社長交代に伴う株式譲渡とは?

公認会計士・税理士 山田武弥

会計士・税理士 山田武弥

有限責任監査法人トーマツ入所。金融業及び卸売業を中心とした各種業務の法定監査業務に携わる。 その後、大手税理士法人及びコンサルティング会社にて事業承継・事業再生・法人顧問業務に従事。 組織再編税制を活用した事業承継スキームの構築や株価対策、事業再生計画の立案やその後のモニタリング及び金融機関対応等に豊富な経験を有する。 山田武弥公認会計士・税理士事務所として独立後、相続・M&A大学に参画し、現在に至る。本記事の監修を務める。紹介ページはこちら

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社長交代に伴う株式譲渡はどのようにすればいいのでしょうか。
またどのような人に譲渡すればいいのでしょうか。
この記事では社長交代に伴う株式譲渡について分かりやすく解説します。

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社長交代に伴う株式譲渡

高齢化などの理由により、自社を株式譲渡により役員や従業員に譲渡しようと考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし役員や従業員に譲渡する場合は様々なポイントがあります。
ここでは役員や従業員に譲渡する場合の、注意点やそのポイントについて紹介します。

役員、従業員に譲渡する場合

長年会社に勤めている役員や従業員が、オーナーとして会社を引き継いでくれると、社長としても安心するのでそう考えている方も多いのではないでしょうか。
会社のことをよく知っている内部の人間が昇格すると、引き継ぎもスムーズです。
オーナーの親族の場合は生前贈与や相続によって株式を譲渡することができるものの、親族ではない場合は譲受する側も資金力が必要となります。
さらに、会社を引き継ぐ際に考えなければならないのが連帯保証人についてです。
ここでいう連帯保証人とは、会社が事業に失敗して倒産してしまった場合、負債を払う責任を負う人物のことです。
自ら創業して作った会社であれば、会社の連帯保証人は創業者自身であることが多いでしょう。
会社を譲受する際には連帯保証人も引き継ぐ必要があります。
しかしこれは絶対に必要なことというわけではなく、連帯保証人は引き継がずに、連帯保証人は前任者のままで株式だけを譲渡することも可能です。
連帯保証人だけ引き継がないという形だと、前任者にとってはリスクだけを背負うこととなります。
また、連帯保証人となっているということは、会社の経営がうまくいってない時は気が気ではありません。
経営がうまく行かずに負債を抱えてしまった場合、最終的に責任を負うことになるのは連帯保証人だからです。
そのため完全に退任するという形にはならず、会社に関わり続けることになってしまいます。
さらに株式を譲受し連帯保証人も引き受けると決意したとしても、金融機関が認めてくれるとは限りません。連帯保証人としてふさわしいかどうかの審査があります。
このような金銭的な面での様々な問題点が解消されれば、役員や従業員に引き継ぐことができます。

役員、従業員に譲渡する場合の問題点

役員や従業員に譲渡する場合の問題点としては、前述したように資金力や、連帯保証人としてふさわしいかどうかという金銭的な問題点があります。
その他の問題点として、役員や従業員として優秀な能力を持っている人であっても経営者としての能力があるかどうかはわかりません。
経営者としての能力は外部や内部の人に対してのコミュニケーション能力や、会社の業務に関係する法律や制度に対しての知識も求められます。
このような能力は役員や従業員として従事しているうちはなかなか求められないものです。
株式譲渡で経営者となった役員や従業員は、今まで培ってきた経験とは全く異なる知識や経験を身につけていくことが必要になります。
このように全く仕事内容が異なるので、経営者としての能力が優れているかどうかを事前に見極めるのは困難であり、経営者としての能力は始めてみないとわかりません。
そのため役員や従業員に株式譲渡する際は、本当にその人が経営者としてふさわしい人なのかどうかわからないというリスクを抱えたまま会社を譲渡することになります。
このように様々な問題点があるため、会社の経営を役員や従業員に引き継ぐ場合はしっかりと時間をかけて教育していくことが重要です。役員や従業員に引き継ぐよりも、経営者として既に経験が豊富で実績のある外部から経営者を招き入れる方がリスクは低いと考える方もいるでしょう。

