遺産相続とは?手続きの流れやルール・注意点などを解説

税理士 安江一将

会計コンサルティング会社・税理士法人及びベンチャー企業2社に勤務。会計コンサルティング会社・税理士法人では税務顧問・税務申告のほかに、事業承継支援業務、組織再編業務、IPO支援業務、M&A業務を数多く実行。ベンチャー企業では管理部長・経営企画室を歴任し、上場のための体制構築・実行支援を推進する。大手コンサルティング会社名古屋支社副支社長を経て2019年8月に安江一将税理士事務所として開業した後、さらにM&A業務を推進することを目的として株式会社M&A DXに参画し、現在に至る。

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遺産相続は非常に複雑なルールと、細かい注意点が多くある制度です。
また用意しなければならない書類も多くあり、相続するまで多くの手続きがあり、時間もかかってしまうことでしょう。亡くなってから相続をするまで時間が経ってしまうと、相続できる資産が減る可能性もあります。
この記事ではスムーズに相続ができるように気をつけなければならない注意点と、遺産相続の流れを解説します。

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遺産相続とは

遺産相続とは亡くなった人の財産を、家族が引き継ぐことをいいます。
相続には家族の中でも優先順位があり、相続の対象となる資産も細かく決められています。

ここでは遺産相続できる相続人がどのような人なのか、どのようなものが相続できるのかを紹介します。

遺産相続の対象になる財産

遺産相続の対象となる財産は、預金等の現金、土地などの不動産、株式などの金融商品、車や美術品などの動産です。その他特殊な例として電話加入権、ゴルフ会員権、著作権、慰謝料請求権、損害賠償請求権なども相続の対象となります。

また、マイナスの相続として借金のほか、税金関係の未払いの所得税と住民税、その他未払いの税金なども相続の対象になります。
それ以外にも未払い分の家賃、医療費も対象です。

相続財産に含まれないものとしては、被相続人の一身専属権、生命保険の保険金、祭祀財産などがあります。
一身専属権とはその人だけに与えられた権利で、他の人には与えることができない権利のことです。

よくある例としては生活保護受給権や罰金等が一身専属権に当たります。
生命保険の保険金は相続が発生したときに同時に支給されるものなので、よく混合されて考えてしまうことが多いです。

一般的には生命保険の保険金は相続の財産とは別のものだと考えられています。ただし、相続財産にはなりませんが、みなし相続財産として税務上の課税対象になります。

しかし生命保険を受け取った人が他の相続人と同じように相続をしてしまうと、不公平感からトラブルに発展するケースもあるので、相続について協議をする際は生命保険のことも一緒に協議しておくとトラブルとなる可能性は少なくなります。

祭祀財産というのは仏壇や墓石などのことで、このようなものは相続財産の対象にはなりません。

遺産相続の三つの方法

遺産相続方法には大きく分けて3種類あり、単純承認、相続放棄、限定承認があります。

単純承認

単純承認とはプラスの財産もマイナスの財産も全て相続することです。通常、相続するといった場合には、この単純承認を指すケースが一般的です。

相続放棄

相続放棄とは遺産の相続を拒否することです。
借金などの負の遺産も相続の対象となってしまうため、相続した結果、借金を背負うことになってしまう場合などに相続放棄が有効な手段となります。

また不動産など相続をする場合、相続税を支払うための現金が十分にないケースもあり、このような場合も相続放棄が用いられる場合があります。

限定承認

限定承認は遺産が借金などの負債があった場合、故人が持っていた資産の中から負債を精算し残った遺産を引き継ぐというやり方です。

ただし限定承認をする場合は相続人全員の意見の一致が必要で、亡くなってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申請しなければなりません。
借金は相続せずに、資産だけを相続するということはできません。

相続順位と受け取れる遺産の割合

遺産相続できる順位は、常に配偶者が最優先されます。
配偶者以外の優先順位は以下のようになり、下位の順位の人は上位の順位の人がいた場合、遺産を相続することができません。

つまり被相続人に子供や孫がいる場合、被相続人の父母や祖父母、兄弟姉妹は相続の対象とはなりません。

第1順位:子供や孫(直系卑属)
第2順位:父母や祖父母(直系尊属)
第3順位:兄弟姉妹

受け取れる遺産の割合は配偶者が少なくとも半分は受け取ることができます。
それ以上受け取れるかどうかは他の相続人の状況により異なります。

例えば相続の状況が第1順位のケースだった場合、配偶者が半分を相続し子供や孫がもう半分を相続するという形です。
さらに子供が複数いる場合は、遺産を相続した半分をさらに子供の間で分けるという形になります。

第2順位のケースの場合は配偶者は3分の2を相続し、残りの3分の1は被相続人の親などが相続するという形です。
第3順位のケースの場合は配偶者は4分の3を相続し、残りの4分の1を兄弟姉妹が相続します。

