組織再編とは?主な手法や意義・メリットを解説

会計士 村瀬達彦

会計士 村瀬達彦

新卒で有限責任監査法人トーマツに入所。 主に製造業、卸売業、小売業を中心とした様々な企業の法定監査業務及びIPO支援業務に携わる。 監査業務を遂行する中で企業が抱える様々な課題を目の当たりにし、監査業務とは異なった視点から世の中の企業の力になるべく、幅広いサービスラインを備える株式会社M&A DXに入所。現在に至る。本記事の監修を務める。紹介ページはこちら

この記事は約7分で読めます。

組織再編にはどのような意義や手法、メリットがあって実行するものなのでしょうか。
組織再編を行うことで会社の事業運営の効率化、新たな技術を導入することが可能となります。
この記事では組織再編に主な手法や意義があるのか、メリットやデメリットも含めてわかりやすく解説していきます。

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企業の組織再編とは

企業の組織再編は業務の効率化のために行われます。
その企業にとっての不採算部門を切り離し、人材や資金を不採算部門に費やさずに主力となる部門に集中することが可能になります。
また同じような業務内容の企業同士が合併することで、多くの顧客を抱える企業を生み出すこともできます。
組織が大きくなるとマーケティング戦略の幅が広がり、金融機関からの融資も受けやすくなり業績を伸ばすことが可能です。
そのほか組織再編には多くのメリットや効果があり、組織再編実行によって業績が改善することを狙って多くの企業が組織再編に取り組んでいます。

組織再編の種類

組織再編には大別して切り離すか取り入れるかの2パターンが存在します。
すなわち組織再編とは、ある企業の全てもしくは一部を売るか、買うかということを意味します。
切り離して売却する場合は、不採算部門を切り離すことで経営資源の集中を図り会社の業務を効率的に回すことができます。
買収して取り入れる際には、同じような事業を買収して、顧客数を増やすという場合もあれば、ノウハウや技術を取り入れるために合併するという場合もあります。
組織再編の種類はさらに細かく分けると「合併」「分割」「株式交換」「株式移転」の4つがあります。
それぞれに特徴があるので紹介していきます。

①合併

合併とは2つ以上の会社が1つの会社に統合されることです。
合併の中でもさらに2種類あり、合併した後の会社名が代表一社の社名で登記される(それ以外の社名は消滅)吸収合併か、全く新たな会社を設立する新設合併があります。
吸収合併の例としてわかりやすい例としては、プロ野球の球団オリックスブルーウェーブと、近鉄バファローズが合併したオリックスバファローズです。
オリックスバファローズの場合は、オリックスが近鉄からプロ野球の事業部分を吸収合併したという形になります。
一方、新設合併の例で一般によく見かけることが多いのは都市銀行の合併ではないでしょうか。
現存するほとんどの銀行が合併を繰り返して今の状況があります。
合併することで顧客ネットワークが拡大し、資本力が強化され、企業としての力を強化することが可能です。
銀行の場合では支店の数が増えることにより、顧客の利便性も良くなる一方、あまりに近くにある支店のどちらかを閉じることにより業務の効率化を図ることができます。
異なる業種の会社同士が合併した場合は、それぞれの事業でそれまで培ってきたノウハウなどが統合されることでさらなる相乗効果が生まれることが期待できます。
例えば総合電機メーカーが、ある企業の半導体開発部門を買収することはよくある話です。
同業種間での合併の場合、留意しなければならない点もあります。例えば、合併により顧客の数が増えるものの、これに対応するためにシステムの統合などで大規模な設備投資が必要となる場合があげられます。
また、中小企業同士の合併の場合、資本金が1億円を超えてしまうと法人税が増えてしまうので、法人税の優遇措置を捨ててでも合併する価値があるのか慎重に検討する必要があります。

②分割

分割とは、会社の中にある事業の一部を別の企業に承継させることです。
会社分割にも、合併と同じく2種類の手法があり、切り離した事業を新会社に移す新設分割と、すでに存在する会社に移す吸収分割があります。
分割元企業にとっては、不採算部門を切り離すことで業務の改善につながります。
事業を買い取る側の企業としては、それまで売り手の企業が培ってきた技術やノウハウなどがそのまま移転されるので、新たな事業を起こす場合などに役立てることができます。
会社分割ではその部門に勤めていた従業員も一緒に移ることになります。
しかし受入先の会社の風土とは合わず、退職してしまう可能性があるという懸念材料もあります。
そのため会社分割を検討する際は、社員にもしっかり説明をし、慎重に検討した上で実行するようにしましょう。

③株式交換

株式交換とはある企業が、買収したい企業の株式を全て取得して100%子会社にすることです。
買収した企業をA社とし、買収される企業をB社とすると、買収されたB社の株式はA社の株式に交換されます。
ただし株式交換を行うには株主総会での承認が必要です。
株式交換の特徴の一つとして、発行済みの株式を入れ替えるだけで完了するので、実行にあたって資金が必要とならない点があげられます。
さらに買収されるB社の株主にとっては既に持っているB社の株式がA社の株式に交換されるので、資産価値が上がる可能性が高くなります。
これは、一般的に買収する企業は買収される企業よりも株価が高いケースが多いためです。
もう一つの特徴としては、吸収合併と異なり、子会社として存続しているため買収された会社も株主構成以外はそのまま会社が存続し続けることになります。

