事業再生とは?その内容と相談先、コンサルの仕事内容について解説

会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく株式会社M&A DXを設立し、現在に至る。

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業績悪化により、経営を存続すべきかそれとも断念すべきかといった窮状を凌いだことのある経営者は決して少なくないでしょう。苦境に陥った場合に、経営を再建する手段として「事業再生」や「企業再生」がありますが、この2つの「再生」にはどのような違いがあるのでしょうか。今回は、この意味の違いについて説明します。

加えて、事業再生を検討する場合の相談先や、相談先の1つとして挙げられる事業再生コンサルタント(以下コンサル)について詳しく解説していきます。

企業を再建するには、いくつかの方法があります。経営を断念する前に、まずはどのような手法がありどこに相談すべきか、その情報収集が大切といえるでしょう。

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事業再生と企業再生の違いについて

事業再生と企業再生の違いについて

すべての事業を再生することはできませんが、どのようなケースであれば再生が可能なのでしょうか。また、どのような手法があるのでしょうか。

事業再生とは

事業再生とはその言葉通り、事業を抜本から見直し、収益を挙げられるように改革・再生させることです。

廃業を選択すると、すべての事業の価値が消滅することになります。しかし場合によっては、価値ある事業や将来性のある事業も含まれている可能性があり、このようなケースにおいて、再建計画を立て再び収益力のある事業へ蘇らせることを事業再生といいます。

事業再生を行えるケース

事業再生はどのようなケースでも行えるのかというと、残念ながらそうではありません。先述したように、蘇らせる価値のある事業があるかどうかが、事業再生を行えるかの分岐点となります。将来的に価値を生み出す商品やサービスがあるからこそ、再生への戦略を立てることができるのです。どのように頑張っても事業に見込みがなければ、戦略を立てることも債務整理への道筋を示すことも難しいのが現実です。

事業再生の4つの手法

事業再生は、大きく次の4つに分類されます。

・自力で行う

・M&A

・投資ファンドによるM&A

・倒産手続き

【自力で行う】

経営不振が続いた場合、見込みのない事業を整理したりリストラを行ったりして、事業再生を「自力で行う」経営者も多いのではないでしょうか。自社のみで事業再生を行うのは難しく、上手くいったとしても軌道に乗るまでに時間がかかることが予想されます。

【M&A】

M&Aを活用した事業再生とは、スポンサーからの支援を受けながら再生手続きを進める手法のことです。資金力のあるスポンサーが付くことによって事業の立て直しが可能となります。

【投資ファンドによるM&A】

この手法では、投資ファンドが資金を集め、事業の立て直しを行います。投資ファンドは、債務整理や不採算事業の売却などにより経営の改善を図り、その後、株式の売却や再上場することによって利益を得ます。

【倒産手続き】

倒産も事業再生の手法の1つです。倒産には「清算型」と「再建型」の2通りがあり、「再建型」が事業再生となります。「清算型」は、債務整理をして会社を廃業することを意味します。

企業再生との違いは?

それでは、「企業再生」と「事業再生」はどのように違うのでしょうか。
事業再生は、企業が元々持っている優良事業に着目して、事業再生を行うことを意味します。一方、企業再生とは、現状の事業や企業体系にこだわらず再生を図ることをいいます。企業再生のなかには、「倒産手続きの再建型」も含まれ、戦略的に倒産することで企業再生を行います。

しかし、多くの経営者は倒産を避けたいと考えるため、まずは事業再生を目指すのが一般的です。

事業再生の相談先

事業再生の相談先

事業再生を希望しても、経営者自ら事業再生が可能かどうかの判断をすることは難しいでしょう。この場合に頼りになるのが、事業再生を請け負う事業再生コンサルやM&A仲介会社です。

コンサルや弁護士など事業再生7つの相談先

事業再生の相談先としては、次の7つが挙げられます。

・M&A仲介会社

・取引のある金融機関

・弁護士

・税理士

・公認会計士

・事業再生実務家協会(JATP)

・認定事業再生士(CTP)

M&A仲介会社は、広範なネットワークを駆使して適切なスポンサー企業を紹介してくれます。どのようなスポンサー企業が付くかによって、事業再生が成功するかどうかが決まるといっても過言ではありません。