このように配偶者が受け取れる遺産の額は、他の相続人が被相続人とどのような血縁関係にあるのかによって変わってくるのです。
被相続人の子供や兄弟姉妹などが相続人となった場合は、ほかに相続人がどのくらいいるかによって変わってきます。

亡くなった人に配偶者がいて、子供もいる場合は配偶者と子供で半分ずつになり、子供が複数いる場合さらに均等に分配されるという形です。
つまり子供が2人いる場合は配偶者が遺産の半分で、子供は1人あたり4分の1ずつ相続するということになります。

亡くなった人に配偶者がいるものの子供はおらず、親がまだ存命であった場合だと配偶者が3分の2を相続して、親は3分の1を相続した上でさらにその3分の1を親夫婦の間で分けるという形になります。

亡くなった人に配偶者がいて、親も子供もおらず兄弟姉妹がいる場合は、配偶者が4分の3を相続して兄弟姉妹が残りの4分の1を相続し、4分の1 を兄弟姉妹の間で分けることになります。

亡くなった人に配偶者がいない場合や、既に亡くなっている場合は、最も順位の高い相続人が100%の遺産を相続することになるでしょう。
例えば亡くなった人に両親がいて、子供もいる場合、子供に全て相続され、両親には相続されません。

必要な書類

相続手続きにおいて必要な書類は相続する資産の内容により異なります。
大きく分けて金融関係の手続き、不動産等の登記手続き、一定額を超えた場合の相続税の申告のための書類が必要となります。
まずどんな場合でも必ず必要な書類は以下の通りです。

・被相続人の戸籍謄本
・被相続人の住民票の除票
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員のマイナンバーカード(通知カード)
・相続人全員の身元確認書類

これらの書類は相続がどんなケースであっても必ず必要となります。
相続人の戸籍謄本を取得する際の注意点としては、被相続人の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本が必要となります。

人によっては本籍地を全く変えていないという場合もありますが、本籍地が変わっている場合はすべての戸籍謄本を取得しなければなりません。
本籍地が変わっているかどうかは、最後に滞在していた市区町村の戸籍謄本を見れば前の本籍地がどこであるかは書かれています。

その情報をもとに被相続人の本籍地をどんどんさかのぼっていき、生まれたときに登録されていた本籍地までの戸籍謄本を全て入手しておかなければなりません。
相続人の戸籍謄本は現在本籍を置く市区町村のものだけで問題ありませんが、その際には世帯全員分の戸籍謄本が必要となります。

現在の戸籍謄本が電子化されている場合は「改正原戸籍」を取り寄せなければなりません。
住民票は戸籍謄本を取得する際に、最後に滞在していた市区町村で一緒に取得することができます。

正確には既になくなっている人の住民票なので「住民票除票」を請求するということになるでしょう。
戸籍謄本と住民票は金融機関の手続きのほか、相続税の申告や不動産の登記の変更の時などにも必要となってくるので必ず返却してもらうようにしなければなりません。

相続人すべての戸籍謄本と住民票が必要となるので書類に不備がないよう気をつけましょう。
次に亡くなった人の名義の銀行口座等を解約して、相続をするために必要な書類は以下の通りです。

・被相続人の戸籍謄本
・相続人の戸籍謄本
・遺産分割協議書
・相続人全員の印鑑証明書
・相続関係説明図
・金融機関に提出する書類

金融機関には必ず相続する手続きのための窓口や問い合わせ先があるので、相続が発生したらまずは金融機関に連絡をして、必要な書類確認と金融機関から取り寄せる必要のある書類を取り寄せましょう。

遺産分割協議書

遺産分割協議書は、相続人全員で被相続人の財産をどのように分割するかを話し合い、その結果を記載した文書です。遺産分割協議書の注意点としては相続人全員の署名と捺印が必要となります。

捺印は何でもいいというわけではなく、各相続人が市区町村に登録している実印を利用しなければなりません。
さらに遺産の相続を放棄する相続人がいた場合でも、相続を放棄する旨を書いた上で署名と捺印が必要です。

遺産分割協議書は後でトラブルになったときの確認のため、1枚だけではなく必ずコピーをとって相続人それぞれが保管しておくようにしておきましょう。
相続関係相関図は被相続人との関係が、子供なのか兄弟なのかなどによって相続できる額が異なるので、銀行側が確認をするための資料となります。

相続関係相関図の作成の方法は法務局のホームページなので確認することが可能です。

( 法務局 相続関係相関図作成 )

金融機関に提出する書類は金融機関によって異なりますが、基本的には払い戻し請求書、振り込み用紙、被相続人の通帳・預貯金書が一般的となっています。

被相続人のキャッシュカードや通帳が見当たらない場合は、紛失届が必要です。
具体的にどのような書類が必要なのかはあらかじめ金融機関に問い合わせて確認した上、その書類を郵送か窓口で送ってもらうようにしておきましょう。

相続税が発生する場合、申告に必要な書類は以下の通りです。

・被相続人の戸籍謄本・住民票
・相続人の戸籍謄本・住民票
・相続人の戸籍の附票
・相続人の印鑑証明書
・不動産関係書類
・有価証券関係書類
・預貯金関係書類
・生命保険関係書類
・債務葬式関係書類

