シリアルアントレプレナーとは連続起業家のこと
起業と事業売却を繰り返す人のことを「シリアルアントレプレナー」や「連続起業家」と呼びます。新しいビジネスモデルやサービスを展開する企業をベンチャー企業と呼び、ベンチャー企業を立ち上げて売却し、その際に得た対価や人脈を活かして次のベンチャー企業を立ち上げる起業家をシリアルアントレプレナーと呼びます。
ビジネス環境や市場動向の変化のスピードがますます早くなっている中、事業を0から1まで育てスタートアップを成功させることと、1から100まで成長させていくことでは、求められる資質や能力が大きく異なります。大企業は一般的に、1から100は得意でも、0から1は苦手です。そういった企業にとっては、0から1が得意な起業家が育てた事業の「芽」を買い、1から100へ育てるやり方のほうが、理にかなっています。
アントレプレナーとの違い
シリアルは英語で「一連の」や「連続した」という意味があります。シリアルアントレプレナーからシリアルを取り除いた「アントレプレナー」は、起業家や事業家を指します。単に事業を行う人というよりは、0(ゼロ)からビジネスを興し、革新的なアイデアや新しいビジネスモデルや価値観、サービスを構築する創業者というニュアンスで使われます。
シリアルアントレプレナーになるには
革新的なビジネスを連続して生み出すシリアルアントレプレナーになるには、具体的には何をすれば良いのでしょうか。実際にシリアルアントレプレナーがビジネスにおいて実施していることや取り組んでいる内容から見ていきましょう。
1. シリアルアントレプレナーは事業を生み出す
シリアルアントレプレナーは新たな事業を生み出します。新しく思いついたアイデアやビジネスモデルから事業を立ち上げることもありますが、既に世の中に広まっているビジネスからヒントを得てオリジナルのビジネスモデルを構築していくことも少なくありません。
2. シリアルアントレプレナーは事業を軌道に乗せて成果を出す
シリアルアントレプレナーは生み出した事業を推進し、会社を成長させていきます。なお、新しい事業を思いついたり、事業の指針を立てるところまではシリアルアントレプレナー1人で行うことは可能ですが、ビジネスを拡大する過程では周囲の人々の協力がかかせません。周囲の人々をうまく巻き込み、事業を軌道に乗せ成果を出せる体制にします
3. シリアルアントレプレナーは買いたいと思われる会社にする
シリアルアントレプレナーは事業を成長させ、会社や事業の売却を目指します。そのためには、M&Aによる買収を検討する候補者が「買いたい」と思わせる会社に育てていかなくてはいけません。ビジネスに打ち込み、より多くの成果を生み出す事業、より魅力的な会社に成長させます。
4. シリアルアントレプレナーは会社や事業を売却する
会社が十分に成長した後で、会社や事業を売却します。シリアルアントレプレナーは生み出した事業が毎回売却できるとは限りません。
売れる会社のポイントは、①自律的に回る会社=属人性を排した会社、②自分がやりたいビジネスではなく、時流に乗ったビジネスを作る③自社の価値の源泉を理解し、明確に表現できることなどがあります。
参考資料「シリアルアントレプレナー 連続起業家」
5.得た資金を基に新たな事業を生み出す
シリアルアントレプレナーは企業や事業の売却によって得た資金を基に、新たな事業を立ち上げます。立ち上げた事業を成長させ、事業家や大企業などから「買いたい」と思われる事業にし、売却し、また次の事業を立ち上げます。
ただし、立ち上げる事業がすべてうまくいき、売却が可能な状態に成長するとは限りません。
シリアルアントレプレナーはなぜ起業を繰り返す?
シリアルアントレプレナーは「飽きっぽい合理主義者」という特徴があります。アントレプレナーは総じてアイディアマン であり、そのアイディアを無理なくマネタイズでき、合理的なビジネスモデルを組める力が求められます。
シリアルアントレプレナーが「飽きっぽい」とは ?
シリアルアントレプレナーは世の中の課題を探し出し、その課題に対する解決策(アイディア)を考えます。したがって、世の中の課題を様々な視点で考えたり、課題に対する解決策のネタ探しに時間を割くことから、飽きっぽく見られがちです。何十年、何百年と同じ課題と向き合える能力というよりは、様々な課題と解決策を見つけられることがシリアルアントレプレナーになるコツと考えることができます。
シリアルアントレプレナーが「合理主義者」である理由とは?
シリアルアントレプレナーは、思いついたアイディアをビジネスモデルに落とし込む力が求められます。例えば、FAXのような既存産業をITに置き換えるアイディアを思いついた際、スパコンを使って解決しようとすると、採算が合いません。これはITによる解決策を思いついたものの、非合理的でビジネスモデルが破綻している例です。合理主義者でないと解決策をビジネスモデルに落とし込むことができません。
参考「アイデアに自信があるならシリアルアントレプレナーになれ!」
シリアルアントレプレナーに必要な5つの資質
シリアルアントレプレナーに求められる共通した資質を5つ紹介します。
1.働くことが好き
いくつもの企業を作るのは、容易なことではありません。しかし、シリアルアントレプレナーは起業を繰り返すという道を選びます。これは「働くことが好き」だからと考えられます。趣味のひとつとして仕事に取り組み、仕事をしない場面でも頭はビジネスのこと満たされているかもしれません。
2.アイデアを形にすることが好き
アイデアを思いつくだけでなく、事業として形にすることが好きだからこそ、起業を繰り返すことができます。「アイデアを形にするのが好き」という資質も、シリアルアントレプレナーに求められます。
3.失敗から学ぶことができる
始めた事業が100%成功するわけではありません。事業が多いほど、失敗の経験も多くなります。失敗する中で「失敗から学び、次の事業に活かしていく」という資質も、シリアルアントレプレナーには求められます。
4.周囲を巻き込むのが得意
ビジネスアイデアを思いつき、事業を立ち上げたとしても、事業が発展するためには一人の力では限界があります。「周囲を巻き込むのが得意」という資質がシリアルアントレプレナーに求められます。
5.ロジカルかつ目の前のことに集中できる
次から次へと新たなビジネスを立ち上げるシリアルアントレプレナーは、思いつきで行動しているかのように見える場合がありますが、実際のところはそうではありません。「ロジカルに物事を考え」、ビジネスモデルに落とし込みます。
また、「目の前のことに集中」し、全力で打ち込む資質も求められます。
まとめ
シリアルアントレプレナーとは、社会の課題を見つけ、解決策を考え、ビジネスモデルを検討し、ビジネスとして形にした上でをM&Aなどにより売却し、また新しいビジネスを始める方です。
アイディアに自身がある方はシリアルアントレプレナーを目指すのも一つの選択肢です。アイディアを形にする際に必要な資金調達や、M&Aなどによる事業売却を検討される際はぜひM&A DXにお声掛け下さい。
M&A DXのM&Aサービスでは、大手会計系M&Aファーム出身の公認会計士やWeb会社・広告代理店出身者等が、豊富なサービスラインに基づき、最適なM&Aをサポートしております。M&Aや資金調達でお悩みの方は、気軽にM&A DXの無料相談をご活用下さい。
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