また、取引のある金融機関は、普段から資金繰りなどの相談をしているため、事業再生についても相談しやすいといえます。ただし、金融機関が事業再生を行う場合は、M&A仲介会社やコンサルティング会社と共に手続きを進めることになります。

弁護士や税理士、公認会計士への相談も考えられるでしょう。どの専門家に依頼するにしても、事業再生の実績が豊富であることが前提なのは言うまでもありません。

経営不振により事業再生を行う場合、債権者と債務者の当事者同士で解決を図る手法があります。この手法を事業再生ADRといいます。会社更生法や民事再生法などの手続きを踏むことなく事業再生を行いますが、この手法を活用できるのは、認定機関である事業再生実務家協会(JATP)のみです。

最後に、認定事業再生士という事業再生のプロについて説明します。

認定事業再生士(CTP)とは

認定事業再生士とは、事業再生について国際的に通用する高度な知識と経験を有している、事業再生の専門家です。事業再生が可能かどうかの判断、事業再生の最適なスキームの立案、再生計画の策定及びアクションプランの実行などを担います。

通常、認定事業再生士となるのは、コンサルティング会社で豊富な経験を積んだ人や、金融機関における融資業務の担当者、事業再生の案件を手がけてきた弁護士や税理士などです。

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事業再生コンサルに依頼するメリット

事業再生コンサルに依頼するメリット

事業再生を行うには、豊富な知見と経験が必要不可欠です。事業再生のプロである事業再生コンサルに依頼すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

認定事業再生士などの有資格者が多い

事業再生コンサルには、認定事業再生士などの有資格者が多く在籍している点がメリットの1つでしょう。

事業再生を行うには、まず、経営不振になっている原因を洗い出す必要があります。その原因を取り除き、事業を再建するために最も適したスキームが取られますが、再生計画の立案や策定には多角的な視点からの分析が欠かせません。

認定事業再生士であれば、豊富な知識や経験から、最も適した再生計画を提案してくれるでしょう。

事業再生の実務経験が豊富

事業再生コンサルであれば、事業再生に詳しい有資格者が集まることにより案件数が増え、結果として実務経験が豊富となります。

例えば、資金繰りなどの財務再建に特化する場合は、金融機関出身の認定事業再生士の交渉力やネットワークが役に立ちます。また投資ファンドによる事業再生であれば、投資銀行系の業務に知見のある認定事業再生士がその任務に当たります。

得意分野が異なる有資格者が在籍することにより、包括的な視点に立ち解決策を図ることができます。

事業再生コンサルを選ぶ際のポイント

事業再生コンサルを選ぶ際のポイント

それでは、数ある事業再生コンサルの中から相性のいいコンサルを選ぶには、どのようなポイントを押さえておくべきでしょうか。

親身になって相談に乗ってくれるか

わが子のように育ててきた会社の面倒を見てもらうのですから、親身になって相談に乗ってくれることが大前提です。まずは、どのような状況にあるのかをじっくり耳を傾けて聞いてくれた上で、事業再生のスキームから最終的なゴールまでをわかりやすく説明してくれるコンサルを選びましょう。

最悪の事態を想定しつつスピード感があるか

事業再生を行う場合、全ての事業再生が成功するわけではありません。最悪の事態に備えたリスクヘッジは不可欠です。綿密な計画を立て、もし問題が生じたらこうする、といったヘッジを前もって準備できるコンサルであれば安心です。

また、債務超過などにより経営が逼迫している場合、スピード感を持って対応しなければなりません。クライアントの視点に立ち、問題解決に向けてスピーディーに動いてくれるコンサルを選ぶことが大切です。

まとめ

まとめ

事業再生を検討する場合、様々な相談先が考えられます。豊富な実績があり、真摯に相談に乗ってくれて、なおかつスピーディーな対応の相談先を選ぶことが大切です。

M&A DXのM&Aサービスでは、大手会計系M&Aファーム出身の公認会計士や金融機関出身者などが多数在籍しており、安心して事業再生を依頼できます。事業再生を検討しているなら、株式会社M&A DXがおすすめです。

株式会社M&A DXについて

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