DMM.comの買収戦略は?過去に買収した企業を紹介!

MBA 髙橋義博

国立大学卒業後、2008年に日本イーライリリー株式会社に入社しプライマリーケア領域のMRとして首都圏を担当し、2015年上期に全国1位の販売目標達成率を獲得。2015年にアストラゼネカ株式会社へ転職、2018年上期に全国1位の営業成績を獲得。製薬会社に在籍しながら名古屋商科大学大学院へ進学し2017年にMBA取得。経営者により近い立場で仕事がしたいという思いから2019年にM&A仲介会社へ転職し、製造業における事業承継型M&Aや建設業における異業種マッチング型M&Aなど複数の成約に携わる。

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DMM.comは、会員数4,101万人(2023年2月時点)を誇る総合サービスサイト「DMM.com」を運営しています。1998年の創業以降、動画配信や英会話、ゲームなど、多岐に渡る事業を展開してきました。その裏にあるのは、DMM.comの戦略的な買収です。

この記事では、DMM.comの買収戦略や買収してきた企業などを紹介します。

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DMMの基本情報

DMM.comに関する、基本的な情報を紹介します。

企業概要

企業概要は、以下のとおりです。

企業名合同会社DMM.com
最高経営責任者亀山敬司(2023年7月27日時点)
設立日1999年11月17日
資本金1億1円
従業員数1,890名

企業理念

DMM.comの企業理念は、以下のとおりです。

“規模の大小、ジャンル関係なく、未来を感じるビジネスにはひとまず投資。なんでもやります。ひとまずなんでもやっちゃいます。”

後述する買収企業からもわかるように、DMM.comはジャンルを限定せず、常に新しい領域への参入を試みる姿勢が見られます。

事業分野

DMM.comの事業領域は17以上、事業は60以上にも及びます。多岐にわたるDMM.comの事業分野の一部を紹介します。

・サブスク動画配信
・電子書籍
・PCゲームプラットフォーム運営
・イベント支援
・オンライン診療
・水族館
・サッカークラブ経営
・AI・アルゴリズム開発
・車買取 など

代表的な商品・サービス

DMM.comの代表的な商品・サービスを紹介します。

・DMMブックス…コミックや雑誌、小説、ビジネス本など、合計98万冊以上の電子書籍を配信する総合書店型プラットフォーム
・DMM GAMES…国内最大級のPCプラットフォーム。3,000万人以上のユーザーが集まり、多様なゲームを楽しむ
・DMM英会話…オンライン英会話サービス。世界120ヶ国、1万人以上の英語講師が在籍し、マンツーマンの英会話レッスンを受けられる。

DMMの買収戦略

次から、DMM.comが買収した企業から見る戦略を紐解いていきましょう。

スタートアップ企業を積極的に買収

DMM.comが買収してきた企業を見てみると、スタートアップ企業の買収に力を入れていることがうかがえます。

たとえば、DMM.comで最大の買収金額になった案件といえば、持ち物を現金化できるアプリ「CASH」を運営するスタートアップ企業・株式会社バンクを、70億円で買収しました。ほかにも、株式会社nana musicや株式会社インフラトップなどのスタートアップ企業を、積極的に買収しています。

企業理念にもあるように、DMM.comは企業の規模の大小にかかわらず、成長機会のある企業を買収する姿勢が見えます。

ニッチな領域で勝負する

DMM.comは公式でも言及しているように、比較的ニッチな領域で、市場規模がそれほど大きくないが、高いシェアを誇る領域を買収する傾向があります。現在DMM.comの主軸事業ともなっている、動画配信サービスやアミューズメント、FXなどが該当します。

ニッチな領域の中で採算の取れる事業を選択し、そこに投資するのがDMM.comの買収の軸です。

買収する事業領域が多岐にわたる

DMM.comの買収戦略では、買収する事業領域を限定しない点にあります。基本的にはネット事業を軸に置きつつも、プログラミングスクールやWebメディア、サッカークラブ経営など、買収先の事業領域は多岐にわたります。

