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外食業界の業界動向やM&A事例をご紹介!

公認会計士 牧田彰俊

公認会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。 その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。 組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。 2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく牧田公認会計士事務所を設立し、現在に至る。本記事の監修を務める。

本記事では、皆様も馴染みが深い外食業界について、最近の業界動向やM&A事例をわかりやすく説明します。譲渡側(売り手側)や譲受側(買い手側)のM&A(エムアンドエー・Merger and Acquisition)に対する思惑など、ニュースなどでは耳にできない、M&Aの実務をやっているからこそ話せるポイントをお伝えします。

外食業界の特徴

外食業界とは、Wikipediaによると、内食ではなく家庭外で食事を提供するサービス業とあります。
皆様と馴染みの深い外食業界ですが、以下のような特徴があります。

①少子高齢化等の人口減少の影響を受けやすい

②消費増税等の景気の影響を受けやすい

③業界全体としては回復基調

④開店間もなく閉店する飲食店が多数

①少子高齢化等の人口減少の影響を受けやすい

人口は人の口との通り、食べ物を扱う外食業界では人口の増減に大きく影響を受けます。
厚生労働省の調べによると、2010年前後を境に日本では人口が減少しており、2050年前後には人口が1億人を割り込む試算を出しております。
また、少子高齢化が進むことにより15~64歳のいわゆる生産年齢人口が減少し、外食業界の主要顧客である生産年齢人口の減少は、外食業界の縮小に繋がる可能性があると言われております。
外食業界では海外展開のハードルがまだまだ高い業種であるため、国内人口の減少は外食業界に大きな影響を与えます

②消費増税等の影響を受けやすい

どの業界でも総じて同じ傾向にありますが、B to Cは消費増税等の影響を受けやすい業種といえます。
また、飲食店ではさらに消費増税等の影響を価格に転嫁させるづらい傾向にあります。
消費者は価格に敏感なため、数十円・数百円の支出負担で飲食店選びを行うこともあります。
そのため、客数減少を恐れて、消費税を価格に転嫁しない飲食店も多数あります
また、2019年予定の消費増税では外食は軽減税率の対象とならないことが決定したため、軽減税率適用となる中食との差別化がより重要となります。

③業界全体としては回復基調

少し前の外食業界は、長引く平成不況・2008年のリーマンショック・2011年の東日本大震災で、苦しい時期が続いていました。
しかし不況下では、デフレの申し子と呼ばれるファストフード業界が伸長し、アベノミクスの影響と考えられる景気好況により、外食業界全体の売上高は増加傾向にあります。
まだまだ最盛期には及ばないものの、外食業界は回復基調にあります。

詳細は下表の『「売上高」「客数」「客単価」の伸び率推移』(一般社団法人日本フードサービス協会発表)をご参照下さい。

④開店間もなく閉店する飲食店が多数

外食業界は初期投資でそれなりにコストがかかるものの、馴染みがある業界でもあることから、飲食経験者だけではなく様々なプレーヤーが参入(出店)する傾向にあります。
外食業界は成熟された業界であるため、競合他社やレベルの高いチェーン店も多数存在することから、競争環境は決して生易しくありません。にも関わらす新規参入(出店)が絶えない結果、出店後1年以内の閉店が目立ち、2年以内には約半数以上が閉店すると言われております。

また、資金力があるチェーン店では、スクラップ・アンド・ビルドと呼ばれる新規出店と退店を繰り返す手法が使われます。
以上より、飲食店は非常に回転の速い業界といえます。

外食業界のM&A(エムアンドエー)傾向

外食業界のM&Aでは、以下のような傾向があります。

①零細事業主の飲食店では、店舗居抜きでの譲渡が多い

②同業同士のM&Aが多く行われているが、異業種へ参入するためのM&Aも行われている

③景気や人気の波が激しいため、大手の譲渡が行われがちである

①零細事業主の飲食店では、店舗居抜きでの譲渡が多い

これまでの零細事業主は、M&Aによる譲渡が、ほとんど普及していませんでした。
よほど知名度やブランド力がない限り、事業承継問題や資金繰りの問題が生じた場合は、閉店せざるを得ない環境です。原状回復するだけではなく、閉店に係るコストも抑えるため、居抜きでの譲渡も一般的になっています。
しかし、まだまだ零細事業主のM&Aが普及していないのは、①そもそもM&Aという手段を知らない②家族経営で飲食店の魅力を承継出来ない③零細事業主のM&A市場が整備されていない、という理由があります。
最近では、零細事業主にもM&Aが一般的になってきており、またTRANBI等の零細事業主のマーケットもますます増えております