不動産関係書類はまず、「登記事項証明書」が必要で、不動産が存在する住所を管轄する法務局で取得することができます。
登記事項証明書には家や土地の種類、面積、抵当権等が記載されています。

そのほか土地の大まかな形状を知るための「公図」、「地積測量図」も必要です。
この2つもその土地を管轄する法務局で取り寄せることができ、特に身分証明も必要なく誰でも取得することができます。
そのほか「固定資産評価証明書」と「名寄帳」も必要です。

固定資産評価証明書は、毎年度改定される土地の評価額が記載された証明書のことで、固定資産税の納付書とともに送られてきます。
不動産の名義を変更する際に法務局で登録免許税を支払わなければならず、その際の額を決めるために固定資産評価証明書が必要です。

名寄帳はある人が持ってる土地の一覧表のことで、名寄帳は法務局ではなく土地がある市区町村の役場から取り寄せる必要があります。
持ち家の場合は住民票を取得する市区町村と同じ市区町村のはずなので、戸籍謄本や住民票を取得する際に一緒に取得しておくと効率的です。

別荘など住民票がある市区町村とは違う場所に不動産がある場合は、その不動産がある市区町村の役場で取得しなければなりません。
さらにアパート経営などで不動産を貸していた場合は賃貸借契約書も必要です。
ただし相続税には基礎控除があり、具体的な金額は法定相続人の数により異なります。

基礎控除額の具体的な計算式は
3,000万円+ (600万円×法定相続人の数)
です。

つまり法定相続人が1人だと3600万円が基礎控除額になり、相続財産の総額が3600万円以下だと相続税の申告を行う必要はありません。

遺産相続の手続きと流れ(相続開始から終了まで)

遺産相続の手続きの流れは具体的にどのような流れとなるのでしょうか。
ここではわかりやすく順序を紹介し、その際の注意点なども解説していきます。

1. 遺言書の確認

まず人が亡くなった時に必要な死亡届や火葬許可等を取得して、手続きを終えた後まず確認しなければならないことは遺言書があるかどうかです。

遺言書がなければ法律に従って配偶者を中心に法律で定められている額を相続人で分配します。遺言書があればその内容に従って分配します。遺言書にも種類があり、大きく分けて以下の3種類があります。

・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言
・自筆証書遺言

自筆証書遺言は相続を行う人が自筆で作成する遺言書で、手軽に残すことができるので一般的に遺言書といえば自筆証書遺言であるケースが多いです。

自筆証書遺言はどのような形であっても大丈夫というわけではなく、ある程度のルールがあります。

これらのルールは法律で明確に示されているわけではないですが、最終的に家庭裁判所の検認をもらわなければならないので、家庭裁判所から検認をもらうために必要なルールということになります。

自筆証書遺言の主なルールは以下の通りです。

・遺言者の遺言能力が必要(15歳以上)
・遺言者の直筆で作成しなければならない(パソコン入力や弁護士などの代筆は不可)
・録音や映像での遺言は認められない
・作成日の明記が必要
・署名・押印が必須
・夫婦などの共同名義の遺言は認められない

以上のようなルールが一般的です。

自筆証書遺言は最終的に家庭裁判所の検認を受け、初めて有効な遺言書と認定されます。
自筆の遺言書で検認されるかどうか不安な場合は、公正証書遺言がお勧めです。

公正証書遺言

公正証書遺言は公証役場の公証人が作成する遺言書です。
公証人への費用が発生したり、事前に内容を公開しなければならないといったデメリットはありますが、相続が発生したときにトラブルになる可能性は低くなります。

公正証書遺言を作成する場合は、必要書類を用意したあと、証人2人を連れて公証役場に行かなければなりません。
公正証書遺言にかかる費用は相続財産によって異なり、例えば1,000万円を超え3,000万円以下の持参だった場合手数料は2万3,000円です。

さらに公正証書遺言の手数料は1回で終わるというわけではなく、相続人別に発生し、相続人の数が多いとその分手数料が加算されていきます。
つまり1,000万円の遺産があり、配偶者と子供2人に相続するというケースだと、相続人の数は3人です。

配偶者には500万円分の手数料がかかり、子供2人にはそれぞれ250万円分の手数料がそれぞれかかることになります。

公正証書遺言の作成をサポートする公証人は弁護士とは異なるので、弁護士に遺言について相談した場合は弁護士費用も別途必要になります。

公正証書遺言の作成に必要な書類は以下の通りです。
ただしこれらの書類は最低限必要なもので、相続の内容によってはさらに多くの書類が必要となります。

・遺言者の本人確認資料(運転免許証または印鑑登録証明書、住基カードなど公的機関が発行した顔写真入りの証明書のいずれか1つ)
・遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本
・相続人以外に遺贈する場合は相手の住民票
・不動産がある場合は登記事項証明書・固定資産評価証明書または固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書
・証人予定者の氏名・住所・生年月日・職業のメモ

