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事業承継信託は3択!信託を使った事業承継のメリット・デメリットとは

公認会計士 牧田彰俊

公認会計士 牧田彰俊

有限責任監査法人トーマツ入所、各種業務の法定監査、IPO支援に携わる。 その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。 組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。 2018年、これまで以上に柔軟に迅速に各種ニーズに応えるべく牧田公認会計士事務所を設立し、現在に至る。本記事の監修を務める。

事業承継信託とは、その名の通り、事業承継を目的とした信託のことです。平成19年に信託法の改正・施行と信託税制が整備されたことで、事業承継対策としての「信託」の活用が見えてきました。しかし、新しい手法である事業承継信託についてよく分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、事業承継信託の種類を3つ紹介します。信託の基本理念やメリット・デメリット・注意点を理解して、事業承継信託を有効に活用し円滑な事業承継を行いましょう。

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事業承継に利用できる「信託」とは

事業承継に利用できる「信託」とは

事業承継信託は、経営者が亡くなった後の後継者問題を解決する方法の一種です。しかし、「信託」とはどのような意味なのか、あまり理解していない方も多いでしょう。ここでは、事業承継に利用できる信託の基本理念と種類を解説します。

信託の基本理念

信託とは、大切な財産を信頼できる方に託して、預ける目的に従って管理・運用してもらうことを言います。

信託は、財産の管理を自分(委託者)が信頼する方(受託者)に任せて、特定の方(受益者)に利益を渡すことが可能です。信託は、主に「資産運用」「資産管理」「資産承継」といった目的で利用されています。

民事信託・商事信託に分かれる

受託者を誰にするかによって「民事信託」と「商事信託」に分かれます。民事信託の受託者には営利目的でなければ誰でもなれますが、商事信託は許認可を受けた信託銀行や信託会社しかなれません。平成19年に信託法が改正されたことで、民事信託の幅が大きく広がりました。

  民事信託 商事信託
目的 非営利目的 営利目的
受託者 特定の方 会社や銀行
主な信託財産 金銭、不動産、未上場株が中心 金融資産、収益用不動産
特徴 信託財産の範囲、信託の目的、財産管理の方法など、柔軟性と自由度が高い。 財産管理の負担を軽減できる。信託の枠組み内で融資を受けやすくなる。

信託を活用した事業承継を行う際には、いくつかの方法があります。今回は、代表的な2つのスキームを紹介します。

家族信託を活用した事業承継

家族信託を活用した事業承継

委託者と受益者が同一の「家族信託」を活用した事業承継の1つです。この方法では、株式を移しても、委託者と受益者が同一のため、贈与税が発生しないというメリットがあります。また、経営者自身を指図権者(受託者の行う信託財産の管理・処分等について「指図」をする者)とすることで、受託者は指図権者の指図に従って議決権を行使しなければならないので安心です。

自己信託を活用した事業承継

自己信託を活用した事業承継

この自己信託の方法では、自社株の価値が受益権として後継者に移転され、贈与税が課税されますが、株価が低いタイミングで信託設定をすれば、将来株価が上昇し、経営者の死亡時点で多額の相続税が課せられるリスクを回避できます。また、信託設定後も経営者が議決権や代表権は今まで通り維持することができるため、すぐに引退せずに会社経営を行うことが可能です。

事業承継信託は3種類ある

事業承継信託は3種類ある

事業承継信託には、「遺言代用(型)信託」「他益信託」「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」の3種類があります。それぞれの特徴を理解して、自社に合った方法を選びましょう。

1.遺言代用(型)信託

これは、遺言書の代わりとして「生前に信託」することで、スムーズに後継者を決めるのに有効な信託で、経営者の意思を反映しやすいという特徴があります。まず信託銀行などに財産を信託して、経営者がなくなった後に設定した受益者に財産を引き継ぎます。

特徴 ・生前に経営者が設定する
・信託は自社株が対象
・経営者自身を当初の受益者とする
・受益者死亡時に議決権行使の指図権と受益権を後継者が取得する
メリット ・後継者が経営権を確実に取得できる
・議決権の分散化を防止できる

2.他益信託

他益信託とは、委任者以外の第三者が受益者となる信託のことを指します。受益権を後継者に渡すことで、地位を保証するという安心感を後継者に与えられます。また、経営者が議決権を保持したままで財産権を後継者に取得させることができるため、権利を分けて活用したい場合に有効です。上記で説明した自己信託も、他益信託の一種です。

特徴 ・信託は自社株が対象
・後継者を受益者とする
・議決権行使の指図権は経営者が保持する
メリット ・経営者が経営権を保持できる
・後継者の地位を確立できる

3.後継ぎ遺贈型受益者連続信託

跡継ぎ遺贈型受益者連続信託とは、受益者の有する受益権を、受益者が亡くなってしまった場合に備え、予め指定された者に順次承継することができる信託のことをいいます。経営者が現後継者の次の後継者まで指定しておくことができます。後継者が死亡した際に、後継者問題でトラブルになるリスクを下げることが目的です。

特徴 ・信託は自社株が対象
・設定者は経営者
・後継者を受益者とする
・受益者である後継者が死亡した場合、次の後継者が受益権を取得する
メリット ・現後継者の次の後継者まで決めることが可能

事業承継信託のメリット

事業承継信託のメリット

会社経営においては、後継者問題がトラブルとなるケースがあります。何も決めずに経営者が亡くなった場合、内部で後継者争いが起こることが考えられるでしょう。ここでは、スムーズな後継者選びに活用できる事業承継信託のメリットを紹介します。

