M&Aの相談を税理士にすべき?よくある失敗事例や税理士の選び方

公認会計士・税理士 山田武弥

会計士・税理士 山田武弥

有限責任監査法人トーマツ入所。金融業及び卸売業を中心とした各種業務の法定監査業務に携わる。 その後、大手税理士法人及びコンサルティング会社にて事業承継・事業再生・法人顧問業務に従事。 組織再編税制を活用した事業承継スキームの構築や株価対策、事業再生計画の立案やその後のモニタリング及び金融機関対応等に豊富な経験を有する。 山田武弥公認会計士・税理士事務所として独立後、相続・M&A大学に参画し、現在に至る。本記事の監修を務める。メンバーの詳細はこちら

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経営者の高齢化や人材不足など、様々なことを理由にM&Aを検討する企業も少なくありません。しかし、いざM&Aの手続きを進めようとすると専門的な知識が必要な場面も多く、社内で解決できないこともあります。

こんな場面で頼れるのが税理士です。そこで今回はM&Aを税理士に相談するべき理由や自社と相性の良い税理士の選び方を紹介します。

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本記事のポイント

  1. M&Aを税理士に相談すべき理由について知りたい方向けの記事です。
  2. M&Aを税理士に相談すべき理由や相性の良い税理士の選び方などを丁寧に解説します。
  3. M&Aでよくある失敗事例についても詳細に解説しているため、M&Aを成功させたい人向けの記事にもなっています。

M&Aとは?目的や急増する理由

M&Aとは?目的や急増する理由

経営者の高齢化や人材不足を主な理由として、近年多くの企業から注目を集め勢いが加速しています。まずはM&Aの基礎知識を深めつつ、M&Aの件数が急増している理由を見ていきましょう。

企業の合併や買収、業務提携のこと

「Mergers and Acquisitions」の略語であるM&Aは、資本の移動を伴う企業の合併と買収のことをいいます。広い意味では、企業間の業務提携の総称として使われることも多いです。

M&Aにおける企業の合併には吸収合併や新設合併があり、買収には株式譲渡・新株引受・第三者割当増資・株式交換などの手段があります。M&Aを活用する主な目的は、以下のとおりです。

・事業継承など後継者問題の解決
・事業における成長戦略
・企業や事業における経営再建

M&Aが急増する理由は?

従来に比べM&Aを活用する企業が増加する昨今、なぜ積極的に合併や買収を行うのでしょうか。M&Aが今大きな注目を集めるのは、経営者の高齢化と若い働き手の減少が理由です。

日本では少子高齢化が進んでいるため、経営者の高齢化と若い働き手の減少は多くの企業が直面する問題であることは間違いありません。これらの問題を解決すべく、M&Aの活用を検討する企業が増えているのが現状です。ここでは、M&Aが急増する理由について深掘り解説します。

経営者の高齢化が加速している

M&Aが増加する理由のひとつに、経営者の高齢化が挙げられます。中小企業庁の調査結果によると、1995年の経営者年齢のピークが47歳であることに対し、2015年は66歳と20年間で着実に高齢化が進んでいることが明らかになりました。

経営者の高齢化が進んでいるのは、後継者が不在であることが主な理由です。企業を継いでくれる人材が不在であるため、最終的にM&Aによる売却を実施するケースが増加しているのが現状です。

少子高齢化で若い働き手が減少

少子高齢化が進む日本では、若い働き手が減少していることもM&Aが増加する理由のひとつです。少ない働き手の中で優秀な人材を企業間で取り合っている状態なので、なかには満足に人材を確保できないケースもあります。

そんな人材不足の問題を解消するためにM&Aが活用する企業も少なくありません。例えば、M&Aにより大手企業の傘下に入ることができれば、ブランド力を活かして優秀な人材を獲得できるチャンスが生まれます。

M&Aを税理士に相談するべき理由

M&Aを税理士に相談するべき理由

従来は経営コンサルタントや金融機関にM&Aにおける相談をするのが一般的でした。しかし、近年はM&Aにおける豊富な知識や経験がある税理士が増加しているため、税理士の独占業務である税務申告以外にも、M&Aなどの専門的な業務を取り扱う事務所も多くなっています。

M&Aを実行するには税務や財務、法務などの専門知識が必要であるため、税理士や公認会計士、弁護士などの各種専門家のサポートが必要不可欠です。税理士は税務の専門家であるうえ、財務諸表などを見れば経営状況を把握できるため、心強い相談相手となります。

M&Aでよくある失敗事例5選

M&Aでよくある失敗事例5選

M&Aを実行する場合、様々な手続きはもちろん専門的な知識や経験が必要になります。そのため専門家に頼らず、独自で準備を進めてしまうとトラブルが起こり、経営課題を解決するために行ったM&Aが失敗に終わるケースも多いです。ここからは、M&Aでよくある失敗事例をまとめました。失敗事例を参考にして同じ状況に陥らない対策を考えましょう。

債務をきちんと把握できていなかった

M&Aを実施するにあたり、自社の債務状況をしっかり把握することが求められます。意図的ではないにしても、M&Aの交渉がある程度進んだ状況で次々と簿外債務が発覚すると、相手企業の心証が悪くなってしまいます。こちらは売手に起こり得る失敗ですが、最終的にM&Aが取り止めになる場合もあるので十分に注意しましょう。

ターゲット企業の選定を間違えた

こちらは買手に起こり得る失敗ですが、買収先企業の選定を間違えてしまうケースです。十分に検討しないまま、対象企業が割安などの理由からなんとなくM&Aしてしまい、経営統合がうまくいかないといった失敗事例があります。