秘密証書遺言

3つ目の遺言書の種類として秘密証書遺言があります。
秘密証書遺言はあらかじめ自作した遺言書を公証役場に持参し、遺言書の存在を公証役場で記録してもらうものです。

ただし公正証書遺言と違って公証人も遺言内容は確認しないので不備があり、遺言書として認められない可能性もあります。
また手数料として12,000円がかかります。

秘密証書遺言の特徴として、自筆証書遺言と違ってパソコンや弁護士等の代筆による作成も認められているという点ではないでしょうか。
手が不自由だったり、寝たきりになってしまい字が書けないような状態になって、直筆で遺言書を書くことができない場合は、秘密証書遺言という形で遺言書を残すことがお勧めです。
パソコンや代筆で作成することも可能なので、改ざんされる心配があるのではないかと思われるかもしれません。
しかし本人が公証役場に遺言書の存在を記録してもらうので、改ざんされる心配はありません。

この3つの遺言書のうち公正証書遺言はそのまま相続人の調査と確認に入ります。
その他の自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合は家庭裁判所へ検認手続きをしなければなりません。

2. 相続人相続財産の調査・確認

次に相続できる人の財産がどのくらいあるのかということと、相続人がどれくらいいるかということの調査です。
相続人は遺言書に特に特別な指定がない限りは、配偶者と親と子供と兄弟姉妹です。
家族以外の名前が遺言書に書かれていればその人も相続の対象となります。
ただし、配偶者や子供に相続をしないと遺言書に書かれてあっても、配偶者や子供には相続を受ける権利があり不服がある場合裁判所に訴えることも可能です。
この手続きを遺留分侵害額請求と呼びます。

2019年までは遺留分滅殺請求と呼ばれていましたが、法改正により遺留分侵害額請求と名前が変わりました。
相続人となる子供には遺留分侵害額請求をする権利があり、相続が全て終わったあとでも訴えられるリスクがあるので、相続が発生した場合は必ず全ての相続人に連絡を取るようにしておきましょう。

法定相続人となる人が全員揃わない状態で話し合って、遺産分割協議書を作成しても無効となってしまいます。
そのため必ず相続人となる子供や配偶者を全員をしっかりと集めるためにも相続人がどのくらいいるのかしっかりと調査をしなければなりません。

相続人の調査の方法は出生から死亡までのすべての戸籍謄本を集めて、その戸籍謄本の情報の中に子供や両親、兄弟など相続人となりうる人を探します。

出生から死亡までの戸籍謄本は、預金の分配や不動産登記などの遺産分割処理の時にも必要なので、相続人の調査のためというだけでなく相続をするためには必ず必要な書類です。

これらの戸籍謄本は本籍になる役所でしか取得できないため、県外など遠い場所に戸籍がある場合は取りに行かなければならず、その際に生年月日などの個人情報も正確に把握しておかないと役所が対応してくれないこともあります。

このようなことをする時間がない場合は、専門家などに依頼すると良いでしょう。

相続できる財産にはプラスの財産とマイナスの財産があります。

プラスの財産

プラスの財産の具体例としては以下の通りです。

・現預金
・株などの有価証券
・家、土地などの不動産
・自動車などの登録動産
・貴金属類などの未登録動産

家や土地などの不動産を持っている場合は、固定資産税の納付先の自治体が発行する名寄帳で確認することができます。
預貯金や有価証券、自動車など登録をする必要のある動産は、登録をしているので比較的簡単に確認することができるでしょう。

わかりにくいものが貴金属類などの未登録動産です。
未登録動産の中には高価な時計や骨董品、美術品などが含まれます。
基本的には被相続人の自宅にあるものであれば、所有財産として相続対象にして問題ないでしょう。

マイナスの財産

マイナスの財産となるものとしては以下の通りです。

・借入金
・未払金
・敷金・保証金・預り金・買掛金・前受金
・保証債務、連帯債務
・公租公課
・葬式費用

これらのうち相続をする可能性があるものとしては、住宅ローンや、車のローン、クレジットカードの支払いなどです。他にも高額な医療を受けていた場合、未払金としてマイナスの遺産として相続されます。

賃貸の住宅に住んでいた場合は敷金等も相続の対象となります。
このように特に大きな借金をしているわけでもない一般的な生活をしている人でも、負の遺産はあるので、遺産の確認はしっかりとしておかなければなりません。

相続では借金などのマイナスの遺産も相続してしまうことになり、マイナスの遺産を相続せずプラスの遺産だけを相続するということは現在の法律上はできません。

3. 遺産分割協議

次に相続人を集めて遺産分割の協議をします。
たとえ遺言書に自分の配偶者や子供に相続をさせないという趣旨の内容が書かれてあったとしても、配偶者と子供には法定相続人として相続をする権利があるので遺産分割協議の時に参加をしてもらっていないと、後でトラブルに発展する場合があります。

