デジタルマーケティングとは何か?業界のM&A動向と事例について解説

MBA 髙橋義博

国立大学卒業後、2008年に日本イーライリリー株式会社に入社しプライマリーケア領域のMRとして首都圏を担当し、2015年上期に全国1位の販売目標達成率を獲得。2015年にアストラゼネカ株式会社へ転職、2018年上期に全国1位の営業成績を獲得。製薬会社に在籍しながら名古屋商科大学大学院へ進学し2017年にMBA取得。経営者により近い立場で仕事がしたいという思いから2019年にM&A仲介会社へ転職し、製造業における事業承継型M&Aや建設業における異業種マッチング型M&Aなど複数の成約に携わる。

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近年はあらゆる分野でデジタル化が進んでおり、マーケティングの分野でもダイレクトメールやチラシなどのアナログな手段からデジタル技術を活用したデジタルマーケティングに移行しています。本記事では、デジタルマーケティング業界について知識を深めたい方、この業界のM&Aに関心がある方に向けてデジタルマーケティング業界の概要、市場やM&Aの動向、M&A事例について解説します。

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デジタルマーケティング業界とは

ここでは、デジタルマーケティング業界の概要と動向について解説します。

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは、インターネットなどのIT技術を活用して行われるマーケティング施策を広く意味する用語です。インターネットが普及するまで、マーケティングは電話での営業、訪問販売、アンケート調査を軸としたアナログな手法で行われていました。

しかし、インターネットを中心としたデジタル技術が一般的になって以降は、WEBサイトへのアクセス分析やSNSの反響調査などを通したデジタルマーケティングが主流となります。従来のアナログな手法では担当者の経験や勘に依存する部分が多かったといえるでしょう。一方、デジタルマーケティングで特徴的なのは膨大なデータを分析し、客観的な事実に基づいた戦略が立てられることです。

WEBマーケティングとの違い

WEBマーケティングは、デジタルマーケティングと混同されがちな用語ですが、両者には明確な違いがあります。WEBマーケティングはWEBサイトでの集客やプロモーションに基づくマーケティング手法です。WEBマーケティングでは、WEBサイトへの訪問者数、訪問者の属性、ページ滞在時間などWEBサイトから得られる様々なデータを活用し、WEBコンテンツの継続的な改善につなげます。

一方で、デジタルマーケティングはWEBサイトに留まらず、SNSなども含めた広い意味でデジタル技術を活用したマーケティングを指します。デジタルマーケティングはWEBマーケティングよりも広義の意味を持つ用語だと覚えておくとよいでしょう。

【デジタルマーケティングとWEBマーケティングの違い】

************図

デジタルマーケティング業界の市場動向

IDCの調査によると、2020年のデジタルマーケティング業界の市場規模は、4,305億円とされています。デジタルマーケティングへの支出額は大きいものから金融、製造、流通の順になっています。

金融業界では人口減少や人手不足を見据えて、支店の統廃合、顧客接点の非対面化・デジタル化を進めていることから、デジタルマーケティングへの投資も増えたものと予想されます。

コロナ禍が業界に与えた影響

2020年に世界を震撼させたコロナ禍もデジタルマーケティング業界に大きな影響を与えました。従来は対面でサービスを行っていた業界は、コロナ禍を契機に従来の手法を見直さざるを得ない状況となり、その結果、デジタルマーケティングへの関心が高まったのです。

リアル店舗での接客が中心であった金融業界においては特にその傾向が顕著であり、その結果デジタルマーケティングへの投資を増やし、顧客接点やマーケティング戦略のデジタル化を強力に進めることとなりました。

デジタルマーケティング業界の今後

コロナ禍で多くの企業がデジタルマーケティングの必要性を実感したこともあり、IDCの調査ではデジタルマーケティングの国内市場規模が2020年から2025年までで平均約7.0%ずつ伸長するとされています。

また、コロナ禍前からインターネットやスマートフォンの普及率は上昇傾向にあることから利用者側がデジタルマーケティングに触れる期間も多くなることが予想されます。

さらに、AIやビッグデータといった新技術によって膨大な量のデータ分析が可能になりつつあることも、デジタルマーケティング業界が成長していく一因となるでしょう。

デジタルマーケティング業界のM&A

ここでは、デジタルマーケティング業界のM&Aについて、その特徴やメリット、注意点について解説します。

デジタルマーケティング業界のM&Aの特徴

デジタルマーケティング業界は持続的に成長している領域であり、IT技術の発達に伴って参入障壁が低くなったことから、次々に新たなプレーヤーが現れています。このように業界内での競争が激化していることから、より多くのシェアを獲得するための手段としてM&Aが有力な選択肢となっているのです。また、業界内では求められるスキルが変化していくことから人材不足も顕在化しています。人材確保の手段としてM&Aが活用されることも特徴といえるでしょう。