②同業同士のM&Aが多く行われているが、異業種へ参入するためのM&Aも行われている

M&Aは同業同士で行われるケースが多いものの、異業種から参入するためのM&Aも多数行われています。
特に外食業界では、周辺産業から参入するためにM&Aに踏み切るケースがあります
直近では、飲料食品の製造販売を行う石垣食品が、居酒屋等を運営するエムアンドオペレーションをM&Aによりグループ化しました。
このM&Aの目的はエムアンドオペレーションが保有する外食業界のノウハウを獲得することにあるとのことです。

③景気や人気の波が激しいため、大手の譲渡が行われがちである

前述の通り、外食業界は景気の変動により影響を受けやすいという特徴があります。
また、人々の嗜好は移ろいやすく、継続して人気店で居続けることは至難の業といえます。
そのため、一般的には業界大手はM&Aにおいて譲受側(買い手側)となるケースが多いものの、外食業界ではしばしば大手が対象会社(M&A対象)となるケースがあります。
例えば牛丼チェーン大手のなか卵はBSE問題の影響を受け、すき家(ゼンショーホールディングス)が取得し、現在では業績改善されました。
もちろん業績不振によるM&Aだけではなく、カレーハウスCoCo壱番屋を経営する壱番屋は業績好調な時期に、従来からの主要仕入先であるハウス食品グループ本社との連携強化を考えグループ化入りする選択を選びました。
このように業界大手が対象会社となるM&Aが起こりやすい業界でもあります。

外食業界のM&A(エムアンドエー)事例

それでは、外食業界のM&A事例を紹介します。
直近に公表された案件で、そのプレーヤーやM&Aの目的等を紹介します。

買い手 対象会社
①あみやき亭 杉江商事
②クリエイト・レストランツ・ホールディングス 木屋フーズ
③石垣食品 エムアンドオペレーション
④鮒忠 草津亭
⑤ロイヤルホールディングス チャウダーズ

①あみやき亭による杉江商事へのM&A

あみやき亭を運営するあみやき亭は、都内でホルモン青木等のホルモン専門店を運営する杉江商事の株式100%を取得しました。

◆M&Aの目的:あみやき亭グループが持つ「食肉のプロ集団」のノウハウと都心エリアで高い評価を受ける「ホルモン青木」ブランド及びビジネスモデルを活用したホルモン専門店を都心エリアへ機動的に出店すること
◆M&Aのスキーム:株式取得(100%)
◆取得価額:非公表
◆対象会社規模:売上高671百万円、営業利益24百万円、純資産247百万円

②クリエイト・レストランツ・ホールディングスによる木屋フーズへのM&A

しゃぶ菜等を運営するクリエイト・レストランツ・ホールディングスは、都内で銀座木屋を運営する木屋フーズの株式100%を取得しました。

◆M&Aの目的:うどん・そばの老舗「銀座木屋」の獲得によるブランドラインナップの強化、本店のある銀座・羽田空港をはじめ都内好立地店舗による安定的な収益の貢献、グループ連邦経営に基づくノウハウの共有による「銀座木屋」ブランドの更なる成長
◆M&Aのスキーム:株式取得(100%)
◆取得価額:非公表
◆対象会社規模:売上高784百万円

③石垣食品によるエムアンドオペレーションへのM&A

飲料事業や珍味事業を手掛ける石垣食品は、居酒屋等を運営するエムアンドオペレーションの株式51%を取得しました。

◆M&Aの目的:飲食店事業の事業基盤の強化と、飲食店等向けインターネット通信販売の将来展開を盤石のものとするために、飲食店の運営を行う事業会社と提携するため
◆M&Aのスキーム:株式取得(51%)
◆取得価額:25百万円
◆対象会社規模:売上高213百万円、営業損失4百万円、純資産1百万円