遺産分割協議は多数決では決めることができず、必ず全員一致で全員の合意がなければ成立することはできません。
遺産分割協議をする期限は特に決められておらず、中には相続が発生してから何年も遺産分割協議を行っていないケースもあります。

しかし協議が遅れれば遅れるほど相続財産が減る可能性があります。
例えば考えられるケースとしてはローンが残っていた場合、遺産分割協議を何年もしなかったことで、利息がどんどん溜まっていき本来もらえるはずだったプラスの遺産から削られてしまうということになってしまいます。

そのためローンなど利息の発生するマイナスの遺産がある場合は、相続が発生すればできるだけ早く遺産分割協議をしておくようにしましょう。
また、現金や金融商品など細かく分割できるものは問題ありませんが、不動産などの分割できない遺産の相続をどうするかはここでしっかりと話し合っておく必要があります。

分割することが難しい不動産の分割方法としては以下の4つがあります。

・遺産をそのまま分割する『現物分割』
・土地を売却して現金に変えて分割する『換価分割』
・土地を相続した人が不足分を現金で支払う『代償分割』
・複数人で共有で相続する『共有分割』

遺産分割協議の話がまとまったら遺産分割協議書にまとめておきましょう。

遺産分割協議書は書式や書き方の法的な指定は特にありませんが、書いておくポイントや注意点があるので話し合いが難航した場合は、後のトラブルを防ぐために弁護士などに依頼をしておいた方が良いでしょう。

4. 相続方法の選択

相続方法には単純承認、相続放棄、限定承認の3つがあります。
単純承認は遺産のすべてを引き継ぐという一般的な相続方法です。
特に特別な手続きをしなければ単純承認したものとみなされます。

また相続財産を処分したりするなど何か手を加えた場合も、単純承認したものとみなされるのでマイナスの遺産が多く、相続放棄をする予定がある場合は要注意です。
相続放棄は相続人としての資格を放棄することでプラスの財産もマイナスの財産も一切相続しないことになります。

法定相続人が何もしなければ単純承認となり、遺産を受け取りたくないという場合に手続きをして相続放棄という形をとります。
そのため何もしなければ相続放棄ということにならないので要注意です。

限定承認は、マイナスの財産はプラスの財産の範囲内に限り相続するという特別な相続方法で、限定承認をするためには相続人全員が合意して共同で手続きを行う必要があります。

通常の単純承認でもプラスの財産とマイナスの財産は一緒に相続されます。
限定承認の場合は相続をすることでマイナスになることはないような仕組みとなっています。

例えば代々受け継いできた美術品など、どうしても相続しなければならず、相続放棄をしてすべての財産を処分することができないという場合に限定承認を選択される場合があります。

しかしながら限定承認を選ぶケースはほとんどなく、多くの場合は相続放棄か単純承認のどちらかです。

どのような相続方法をするのかを選択した後、実際に現金や金融商品などの相続できるものを受け取ります。

銀行や金融商品を扱っている金融機関には相続専用の相談窓口があるので指定された手続きに従って現金等を引き出せるようにしなければなりません。

不動産の場合は所有権を移転するために相続登記が必要となります。

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遺産相続させたくない法定相続人がいる場合

配偶者や子供と何かトラブルを抱えており、遺産相続をしたくないという場合もあるでしょう。
その場合、遺産相続をしないようにすることは可能なのでしょうか。

遺産相続できない人

遺産相続は遺言書に特に指定しておかなければ家族以外には相続することはできません。
そのため、例えばどうしても配偶者に相続をさせたくない場合は、生前に離婚の手続き等をしておく必要があります。

その他のやり方としては相続人の排除ということも可能です。

相続人の排除

相続人の排除には以下の2つの条件があります。

①:被相続人に対する一方的な虐待や重大な侮辱を加えたとき
②:著しい非行があったとき

ここに書かれてある非行というのは単純に何か犯罪を犯したということではなく、被相続人に対して害を及ぼすような行為のことを指します。

相続人の排除をおこなうためには、生前に家庭裁判所に訴えるというやり方のほか、遺言書に相続人の排除について書いておき、亡くなった後に裁判によって相続権の排除が認められるかどうか決定させることもできます。

もし家庭裁判所などで争うだけの時間がないのであれば、あらかじめ遺言書に特定の人は相続させないという旨を書いておき、相続人の排除の手続きをおこなってほしいと書いておくと、亡くなった後に申し立てによって審判もしくは調停が行われます。

ただし上記の条件に当てはまらないと判断される場合もあり、その場合は法律に従って特定の額が相続されます。
相続人の排除をするためのハードルは非常に高く、実際に裁判所で排除が認められるのは全体の約2割程度です。

相続人の排除の申し立てを自分1人だけの力で行うことは非常に難しいので、弁護士に相談して排除の申し立てを行った方が良いでしょう。

相続させたくない財産がある場合(遺言での対応)