デジタルマーケティング業界のM&Aでは、業界に参入しようとする企業が既存企業を買収するケースも見られます。ゼロからデジタルマーケティングに向けた設備投資を行い、必要な人材を確保することは容易ではありません。デジタルマーケティング業界においては、事業拡大のスピードアップのためにM&Aが活用されていることも特徴的です。

デジタルマーケティング業界のM&A動向

デジタルマーケティング業界でM&Aを実施するメリット
デジタルマーケティング業界でM&Aを実施することには、いくつかのメリットがあります。代表的なものは事業規模の拡大です。デジタルマーケティング業界は成長が著しく、かつ競争が激しいことから多くの小規模な企業がひしめく状態にあります。そのため、M&Aで同業他社を買収することによって事業規模という観点で競争力を得ることができるでしょう。

また、先述の通り、業界外の企業が既存企業を買収することでデジタルマーケティング業界への迅速に参入できることもメリットです。M&Aを活用することで新たに体制を立ち上げるよりも早く事業を展開できるため、競合他社に対して優位に立つことができるでしょう。

デジタルマーケティング業界でM&Aを実施する際の注意点

デジタルマーケティング業界のM&Aにおいては注意点もあります。まず、M&Aの候補となる企業と自社でどのようなシナジー効果があるかを見極める必要があります。具体的には、自社にはない技術を有しているか、ユニークな領域で有力な顧客基盤を持っているかなどが判断基準となるでしょう。さらにM&Aにおける買収額は決して安い金額ではないため、M&A実施前にはデューデリジェンスなどを実施し、M&Aの費用対効果を把握することも重要です。

また、個人情報を扱う機会が多い業界でもあるため、M&Aの候補となる企業のセキュリティ体制についても事前に調査する必要があるでしょう。例えば、ITセキュリティについて定期的に外部の監査を受けているか、過去に情報漏洩などの問題を起こしていないかなどを確認することが重要です。

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デジタルマーケティング業界におけるM&A事例

ここでは、デジタルマーケティング業界におけるM&A事例について代表的なものを紹介します。

アクセンチュアによるアイ・エム・ジェイの買収

大手コンサルティング企業のアクセンチュアは、2016年にデジタルマーケティングを手掛けるアイ・エム・ジェイを買収しました。従来アクセンチュアが強みを持つIT領域でのコンサルティングに加え、アイ・エム・ジェイが持つデジタルマーケティングのノウハウを得たことで、戦略立案から実行までを一気通貫で担う体制ができたといえます。業界外の企業が既存企業を買収したことで、デジタルマーケティング業界に参入するきっかけを得たケースといえるでしょう。

電通グループによるディグ・イントゥの買収

大手広告企業の電通グループは、2022年にデジタルマーケティングの運用会社であるディグ・イントゥを完全子会社としました。電通グループはディグ・イントゥを買収したことで、従来の広告事業に加えてデジタルマーケティング領域においても人材育成や事業拡大のチャンスを得たことになります。インターネット広告は、従来電通グループが強みを持っていたテレビなどのマスコミ四媒体広告よりも高い成長率を記録しています。このような状況も、電通グループがM&Aを決断した背景といえるでしょう。

アイレップがnegociaと資本業務提携

デジタルマーケティングを手掛けるアイレップは、2019年に同業のnegociaと資本業務提携を結びました。negociaは、インターネット広告における自動入札管理ツールの開発を手掛ける企業であり、AIによる自動運用ツールの開発にも成功した技術力の高い企業です。このことから、アイレップはM&Aによって、negociaが持つ技術面での強みを活用し、デジタルマーケティング業界における技術的な優位性を確保できたといえるでしょう。

まとめ

デジタルマーケティング業界は年々成長している一方で、競争の激しい業界でもあります。また、業界外部から新規参入をうかがう企業も数多くあることも特徴です。業界内での生き残りや事業拡大の手段としてM&Aが注目されています。M&Aの候補となる企業を選ぶ際には、シナジー効果の有無、セキュリティ体制の整備状況などに注意しつつ、検討を進めていくとよいでしょう。

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