④鮒忠による草津亭へのM&A

鮒忠等を運営する鮒忠は、老舗料亭・割烹草津亭の割烹店事業を譲り受けた。

◆M&Aの目的:鮒忠では現在3つの基幹事業(ケータリング事業、外食事業、鶏肉を中心とした食品卸売事業)を軸に事業を展開していますが、新たに加わる割烹店舗事業を第4の軸に据え、シナジー効果を最大限に発揮し、多角化、多店舗化を進めていくため
◆M&Aのスキーム:旧草津亭から、割烹亭事業を事業譲受
◆取得価額:非公表
◆対象会社規模:非公表

⑤ロイヤルホールディングスによるチャウダーズへのM&A

ロイヤルホスト等の飲食店を運営するロイヤルホールディングスは、Chowder’s等を運営するチャウダーズの株式100%を取得しました。

◆M&Aの目的:ロイヤルホールディングスが持つ外食・コントラクト事業のノウハウと、食に関わるインフラ機能を活用することで、対象会社の更なる事業発展・効率化が図れるため
◆M&Aのスキーム:株式取得(100%)
◆取得価額:非公表
◆対象会社規模:売上高380百万円

外食業界のM&A(エムアンドエー)を行う目的

外食業界のM&Aを行う目的は様々ありますが、主な目的を売り手側・買い手側に分けて紹介します。

売り手側の目的

①後継者問題の解消

②創業者利得の獲得

③個人保証等の解除

④従業員の継続雇用

⑤廃業により取引先へかける影響を回避

⑥新たな成長戦略

①後継者問題の解消

家族経営をしている飲食店は多いものの、後継者となる親族がいなかったり、親族がいたとしても飲食店を引き継ぐ気がないケース等があります。
このような後継者問題を抱えている場合、廃業という選択肢も脳裏によぎります。
後継者問題を解消する手段の一つとして、M&Aがあります

②創業者利得の獲得

親族内で事業承継をした場合や廃業をした場合などは、株式譲渡や事業譲渡による創業者利潤を獲得することは出来ません。
このような創業者利潤を獲得するためには、IPOをして株式上場させるか、M&Aにより株式譲渡(事業譲渡)する必要があります

③個人保証等の解除

多くの会社が大なり小なり金融機関から借入をしており、また多くの経営者が当該借入に連帯保証を行っています。
また、連帯保証以外にも経営者の自宅が担保に入っているケースもあります。
親族内承継の問題点として、後継者も同様に個人保証等を行わなければならない点です。
この点、M&Aにより第三者に譲渡した場合は個人保証等を解除することが出来、これがM&Aの大きな目的の一つともいえます。

④従業員の継続雇用

親族内承継をすることが出来た場合は関係ありませんが、もし廃業するとなると、当然従業員は職を失うことになります。

M&Aの条件として「従業員の継続雇用」を加えることは一般的であり、この場合従業員の継続雇用という目的が達成されることになります。

⑤廃業により取引先へかける影響を回避

もし廃業するとなると、仕入先や得意先等の取引先は影響を受けることになります。
影響が軽微であればまだしも、取引先にとって自社が代替不可能な存在である場合や取引量が多い場合などは、甚大なる影響を与えてしまうことになります。
飲食店の場合は、閉店を惜しむファンがいる飲食店も少なくないと思います。
このような廃業により取引先へかける影響を、M&Aにより回避することが出来るかもしれません。

⑥新たな成長戦略

経営者は自社の成長に最大限の力を費やします。
しかし、いわゆるヒト・モノ・カネのリソースには限界があり、自社で出来ることと出来ないことがあることが通常です。M&Aでは、一般的に自社より規模の大きい会社が買い手となり、相互に協力することで自社では出来ない成長戦略を描くことも可能です。
このように、M&Aでは自社の新たな成長戦略を共に描けるパートナーを見付けることも重要な要素の一つです。

買い手側の目的

①規模の経済

②事業エリアの強化・拡大

③ブランド・顧客の獲得

④従業員の獲得

⑤取引先とのリレーション

⑥新規事業への進出

①規模の経済

外食業界同士、特に同業種の場合は、仕入れる品目が被っているケースがあります。
この場合、M&Aによって同じグループになることで、共同購買を行うことができ、仕入コストを低減させられる可能性があります。