遺産相続の権利を持っている法定相続人は、配偶者と親と子供と兄弟姉妹です。

これらの法定相続人のうち配偶者と子供は法的に認められた遺産相続をする特別な権利を持っており、たとえ遺書に相続させないと書かれてあっても遺留分侵害額請求をすることができます。

しかし、兄弟姉妹の場合は遺留分侵害額請求をすることができないので遺言書に書いておくと兄弟姉妹が相続することを防ぐことができます。

一般的に法定相続人に相続させたくない相手がいる場合は、単純に誰に相続させないと書くのではなく相続できる財産を第三者への遺贈や死因贈与する旨を書いておく場合が多いです。

相続させたくない相手が兄弟姉妹の場合はこのように書くことで、相続させることを完全に防ぐことができます。
配偶者や子供は遺留分侵害額請求をすることができるので遺言による対応はできません。

そのため配偶者や子供にどうしても相続をさせたくない場合は、最低限の取り分である遺留分だけ相続させるという趣旨の内容を遺言書に書いておくことが現実的で最も簡単な対策です。

もしくは配偶者や子供が、相続できないという事実を受け止めてくれるのであれば、遺言書に遺産は全額寄付すると書いておけば誰にも相続されず全て寄付されます。

しかし配偶者や子供は遺留分侵害額請求をすることができるので、生前に遺書の内容を確認して遺産の相続が一切できないということに対して納得していたとしても、相続が発生した後に遺留分侵害額請求をされる場合があります。

そのような可能性を考えると、配偶者や子供に対してはどうしても相続をしなければならないということになってしまいます。

生前贈与

そのための対策としては生前に第三者に贈与したり、どこかの団体に寄付をしたりしてあらかじめ自分の財産を減らしておくということも1つのやり方です。

生前贈与についての注意点として、亡くなって相続が発生したときから3年以内に相続人に贈与した場合は、その金額も相続税の対象となってしまいます。

不動産や高価な時計などを買ってしまうと相続の対象となってしまうので、相続財産を減らすためにはどこかに寄付をしたり、法定相続人以外の誰かに資産を贈与したりするというやり方が効果的です。

遺産相続での注意点

遺産相続での注意点はどのようなところにあるのでしょうか。
ここでは遺産相続で起こることが予想されるトラブルと、注意するべきポイントを紹介します。

生前から相続人を交えて話し合う

遺産相続をする前に重要なことは、生前から相続人を交えて話し合いをするということです。
本人以外に知らない財産があったり、家族のほかに認知している子供がいる場合もあり、相続が発生してからわかってしまうとトラブルにつながることがあります。

どんなに隠していても戸籍謄本を確認すると分かってしまうので、ほかに認知している子供がいるなどの情報はあらかじめ伝えておいた方がいいでしょう。

後になってトラブルとなることを防ぐために事前にどのような財産があるのか、また誰にどのくらい分配するのかを生前に他の相続人と交えて話し合っておきましょう。

分かりにくいのが高価な時計や美術品等の財産です。
車などであれば登録をするので誰の遺産か明確なので、相続が発生した時も大きな問題とはなりません。
しかし高価な時計や美術品などは、特に所有者登録はしないので誰の遺産かよくわからないものとなってしまいます。

もし家に置いてある美術品がどこかから借りてきているもので、被相続人のものではないという場合、その美術品を売却して現金に変えて相続してしまうと、後で本来の所有者から訴えられて大きな問題となる可能性も考えられます。

そのようなトラブルを防ぐためにも、所有者の登録をしていない高価な時計や骨董品などの財産は誰のものなのという情報をあらかじめ相続人に伝えておく必要があります。

また持ち家であった場合、誰が管理していくのか、売却して分けるのかなど決めておいた方が相続が発生したときにスムーズに相続できます。

相続の際に注意しなければならないことは、ローンの返済がまだ残っている場合など、利息がかかるマイナスの遺産があるかどうかです。
病院での治療代や、賃貸物件の敷金等はマイナスの遺産ではあるものの、利息がかかるものではないのである程度時間が経過しても増える事はありません。

しかしローンの利息は日割計算で毎日少しずつ利子が発生します。
そのため遺産分割協議が難航してなかなか話がまとまらない場合はどんどんマイナスの遺産が増えていき、相続できるはずの資産が減ってしまいます。

このようなことにならないためにも家のローンなどは他の資産を売却してでもなるべく完済しておくか、すぐに相続ができるようにあらかじめ遺産分割協議の内容をまとめておく必要があるでしょう。

“生前の被相続人と相続人との関係”による注意

相続が発生した場合、たとえ疎遠の仲であっても配偶者と子供には相続をする権利があります。
しかし被相続人に対して、相続人があまりにもひどい虐待や侮辱をするなど直接被害を与えるようなことをしていた場合、相続人の排除を申告されて、相続人から外される場合もあります。

他にも離婚歴のある場合、前妻との間に子供がいるとその子供が相続をする権利を持っています。
たとえ周りの子供が長い間会ったこともない前妻との間にできた被相続人の子供の存在を隠して、自分たちだけに相続するように計画したとしても、相続をするには戸籍謄本が必要なので隠す事はできません。

