親族内承継は税理士に相談する?理由や選ぶ際のポイントも紹介

安江一将

税理士 安江一将

会計コンサルティング会社・税理士法人及びベンチャー企業2社に勤務。会計コンサルティング会社・税理士法人では税務顧問・税務申告のほかに、事業承継支援業務、組織再編業務、IPO支援業務、M&A業務を数多く実行。ベンチャー企業では管理部長・経営企画室を歴任し、上場のための体制構築・実行支援を推進する。大手コンサルティング会社名古屋支社副支社長を経て2019年8月に安江一将税理士事務所として開業した後、さらにM&A業務を推進することを目的として相続・M&A大学に参画し、現在に至る。本記事の監修を務める。メンバーの詳細はこちら

この記事は約10分で読めます。

親族内承継を進める際、どこに相談するか悩むこともあるでしょう。親族内承継をはじめとする事業承継全般では、税金が大きく関係するため、考えられる相談先のひとつが税理士です。

本記事では、税理士に親族内承継を相談する理由や選ぶ際のポイントを紹介します。

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本記事のポイント

  1. 親族内承継を進めるためにどこに相談するのが良いかを知りたい方向けの記事です。
  2. 親族内承継を税理士に相談する理由や他の相談先を丁寧に解説しています。
  3. 税理士の事務所を選ぶ際のポイントも解説しているので、どのように税理士を選べば良いか悩んでいる方向けの記事にもなっています。

親族内承継とは

親族内承継とは

親族内承継とは、「経営者の子どもやその他親族を後継者として事業を承継していく方法」です。従業員や取引先にも周知しやすいため、比較的スムーズに事業承継を進めることができます。親族内承継以外の事業承継が親族外承継です。

親族内承継のメリット・デメリットや親族外承継との違いについて、さらに詳しく確認していきましょう。

出典:中小企業庁 事業承継ガイドライン

親族外承継との違い

親族外承継には、役員や従業員による承継(MBO)や第三者による承継(M&A)があります。親族内承継では後継者候補が「親族」に限定されるのに対し、親族外承継は候補者が広がるため適任者を選びやすい点が特徴です。

ただし、役員や従業員による承継では株式購入にあたっての資金確保が難しい点、M&Aでは従業員の雇用条件を維持できる譲渡先が見つかるとは限らない点がデメリットとして挙げられます。

親族内承継のメリット

親族内承継では、早い段階から準備することができるので、後継者の教育期間を確保できる点がメリットです。後継者の教育手段としては、責任ある地位で現場を経験させる「社内教育」や各種セミナーなどに参加させて人脈を広げる「社外教育」があります。

さらに、親族が後継者であれば「相続」や「生前贈与」を活用しやすいため、経営権と財産を一体で引き継ぐことが可能です。

親族内承継のデメリット

親族内承継のデメリットとしては、後継者が親族に限定されるため適任者が不在のケースも考えられます。たとえ候補者がいたとしても、経営スキルを持った人物でなければ、社員のモチベーションが下がったり、経営が悪化したりするおそれがあります。

また、相続人が複数いる場合、後継者に株式や財産を集中することでトラブルにつながる可能性もあるでしょう。

親族内承継を税理士に相談する理由

親族内承継を税理士に相談する理由

日常の相談相手の属性を企業規模別に調査したところ、小規模事業者・中規模事業者ともに最も多い回答が「税理士・公認会計士」でした。従業員規模が小さい企業の方が、「税理士・公認会計士」が有効なアドバイス等の提供者と回答する割合もおおむね高いことが分かります。

出典:中小企業庁「2020年版 小規模企業白書」

親族内承継においても、税理士に相談することは有効です。理由を確認しておきましょう。

自社株評価に関する知識を有するため

非上場企業の株式は上場企業のように客観的な評価額はありません。しかし、相続税算出や株式売却の妥当額を知るために、自社株評価をおこなわなければならないケースがあります。資産税に詳しい税理士であれば、自社株評価の知識やノウハウがあるため、依頼しやすいです。