その他にも、採用面や広告面等で規模の経済を発揮することができ、M&Aをすることによって、規模の経済というシナジーを相互に発揮出来る可能性があります。

②事業エリアの強化・拡大

外食業界では創業の地を中心として、徐々に店舗網を拡大させることが一般的です。
ただし他地域に進出する際は、地の利がないケースや、購買・物流ルートがないケースがあります。
この事業エリアの強化・拡大に伴う問題点に対して、有効な手段となるのがM&Aです。
対象会社が保有する地域的な優位性を獲得するのがM&Aの目的の一つと言っても差し支えありません。

③ブランド・顧客の獲得

外食業界では、ブランドが確立され、そのブランドに顧客が付いているケースがあります。
このようなブランド・顧客は一朝一夕で構築出来るわけではなく、M&Aにより、このような優良なブランドを獲得することが可能となります。

④従業員の獲得

昨今では、アルバイトを含む従業員の獲得が難しく、賃金(時給)水準が高くなっているだけではなく、仮に条件面を良くしたとしても採用が難しい環境が続いております。
これをM&Aにより対象会社の従業員を獲得することにより、グループ相互で従業員を有効活用したり、人材交流させることが出来ます

⑤取引先とのリレーション

対象会社の優良な取引先がいる場合、この取引先とのリレーションを構築するために、対象会社をグループ入りさせるM&Aを行う誘因となります。
例えば、郊外型の店舗網を持つ会社がモール系の店舗網を持つ会社をM&Aをすることにより、郊外型店舗ブランドをモールで展開していく足掛かりになるM&Aとなることがあります。

⑥新規事業への進出

同業同士のM&Aだけではなく、異業種から新規参入するためのM&Aも多く行われています。
特に外食業界へ進出したい会社を多く、自社で単独参入するよりも、ノウハウ・ブランド・経験等様々な利点を獲得することが出来ます

外食業界のM&A(エムアンドエー)を成功裏に進めるために

外食業界のM&Aを成功裏に進めるために、以下のポイントに留意する必要があります。

①M&A成立後も見据えて、M&Aを進捗させること

②妥当なM&A価格やM&Aプロセスを理解するためにも、M&Aの専門家を起用する

①M&A成立後も見据えて、M&Aを進捗させること

「M&Aがうまくいく」「M&Aの成功」というフレーズをよく耳にします。
M&Aがうまくいくこと・成功することとはどういうことでしょうか。
私共が考えるM&Aの成功とは、M&A成立後買い手だけではなく対象会社も含めて、両社の企業価値を向上させていくことです。

企業価値の向上というと難しく聞こえるかもしれませんが、売上・利益を拡大させて、従業員や取引先等により還元していくことといえます。

企業価値を向上させるためには、M&A成立後、早期に両社の強みを発揮し、弱みを補完することが重要です。
そのためには、M&A成立直後から両社のシナジーを発揮することを意識して、M&Aプロセス中から行動することが重要です。対象会社・買い手企業に関する強み・弱みを定性的・定量的に理解し、それを踏まえた統合プランを策定・実行することが肝要です。
この統合プロセスを、PMI(Post Merger Integration)といい、M&Aの成功はPMIにかかっているといえます。

②妥当なM&A価格やM&Aプロセスを理解するためにも、M&Aの専門家を起用する

M&Aでは、M&Aの価格やM&Aプロセス、デューデリジェンス(DD)、基本合意や最終譲渡契約書など、これまであまり馴染みがないことを検討しなくてはなりません。

【関連記事】M&A価格(譲渡価額)はどのように決定されていくのか?
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【関連記事】M&AにおけるDD(デューデリジェンス)の種類や目的を解説!
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M&Aではこれまで馴染みのないことが多岐に渡るため、一緒に伴走してくれるプレーヤーを探す必要があります。そのようなプレーヤーが社内でいる場合もあれば、M&Aに精通している方がいない・もしくは足りないケースが、多くの会社では、ほとんどではないでしょうか。
M&Aは生涯に何度もあることではなく、また動く金額も多額になるケースが多いため、成功裏に進めるためにも、知識・経験豊富なプレーヤーを起用しましょう。

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