遺産の相続は被相続人と相続人の関係性によって決まるものではなく、同じ子供であれば長い間会ったことのない子供と、生前から介護をするなとして一生懸命世話をした子供とで違いはありません。

たとえ遺言で普段から介護をしてくれていた子供に対して多額の遺産を相続させ、全く会ったこともないような子供に対しては相続をさせないということを書いていたとしても、子供は遺留分侵害額請求ができるので相続の遺産を兄弟によって大きく変える事はできません。

配偶者も子供も親もいない場合は、兄弟姉妹が遺産を相続することになります。
兄弟姉妹は遺言に財産は全額寄付すると書かれていれば、遺留分侵害額請求ができないので遺産を相続する事はできません。
このように被相続人と相続人の関係によって相続の額や、対応の仕方なども変わってきます。

遺言書を作成する生前に相続人を交えて相続をどうするか決まったら遺言書を作成しておきましょう。

遺言書には3種類あり「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」と「秘密証書遺言」の3種類があります。
事前に相続人を交えて相続をどうするか決まっていれば、自筆証書遺言でも問題はないでしょう。

自筆証書遺言はただ単に相続内容について書いていれば遺言書として認められるわけではなく家庭裁判所に検認されなければなりません。
家庭裁判所に検認されるためにいくつかルールがあるので、そのルールをしっかりと守っていれば問題なく検認されることでしょう。

ただし注意点として自筆証書遺言はパソコン書きでは認められることはできず、必ずペンで書いておかなければなりません。
そのため体調がすぐれず直筆でしっかりとした文字が書けないような状態の場合は自筆証書遺言をする事は難しいでしょう。

直筆で遺言を書くことができない場合は、秘密証書遺言という形で書く事がお勧めです。
秘密証書遺言ですとパソコン書きや相続人の代筆でも遺言書として認められます。

被相続人本人は内容の確認と署名と押印するだけで遺言書の作成が可能です。
確実に決められた通りに相続をしたい場合は、公正証書遺言で遺言書を残すことがお勧めです。

公正証書遺言だと費用がかかってしまいますが、生前に相続の内容が決定されるので、相続が発生した後に時間をかけることなくスムーズに相続をすることができます。

遺言書の内容を明確にし、隠さない

遺言書は隠さずに内容の情報を明確にしておくと後のトラブルが少なくなります。
例えば子供がいて長男には家を与え、次男には家を与えないという内容の遺言書だった場合、死後に発覚すると次男は納得がいかずにトラブルに発展する可能性があります。

しかし事前に遺言書の内容を公開しておくと、相続人にとって納得のいかない内容だった場合でも理由を説明することができます。
相続が発生したときに被相続人がいない間で話し合ってもなかなか解決しない問題であっても、まだ生きてる間に話し合いをしておき内容をまとめておくことでトラブルを防ぐことができます。

遺言書の内容

遺言書には誰に何をどのくらい相続するということを書いておきましょう。
誰に何をどのくらい相続するという内容なのか、どこかに寄付をしたい場合はあらかじめ指定した団体に寄付をすることも可能です。

また、家族以外の生前にお世話になった人に相続をしたい場合は、遺言に書いておくと指定された人に相続することができます。
ただし、被相続人の配偶者と子供などの法定相続人には遺留分侵害額請求をする権利があるので、法定相続人以外のところに寄付や相続をする場合、最低限認められた遺留分の額は法定相続人に相続しなければならないという状況になる可能性があります。

そのためどうしても相続させたくない場合は法律で定められたギリギリの最低額の相続をするように遺言書に書いておくというのが最も現実的な方法です。
他にも法定相続人全員に相続をしたくないという場合は、あらかじめ生前贈与という形で財産を渡したい人に渡しておくというやり方もあります。

遺産は寄付をしたいという場合は相続が発生する前に寄付をしておくと、配偶者や子供から遺留分侵害額請求をされても、生前に寄付した分は遺産ではないので相続を防ぐことができます。
また遺言に書かれてあっても受け取る予定の相続人が相続放棄をすれば受け取ることができません。

遺言に書かれている人が相続放棄した場合、誰かが代わりに相続をすることになるのであらかじめ相続人全員を交えて話し合いをしておいて誰が何を相続するのかはっきりさせておいた方が良いでしょう。

相続税の申請

相続人の数と相続される財産の全てを確認したあとは、相続税の申告をしなければなりません。
相続税の申告はネット情報などを元に自分たちだけでするよりも、税理士などの専門家に頼んだ方が税理士への依頼料を含めても安く済むケースが多いです。

ここでは相続税の申告のときの注意点について紹介します。

納税額0でも申告が必要

相続税には基礎控除があり、相続人の数にもよりますが、およそ4,000万円ほどまでの相続だと相続税はかかりません。
また、配偶者控除などを利用すると配偶者は相続税が0円となるケースが多くなります。

