確認しておきましょう。

優秀な人材が流出する可能性

相手先となる企業や事業の技術やノウハウを持った人材の確保を目的にM&Aを検討する場合、社員の雇用も引き継ぐのが一般的です。企業の成長に必要不可欠である優秀な人材を確保できることはM&Aの大きなメリットです。しかし、相手先企業の社員が必ず在籍し続けるとは限らないため、M&Aによって優秀な人材を流出させてしまう可能性もあります。
キーパーソンとなる優秀な人材の流出を防ぐには、相手先企業の社員の理解を得るのはもちろん、経験豊富なM&A仲介会社やアドバイザリーに相談しながら、アドバイスをもらいましょう。

M&Aの流れ

M&Aの流れを大別すると、下記のようになります。

M&Aの流れ

1. M&Aの初期検討
2. 対象会社の簡易調査
3. 譲受企業候補先選定・打診
4. 合意形成のための交渉
5. 基本合意契約の締結
6. 買収監査(DD、デューデリジェンス)の実施
7. 譲渡契約の締結
8. M&Aの成立(クロージング)

検討・準備段階として、M&Aの検討は自社の株式価値の把握から始めます。買い手により評価が変わるのがM&Aです。しかし、会計ロジックにもとづく価値から大きくそれるということはないでしょう。

打診・交渉段階として、候補先の選定・打診をします。関心を示した会社から具体的な条件をもらうために複数回面談、資料開示を行い、基本合意契約を締結します。基本合意契約には、一般的に独占交渉権などを付与します。

最終契約段階として、買収監査を行います。買い手は買収監査で把握した情報のもと、譲渡契約の締結を行い、その後資金決済(譲渡決済)を済ませれば、晴れてM&Aの成立です。

【関連記事】M&Aの流れをどこよりもわかりやすく解説!手続きにおける注意点とは?


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M&Aを成功させるためのポイント

M&Aを成功させるためのポイント

M&Aを成立させるためのポイントは、
・シナジー効果を生みやすい買い手候補を見つける
・お互いにメリットのある条件交渉をする
・M&A成立後の経営も考える

この3つが重要です。

M&A成立はゴールではなく、あくまでも経営の過程にすぎません。そのため、M&Aが成立したらそれで終わりではなく、M&A成立後の経営について考えてから始動しましょう。

シナジー効果を生みやすい買い手候補を見つける

シナジー効果とは、つまり相乗効果のことです。シナジー効果を生みやすい買い手候補を見つけることが、M&Aを成立させるためのポイントといえます。では、どのような買い手だとシナジー効果を生みやすくなるのでしょう。

答えは、「企業文化が似ていて相互補完ができる、あるいは戦略上重要な役割を果たす買い手」です。このような買い手に購入してもらうことで、シナジー効果は発揮されやすくなります。シナジー効果は、売り手側のみならず買い手側にも発揮されるのがポイントです。

買い手も買ってやるという上から目線での発想ではなく、売り手の尊厳を守り、敬意を払う必要があるでしょう。M&Aでは、このシナジー効果が生まれてこそ成功といえます。

お互いにメリットのある条件交渉をする

買い手側と売り手側の両方にメリットのある条件交渉が必要です。適切な企業間のM&Aでは、売り手側(譲渡側)、買い手側(譲受側)の各関係者に大きなメリットをもたらさなければならないでしょう。

後継者問題の解決、業界再編に備えた経営基盤の強化、事業領域の拡大といった課題解決の実現こそが、お互いにメリットのある条件です。M&Aは企業の存続と発展を実現させるための戦略ツールになる必要があります。

そのためには、売り手側、買い手側のリスク・デメリットをM&A締結前に徹底的に洗い出し、許容できる範囲に抑える必要があるのです。それには専門家に相談し、できうるかぎりの回避策をとるようにしましょう。各関係者がWin-WinとなるM&Aの実現が非常に重要です。

M&A成立後の経営も考える

M&A成立後の経営が悪化してしまったら、M&A成功とはいえないでしょう。

特に売り手企業(譲渡企業)の社員のモチベーションを保つためには、M&Aの検討段階からM&A後のプランニングを行うことが必要でしょう。

M&Aは成立したときがゴールではありません。その後にも事業を継続し続けることがM&Aにとっての真のゴールです。M&Aで事業承継は完了したのに、数年後に経営不振で廃業しては意味がありません。

その点まで考慮して動くことのできる、M&A専門の仲介業者やコンサルティングを探すことが非常に重要になるのです。

まとめ

まとめ

M&Aは、「事業承継をするため」、「経営を再建するため」、「新事業に進出するため」に行う経営戦略です。

そのための手法は「事業譲渡」、「株式譲渡」、「会社分割」、「資本業務提携」といった種類に分けることができます。複雑な手続きも頻出するため、M&Aを成立させるためには専門の仲介業者へ任すといいでしょう。M&Aを利用するならば、大手会計系ファーム出身である公認会計士や税理士が多数在籍する株式会社M&A DXの仲介サービスをぜひご利用ください。M&Aの仲介サービスにより、「時間的負担」、「精神的負担」を軽減させることができるでしょう。

株式会社M&A DXについて

M&A DXのM&Aサービスでは、大手会計系M&Aファーム出身の公認会計士やWeb会社・広告代理店出身者等が、豊富なサービスラインに基づき、最適なM&Aをサポートしております。M&Aでお悩みの方は、気軽にM&A DXの無料相談をご活用下さい。
無料相談はお電話またはWebより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。


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