④株式移転

株式移転とは新しく設立した会社に、複数の企業の株式全てを取得させることです。
新しく設立した会社が株式を全て取得することにより、株式移転を行った企業の全てが子会社となります。
A社とB社が株式交換を実施した際には、どちらかが親会社でどちらかが子会社という関係でした。
一方で株式移転の場合はA社とB社両方とも新会社の子会社であり、新しく設立した会社が親会社という形になり、対等な立場での事業運営が可能です。
持株会社(ホールディングスカンパニー)を設立する際にこの手法がよく使われます。
株式移転も株式交換と同じく発行済みの株式を取得するのみですので買収資金はかかりません。
ただし注意点として、新たな会社が設立されることで法人の維持コストが発生します。

企業の組織再編のメリットとデメリット

企業の組織再編のメリットとデメリットはどのような点があげられるのでしょうか。
それぞれの組織再編の手法ごとに表を使って解説します。
各組織再編手法には個別にメリットとデメリットがありますので、組織再編の実行に際してはそれらを把握したうえで慎重に検討する必要があるといえます。

四つの再編手法のメリット

組織再編によるメリットは数多く存在します。
以下の表に4つの組織再編の方法によるメリットをまとめました。

合併・同じ業種の企業が合併することで資本金や顧客の増加につながり、さらなる飛躍が期待できる。
・それぞれの企業の技術力やノウハウを合わせることにより、さらなる事業拡大が臨める。
・それぞれの会社の共通している部署や部門を統一することでコスト削減を図ることができる。
分割・売手の企業にとっては必要な部分だけの切り離しができ、買手の企業にとっても必要な部分だけの買収ができるため無駄が生じない。
・会社分割によって買い取った事業資産には消費税がかからないなど、税制上の優遇がある。
株式交換・買手の企業が売手の企業の株式を取得することで子会社化するため、買収実行に際しての資金が必要とならない。
・合併とは異なり、売手の企業で子会社となった企業にも法人格が存在するため、子会社も親会社の経営に参加できることもある。
株式移転・株式を移転させるのみで子会社化が可能なためコストを最小限に抑えることができる。
・合併とは異なり、親と子の関係がない(兄弟関係となる)ため、対等な立場で事業を運営することができる。
・子会社の法人格が存在するため、必ずしも親会社の社風に合わせる必要はなく、組織再編後も社員の働き方などに大きな変更がない。

このように組織再編の4つの方法にはそれぞれのメリットがあります。
当事者となる企業の関係性や状況により、どの組織再編の手法が向いているのかは異なります。
これらのメリットを踏まえてどの組織再編の手法が適合するのかをしっかり検討するようにしましょう。

デメリット

組織再編の4つの方法にはメリットのみならずデメリットも存在します。
以下の表に4つの組織再編の方法によるデメリットをまとめました。

合併・合併の手続きに伴って様々な費用がかかる。
・従業員の増加により人件費が増大する。
・中小企業において、合併した結果資本金が1億円を超えてしまう場合には法人税の優遇措置がなくなる。
・従来経営陣と社員の距離が近かった社風が、合併して組織が大きくなったことで意思疎通が難しくなる。
分割・会社が分割されると経営陣が変わるため、求心力が失われ士気が損われる可能性がある。
・買収された事業部門の中に所属している優秀な人材がいる場合には、当該優秀な人材の流出につながる。
・売り手の企業から分割された事業は買い手の企業のルールに従うことになり、働き方や企業風土などが異なり企業風土の統一がうまくいかなくなる可能性もある。
株式交換・子会社の株主がすべて親会社の株主になるため、株主構成が大きく変わる。
・親会社が上場企業の場合、投資家の期待値が低いと株価が下がる可能性がある。
株式移転・新たに会社を設立しなければならないため法人の維持コストが別途必要となる。
・新たに設立した会社を上場した場合、投資家の期待値が低いと株式移転前より株価が下がる可能性もある。

以上のように組織再編には費用のかかり方、組織としての統一の仕方などの観点においてデメリットがあります。
メリットとデメリットを総合的に勘案してどの手法が最も望ましいのかをじっくり検討してみましょう。

まとめ

本記事では、組織再編について解説しました。
組織再編はお互いの利害が一致する相手が見つかれば、売り手と買い手の企業の双方に大きなメリットがあります。
会社の業務内容が多岐に渡っており、それぞれの事業が利益を出せているわけではない会社は、事業内容を整理し、集中して取り組める事業だけ残して、他の事業は売却すると業績が上向くことがあります。
また、新たな業態に進出するために時間をかけて経験を積み技術を磨いていくのではなく、すでに蓄積された技術がある会社を買収すればすぐにノウハウを手にすることが可能です。
このようにお互いの求めているものが一致すれば、事業再編は双方にとってメリットのある取引といえます。
業績が頭打ちとなり悩んでいる会社や、新たな事業に挑戦したいと考えている会社は、経営戦略の一環として組織再編を検討してみてはいかがでしょうか。

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