しかし相続税が0円であっても、相続税の申告は必要です。

特に配偶者控除を利用した上で相続税が0円になるというケースは、期限内に申告をしたときに限って配偶者控除が適用されるので、申告をしなければ相続税がかかってしまいます。

10ヶ月以内の申告で減税

相続税はなるべく早めに申告をするようにしましょう。
10ヵ月以内に申告をすると配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例等を利用することができます。
配偶者の税額軽減を使えば、1億円を超える金額の相続があったとしても相続税がかからない場合もあります。

ただし配偶者の税額軽減の計算は少し複雑で、他の相続人の数によっても異なるので一概にはいえません。

子供の立場から考えると父親が亡くなり、相続が発生したときに母親にほとんどの資産を渡して配偶者の税額軽減を受けてもらった方が相続税の節約になると考えるかもしれません。
しかしながら母親が亡くなりまた相続が発生したときに、割高になってしまう原因となります。

主な原因としては相続人が1人減るので基礎控除が減るということと、母親の財産も含まれて相続されるので遺産の総額が高くなるということです。

そのため節税のために配偶者に多くの遺産を相続させるのではなく、通常通りの相続の仕方をしておいた方が結果的に節税とつながる場合もあります。

一方、小規模宅地の特例とは不動産を申告する際に使える節税方法です。
小規模宅地等の特例という名前なので小さな土地のみの対象ではないかという印象があるかもしませんが、広い土地であっても使うことのできる特例です。

例えば居住用の土地の場合、相続する土地のうち330平方メートルまでは小規模宅地の特例を使うことができます。
広い土地の場合は土地全体のうちの330平方メートル分減税可能なので、広い土地でも利用可能です。

小規模宅地等の特例が使える土地は以下の3つです。

・特定居住用宅地:住宅として使っていた土地
・特定事業用宅地:事業で使っていた土地
・貸付事業用宅地:賃貸していた土地

また使うためには以下の3つのうちいずれかの相続人が相続することが必要です。

・被相続人の配偶者が土地を相続
・被相続人と同居していた親族が土地を相続
・被相続人に配偶者も同居の親族もいない場合、3年間借家住まいの相続人が取得(*家なき子特例)

不動産評価はプロに依頼

不動産の評価は固定資産税の路線価等から計算することが一般的です。
しかし不動産の評価を自分たちだけでするのではなく、税理士や不動産鑑定士に依頼して正確に測定したほうが安くなるケースが多くあります。

税理士に計算してもらった結果、自分たちが計算したよりも高くなってしまう場合もあるかもしれません。
しかし、自分たちが計算した申告額で税務署が認めてくれるかどうかは分かりません。

相続税の申告の場合、税務署は税理士が申告をしないと厳しくチェックされるという傾向があります。
申告した人が税の申告に不慣れのため、申告漏れがある可能性が高いと思われるためです。

税務署に正しい申告を行っていないと追徴課税となってしまい、さらに多くの税金を払うことになりかねません。
そのため相続する遺産に不動産がある場合は、税理士か不動産鑑定士に依頼することをお勧めします。

税理士に依頼することによってかかる料金以上の節税に繋がる場合もあります。

預貯金の調査に注意

相続税の申告の漏れで追徴課税が発生してしまうのは、預貯金の調査に原因があるケースが多いです。
よくあるケースは被相続人が亡くなり、相続開始の日から過去3年以内に法定相続人に渡した贈与は持ち戻しとなり相続税の計算の対象となるということを知らなかったという場合です。

つまり相続税を逃れるために、事前に資産を相続人に渡しておくということはできません。
税理士に依頼するとこのような申告漏れも少なくなります。
税金に関する法律は毎年変わるため、自分で調べた情報が古い情報である可能性もあるでしょう。

また税務署の方からしても税理士が申告をしていると信頼感があり、あとで厳しくチェックされる可能性が低くなります。

多く支払っていても申告しなければ返金されない

相続税は国が納税額を決めるものではなく、自分たちが自ら申告をして納税するという制度です。

そのため多く支払っていたとしても国から返金されるということはありません。
しかし調査が入り、少なく申告していた場合は追徴課税となったり過少申告のペナルティが発生する場合があります。

税理士に依頼するには数十万円必要となりますが、相続財産を計算する時間、不動産評価額の違いによる節税、追徴課税のリスク回避などを考えると自分たちで申告するよりも最終的にメリットが大きくなるケースも多いです。

まとめ

遺産相続についての手続きの仕方やルール、注意点などを解説しました。
遺産相続については不動産評価額の計算や各種控除の計算など複雑な計算をすることが多く、相続に関してのルールも多くあります。

そのためまずは自分たちで財産をどうするか大まかに決めた後、細かい計算は税理士に依頼した方が良いでしょう。

しかし税理士などの専門家が全てやってくれるというわけではなく、資産の配分などは自分たちで決めなければなりません。

関連記事はこちら「相続関係説明図の書き方・必要性を紹介」

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