M&Aで第三者による株式譲渡

M&Aで第三者に譲渡するには、どのような流れとなるのでしょうか。
またどのようなメリットデメリットがあるのでしょうか。

具体的な株式譲渡の流れ

株式譲渡は現金の受け渡しのように自由にできるものではなく、会社法で明確に規定されています。
株式譲渡する前にまず確認しなければならないことが「譲渡制限株式」であるかどうかです。
譲渡制限株式は、企業にとってふさわしくない第三者に経営権が乗っ取られてしまわないように株式の譲渡に制限を設ける株式のことです。
非上場の会社の場合、譲渡制限株式となっていることが多いので譲渡制限株式を譲渡する場合、正規の手続きを取る必要があります。
譲渡制限株式を譲渡をするにはまず、譲渡をする側の会社の役員会で承認されなければなりません。
株式譲渡をする会社の役員会で承認された後は、相手側の企業に対して通知を送ります。
その後「株式譲渡契約の締結」を交わして、譲渡ができるようになります。

デメリットとメリット

第三者に株式を譲渡することは、役員や従業員、親族内に譲渡することと比較して、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

第三者に株式譲渡することのメリットのひとつは、相乗効果が期待できるという点です。
例えば同じ業種の会社に株を譲渡した場合、両方の会社が一つになるという形になります。
その結果、お互いの会社がそれまで蓄積してきたノウハウなどが一つになるので大きな相乗効果が生まれることでしょう。
また、親族や役員、従業員に譲渡することと比較した場合の最大のメリットは、経営者としての実績があるということです。
どんなに優秀な役員や従業員であっても経営者としての資質は未知数です。
しかしながら既に会社を経営している経営者であれば、安心して会社を任せることができるでしょう。

デメリット

第三者に株式を譲渡することによるデメリットは、その会社にとって必要な部分だけを残してその他の不要な部分は処分されてしまうという可能性があるということです。
例えば地域貢献や社会貢献として、会社がこれまでおこなってきたことを廃止してしまう可能性もあるでしょう。
社会人野球の野球部が経営者の交代により、廃止になったという事例も耳にしたことがあるのではないでしょうか。
他にも会社によってはメイン事業が弱く、サブの事業が強い場合は、サブでメインを補っているという場合もあるでしょう。
例えばマスコミ関係の企業ではメインとして行っているマスコミ業は赤字ではあるものの、所有している不動産の運用で赤字分を補っているということもあるでしょう。
第三者に譲渡した場合、黒字部分だけを残してあとの事業は廃止されてしまう可能性もあり、譲渡前に力を入れていた部分を失うかもしれません。
また従業員に対しても譲受を機に大量にリストラされてしまうリスクもあります。
譲受する側にとっても、社長が交代することによって優秀な人材が離れていってしまうことも懸念しなければならないことの1つです。
離職を防ぐためにあらかじめ役員や従業員には説明しておけば良いのですが、M&Aは機密事項であるため、あまり多くの人に言えることではありません。
会社にとって重要な人物にだけ伝えておいて、オーナーが変わった後も続けてもらうように話をしておくなどの対策が必要です。
このようなことにならないためにも、キーマンに対しての待遇をどうするのかあらかじめ決めておき、契約に盛り込んでおくこともできます。

まとめ

社長交代に伴う株式譲渡について解説しました。
社長交代は、長年勤めてもらった役員や従業員に後を継いでほしいと考えている経営者も多いことでしょう。
しかし、役員や従業員に対して株式を譲渡する場合、多くの超えなければならない壁があり、しっかりと準備をする必要があります。

株式譲渡をする相手先の企業は、M&A会社や金融機関、マッチングサイトなどで探すことができます。
社長交代の時期を検討している経営者は、まずは金融機関、顧問税理士、M&A会社に相談してみてはいかがでしょうか。

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