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DMMが買収した企業例

DMM.comが買収した代表的な企業を紹介します。

パチンコ・パチスロ業界向けメディアを運営する「ZIZAI」

2022年3月2日付で、DMM.comは株式会社ZIZAIの発行済み株式の100%を取得しました。

ZIZAIは、パチンコ・パチスロ業界に特化したキュレーションアプリやポータルサイトなど、総合メディアを運営しています。DMM.comが運営するDMMぱちタウンは、全国のパチンコ・パチスロホール情報や解析情報を無料公開しているメディアです。

DMM.comのノウハウや資本を活用し、ZIZAIの事業を伸ばしていくのが本買収の狙いです。なお、株式取得後も、ZIZAIはそれまで通り独立運営し、管理されます。

プログラミングスクール・WEBCAMPを運営する「インフラトップ」

2018年11月21日、DMM.comは株式会社インフラトップの発行済み株式の60%を取得し、インフラトップはDMMグループ傘下に入ることになった。

インフラトップは、オンラインとオフラインが融合したプログラミングサービス「WEBCAMP」を手掛けている会社です。DMM.comはスタートアップ支援を行っており、今後不足するIT人材を見据え、エンジニアの発掘や育成に注力するため、インフラトップの買収に至りました。

現在、インフラトップはサービス名を「DMM WEBCAMP」に変え、引き続きプログラミングサービスを提供しています。

音楽アプリ・nanaを運営する「nana music」

2017年1月20日、DMM.comは、スマホでつながる音楽コラボSNS「nana」を運営する株式会社nana musicの全株式を取得しました。アプリを飛び出してリアルなイベントを開催し、音楽事業の強化を図ることが狙いとされています。

しかし、2020年12月29日付で、DMM.com はnana music社代表取締役社長CEOである文原明臣氏に対し、双方合意の元、全株式を譲渡しています。

【解散済】持ち物を現金化するアプリ「CASH」を運営するバンク

2017年11月、DMM.comは持ち物を現金化するアプリ「CASH」を運営する株式会社バンクを買収しました。株式会社バンクは起業家・光本勇介が創業した会社であり、買収金額は70億円にもおよぶ、大型買収案件となりました。

しかし、わずか1年後の2018年11月に、光本氏がDMM.comから個人で5億円買い戻す形で、バンクはDMMグループから離れることになりました。そして、2019年9月には、バンクは解散しています。

AR・VR・VTuber事業を手掛ける「アイデアクラウド」

2021年2月26日、DMM.comは、AI・AR・VR・VTuberなどの先端技術事業をてがける株式会社アイデアクラウドの株式を取得し、完全子会社化しました。

アイデアクラウドは「DX EXhibition」は、集客・会場・ブースといった展示会を構成する要素をオンライン上で再現する展示会プラットフォーム「DX EXhibition」を提供しています。一方、DMM.comも2020年10月からオンライン展示会プラットフォーム「DMM[SHOWBOOTH]」を提供しており、DMM.comがもつビジネスノウハウや資本を使ってオンライン展示開市場を伸ばせると考え、本買収に至りました。

欧州サッカーチームの「シント=トロイデンVV」

2017年11月、DMM.comは、サッカーのベルギー1部リーグ、シントトロイデンの経営権を取得しました。ネット事業で事業を伸ばしてきた企業としては、異例のサッカークラブ買収として注目されています。

DMM.comは、ヨーロッパのクラブ運営に採算が見込めると判断し、今回の買収に踏み切りました。日本資本が入ったことで選手や観客が高い目標を掲げるようになり、現在チームとしてよい方向に動いています。

まとめ:DMMはニッチな領域を攻める会社

DMM.comは、企業の規模の大小や事業領域を限定せず、成長機会のある企業を買収する傾向があります。ネット事業を主軸としつつも、多様な事業領域を買収してきたことで成長してきました。

今後も、スタートアップ企業や新たな事業領域に対し、積極的に投資していくことが予想されます。

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