経営者の意向が反映しやすい

「信託の受益者を誰に設定するか」「事業承継の条件はどうするか」といった、会社経営に関わる内容を、現在の経営者が柔軟に条件をつけて決められるのが大きなメリットです。

例えば、経営者が事業承継の実行される条件まで設定しておくことで、意に反する経営を避けることが可能です。また、経営者が議決権行使の指図権を保持できる信託なら、自分が会社経営に支障をきたすようなトラブルが起こった場合でも、受益者に議決権のみ託し、自分が会社経営の主導権を手放さずに済みます。いずれも相続では得られないメリットです。

後継トラブルを防げる

経営者が急に亡くなった場合、後継トラブルでもめる恐れがあります。信託を利用すれば、契約で経営者が後継者を定めているので、後継者が経営権を確実に取得でき地位が確立できるでしょう。

後継者を決める際には会社内部の人間だけでなく、融資を受けている金融機関の思惑が絡むことも考えられます。自社株を一定数保持するためにも、事業承継信託を利用するとよいでしょう。

経営者不在による空白期間がない

信託契約で後継者を決めておけば、経営者が亡くなっても、会社の経営者が不在となる空白期間が生まれません。契約で定める後継者にスムーズに議決権行使の指図権と受益権が引き継がれるので、会社経営がピンチに陥ったり経営者の指示を仰ぎたい場面に直面した際に、経営者がいない事態を回避できます。

一方、相続の場合、遺産分割の手続きに時間を要するので空白期間が生まれます。経営者がいない間に経営が傾くなどのトラブルが起こる可能性も考えられます。安定した会社経営のためにも、信託は有効な手段といえるでしょう。

節税になる

原則として、事業承継信託を含む信託は課税対象にはなりません。後継者の負担が最小限で済む点がメリットです。ただし、設定する受益者や受託者によっては、相続税が課税されるケースがあります。設定が明確なら課税されるかどうかは予測できるので、会社や後継者のことを考えて節税したい方は事前に税金対策をするとよいでしょう。

事業承継信託のデメリット

事業承継信託のデメリット

業承継信託を利用する前に、メリットだけでなくデメリットも把握すると安心でしょう。主なデメリットは、生前の事業承継ができないことと遺留分に関する法的見解が決まっていないことです。ここでは、事業承継信託のデメリットについて解説します。

信託設定の内容によってトラブルに発展する

民事信託は、契約締結後の10年、20年後を見据えて設計することが一般的なため、委託者に意思に即した内容で柔軟に対応できる設定を行う必要があります。例えば、信託設定の数年後に、後継者が不適切と判断される場合、オーナーの意思で信託契約を解除できる条項がなければ、経営者の希望とは異なる状況になってしまうというトラブルも考えられます。柔軟に、オーダーメイドで設定できる信託だからこそ、その内容には十分検討しておきましょう。

遺留分への法的見解が未定

遺留分とは、被相続人の相続財産のうち相続人が手にする最低限の取り分です。一般的には、配偶者・子・直系尊属が遺留分を認められています。

ただし、事業承継信託に関する遺留分については法的見解が不確定です。「相続人の権利を侵害しないためにも認めるべき」「民法の特別法であることから遺留分はない」という2つの意見に分かれて対立しています。また、法的見解が定まっていないので、遺留分や遺留分侵害額請求への対処が難しいのが現状です。

事業承継信託を行う際の注意点

事業承継信託を行う際の注意点

事業承継信託には多くの魅力がありますが、いくつか注意したいポイントもあります。例えば、事業承継信託に関して親族の理解を得たり遺留分に配慮したりしなければなりません。ここでは、事業承継信託を行う際の注意点を紹介します。

親族の理解を得る

事業承継に信託を利用するのは新しい方法です。親族の中には知らない方がいるかもしれないので、説明は欠かせません。他の手法に比べて労力はかかりますが、後継者問題でトラブルにならないよう周囲の理解を得てから利用するとよいでしょう。

後継者以外の遺留分に配慮する

遺留分に関しては法的見解が定まっていないので、十分に配慮した方がよいでしょう。後継者だけに財産を残せば、遺留分侵害額請求をされて大きなトラブルに発展する恐れがあります。例えば、配偶者と長男、次男を残して経営者が亡くなった場合、長男を受益者に設定しておけば会社の資産全て長男に引き継がれます。この時、特定の相続人にのみ有利な遺産分配がされたとみなされることがあります。後継者以外の相続人のことも考えて、慎重に信託の条件を設定しましょう。

税制上の優遇を受けられないケースがある

自社株式を信託する場合、事業承継税制上の特例の対象外です。特例とは、事業承継税制による納税猶予等の特例のことで、適用を受ければ相続税が免除されます。後継者の負担を考えて、特例の適用と事業承継信託のどちらを選べばよいか、慎重に決めましょう。

事業承継を信託して実行するなら「すばる」に相談!

メリットやデメリットを把握して周囲の理解が得られたら、事業承継信託の準備がスタートできます。実績が多いすばるなら、他の事業承継の方法と比較検討が可能です。事業承継信託を活用すべきかどうかのご相談も承りますので安心してお任せください。お困りの方はぜひご相談ください。

まとめ

まとめ

会社経営でトラブルになりやすい後継者問題をスムーズに解決するには、事業承継信託がおすすめです。経営者が亡くなったときに発生する事業承継が前提ですが、後継者を指定できる信託なら経営者の意向が反映できます。メリットやデメリット、注意点を理解した上で利用するとよいでしょう。

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