どのような目的を持ってM&Aをしているのかを明確にした上で、その目的を達成できる企業なのかを見極めなければいけません。十分検討したうえで実行すると決めたのであれば、M&Aの成立に向けて相手企業と折り合いをつけながら進めましょう。

コンプライアンス違反を指摘された

コンプライアンス違反を指摘されてM&Aが失敗に終わるケースも少なくありません。

コンプライアンスを疎かにすると、訴訟や行政処分の対象になります。またM&Aにおける交渉が進んでいるにもかかわらず、途中でコンプライアンス違反が指摘されると破談になる可能性も高いです。職場でのパワハラやサービス残業などもコンプライアンスに該当するため注意しましょう。

事前の企業調査が不十分だった

通常M&Aを行う場合、デューデリジェンス(以下DD)と呼ばれる企業調査を行います。このDD費用は通常買手が負担する費用ですが、複数の専門家に依頼するため、数百万円ほど費用がかかってしまいます。そこでなるべく費用を抑えたいと思う買手がDDを十分に行わずにM&Aに踏み切るケースもあります。しかし、これでは相手企業の買収リスクを把握しないままM&Aすることとなるため、最悪の場合、粉飾決算や追徴課税、従業員への未払い残業代など、M&A後に次々と隠れていたリスクが明るみに出ることとなります。
決して安い費用ではありませんが、M&Aを成功させるためにはDDは実施しましょう。

売却価格に折り合いをつけられない

M&Aを進めるにあたり、売却価格も適正でなければ失敗に終わります。売手はこれまでの業績に対する自負や会社への愛着から、自社を過大評価することが多く、相場よりも高い価格で売却を試みることも少なくありません。

しかし、買手は売手企業を客観的視点で評価を下しているため、相場より高い売却価格では交渉が決裂することになるでしょう。その結果、買手企業が見つからず、M&Aが成立しないまま時間だけが経過していくこととなってしまいます。

M&Aを相談する税理士の選び方

M&Aを相談する税理士の選び方

M&Aの経験や専門的な知識が乏しかったために、M&Aが失敗する可能性があります。M&Aで失敗する可能性を下げるためには、税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。ここからはM&Aにおいて、税理士へ相談する際の注意点をご紹介します。

M&A関連業務における実績が豊富

M&Aについて相談したいときは、税理士の実績を確認しましょう。税理士といえども人によってこれまでの経歴は異なります。

M&Aの経験が豊富な税理士を選べば、自社案件もスムーズに対応することが可能です。特に似たような案件を取り扱った経験がある税理士なら、頼れる存在になってくれます。過去の実績を確認しましょう。

ネットワークが広く顧客が多い

M&Aの相談をするときは、税理士のネットワークの広さを重視しましょう。税理士のネットワークが広いと顧客も多くなるので、税理士の知り合いの企業の中で自社と相性が良い企業を繋いでもらえる可能性もあります。

M&Aの交渉を成立させるには、まず買い手を見つけなければいけません。早めにM&Aを成立させたいなら、税理士を選ぶときにネットワークの広さを確認しておきましょう。

担当する税理士との相性の良さ

税理士は、専門的な知識と豊富な実績を重視して選びましょう。ただし、M&Aにおける実績がある税理士でもご自身と相性が悪ければ信頼して相談することもできません。

また、コミュニケーションがうまく取れない場合、余計なところで労力や時間がかかって疲弊してしまい、気持ちが萎えてしまうことがあります。M&Aは成立まで非常に時間がかかります。長期戦を戦い抜くために、実際に依頼する前にコミュニケーションを取って相性を確かめましょう。

税理士以外に相談できる専門家

税理士以外に相談できる専門家

M&Aには様々な専門家が携わっており、税理士以外にも相談できる場所はあります。M&Aにおける相談ができるのは、税理士以外に弁護士や会計士、M&Aアドバイザーなどです。税理士以外の専門家に相談することで、自社が達成したい目的に沿ったM&Aの交渉を行えます。失敗も回避できるので、心強い味方になってくれるでしょう。

文書作成や法的な確認を行う「弁護士」

税理士と同じく弁護士もM&Aに欠かせない専門家です。特に交渉が進んで契約を交わすとき、秘密保持契約書・基本合意書・最終契約書などを作成します。これらの契約書の作成や法的な事実関係を確認するときは、弁護士の専門知識が大きな助けになることが多いです。確実にM&Aを進めるためにも依頼を検討してみましょう。

会計の専門家である「公認会計士」

国家資格である公認会計士は、その名の通り、会計の専門家です。M&Aでは税理士に近い働きをしてくれる役回りで、会計士抜きで交渉を進めるのは困難な場面も少なくありません。特にM&Aで重視されるバリュエーションは、企業価値を評価する業務で買収価額を算定できます。会計士は横のネットワークも広いため、自社に合う税理士を紹介してくれる可能性も高いです。

専門的な知識を持つ「M&Aアドバイザー」

M&Aアドバイザーは、弁護士や会計士、税理士とは異なり国家資格はありません。しかしM&Aアドバイザーは、その名の通りM&Aに特化したサービスを提供してくれます。税理士にはない専門的な知識や経験を保有していることも多いです。M&Aにおける業務全体を任せたいのであれば、M&Aアドバイザーへの依頼も検討しましょう。

まとめ

まとめ

経営者の高齢化や若い働き手の減少など、様々なことを理由にM&Aを考える企業が増えているのが現状です。ただ、いざM&Aの手続きを進めると買い手企業と交渉したり契約書を作成したりなど専門的な知識も欠かせません。

そんなときは、税務に関するアドバイスや税務申告を代行する業務を請け負ってくれる税理士に相談してください。またM&Aを成功させるためには、税理士と合わせて弁護士や会計士、M&Aアドバイザーに相談するのもいいでしょう。

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