納税資金対策に詳しいため

親族内事業承継には、「株式売買」「生前贈与」「相続」といった方法があり、「生前贈与」では贈与税、「相続」では相続税が発生する可能性が高いです。

後継者が納税資金を確保できなければ、円滑に事業承継を進めることができません。そこで、贈与税・相続税の納税猶予・免除や財産圧縮対策といった納税資金対策に詳しい税理士に相談することが役に立つのです。

相続や遺産分割対策に詳しいため

また、税理士が相続や遺産分割対策に詳しい点も、税理士に依頼をする理由です。事業承継を考える際には、相続人間で揉めることなく財産分与できるように、あらかじめ遺産分割対策も検討しておかなければなりません。

なお、相続税を減らすため後継者以外に自社株を相続させると株式が分散され、経営権の集中が困難となる可能性があるので注意が必要です。

税理士の事務所を選択する際のポイント

税理士の事務所を選択する際のポイント

税理士に相談するメリットは前述したとおりですが、全ての税理士が事業承継を得意としているわけではありません。
税理士事務所の種類もさまざまあり、事業承継を依頼する際には自分にとって良い事務所なのかどうか見極めなければなりません。2つのポイントを紹介します。

幅広い知識や実績を有している

税理士の業務は贈与税・相続税のほか、法人税や所得税などの多岐にわたり、専門分野が異なります。特に相続や事業承継にはリスクがつきものなので、当該分野に関する幅広い知識や実績を有している税理士事務所を選ぶことがポイントです。

なお、近年M&Aや事業承継に関する資格が増えていますが、M&Aなどの業務は資格の学習だけで身につけることができるものではありません。資格以上に実績に注目するようにしておいてください。

さまざまな専門家のネットワークがある

事業承継では、業務がひとつの分野に限らず、さまざまな専門分野にまたがる可能性があります。そこで、複数の税理士が在籍しており、専門知識の幅が広い事務所を選ぶこともポイントです。

また、事業承継は税理士以外にもさまざまな専門家の力を借りる場面があります。弁護士や公認会計士などさまざまな専門家とのネットワークを有していることも鍵となるでしょう。

事業承継を進める際には他にも専門家がいる

事業承継を進める際には他にも専門家がいる

税理士以外の士業から有効なアドバイスをもらっている経営者も多いです。

出典:中小企業庁「2020年版 小規模企業白書」

各業種によって、携わる業務も異なります。例えば、弁護士であれば契約書作成や法務全般、公認会計士であればデューデリジェンス、司法書士であれば相続登記といった場面で欠かせない存在です。

それぞれどのような業務を担うのか、詳しく確認していきましょう。

弁護士は契約書作成や法務全般に携わる

弁護士は、事業承継において契約書作成や法律全般に携わります。親族内承継では、遺産分割や遺言書の検認などが代表的な役割です。事業承継時に相続人間でトラブルが発生するリスクを軽減するためにも、弁護士が果たす役割は大きいでしょう。

親族外承継においても、M&Aの契約書作成業務などの役割があります。

M&Aでは公認会計士にデューデリジェンスを依頼する

親族外承継のM&Aにおいて、財務デューデリジェンスの場面では公認会計士に依頼することが一般的です。デューデリジェンス(DD)とは、M&Aの対象となる会社、事業の収益性、リスクを詳細に調査することです。デューデリジェンスの種類としては財務DDのほか、税務DD、法務DD、ビジネスDD、人事DD、IT DD、環境DDなどがあり、対象会社の性質を踏まえ、各分野の専門家が調査します。

出典: デューデリジェンス(DD)とは

相続の登記に強い司法書士に依頼する

不動産の相続登記は自分ですることができます。自分で登記することで、数万円かかる司法書士への報酬を抑えることができる点がメリットです。

しかし、事業承継では換価分割や代償分割などの高度な遺産の分け方になる可能性もあります。相続トラブルを避けるためにも、相続の登記に強い司法書士への依頼を検討してください。

まとめ

まとめ

税理士は自社株評価に関する知識や納税資金対策などに詳しいため、親族内承継を検討する際の相談先として有力です。また、親族外承継のM&Aではデューデリジェンスを要する場面があるため、公認会計士への相談も検討してください。

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