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M&A後の統合プロセス「PMI」について解説

公認会計士 加藤大典

公認会計士 加藤大典

大手自動車メーカーに入社、生産技術部にて製造工程設計業務に携わる。 その後、デロイトトーマツコンサルティングに入社し、組織再編により有限責任監査法人トーマツのアドバイザリー部門に異動。 製造業の法定監査業務及びIFRS導入支援、組織再編支援、事業再生支援、内部統制構築支援、決算早期化支援、経営管理体制強化支援等の様々なプロジェクトに従事。本記事の監修を務める。

M&Aの成立後には、「PMI」と呼ばれる統合プロセスを実施しなければなりません。PMIはM&A後に買い手企業と売り手企業が十分にシナジー効果を発揮することなどを目的として行われるプロセスですが、具体的に何を実施すればよいのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、PMIの意味や進め方を紹介します。また、PMIのポイントを理解することにより、PMIの成功に近づくことができるでしょう。

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PMIとは?

PMIとは?

PMIとはM&Aが成立した後の統合プロセスのこと

PMIとは「Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)」の略で、M&Aが成立した後に実施する統合プロセスのことです。PMIは「経営面」、「業務面」及び「意識面」の3つに分かれます。それぞれに含まれるものは主に以下の通りです。

・経営面: 経営理念、将来ビジョン、予算管理及び評価制度など経営にかかわる統合
・業務面: 業務プロセス、情報システム、組織体制など業務にかかわる統合
・意識面: 企業風土や文化など意識にかかわる統合

いずれもM&A後に新たな体制で効果的に事業を展開するために欠かせない事項となります。M&Aによるシナジー効果を享受するためにも、ポイントを理解してPMIを進めましょう。

経営面におけるPMI

PMIを成功させるためには、買い手企業と売り手企業は同じ方向を向いて経営することが大前提となります。そのため、経営理念及び将来ビジョンなど会社(グループ)の大きな方向性をすり合わせ、従業員に浸透させることになります。さらに、予算管理や評価制度を整備し経営の基盤となる事項を統合するのが、経営面におけるPMIです。特に、売り手企業の従業員は、自分自身の立場に不安を感じていることも多いため、それらの不安を払拭すべく早い段階で、M&A後の将来ビジョンなどを発信するとよいでしょう。

業務面におけるPMI

次に、営業、製造、経理及び人事など各機能における業務プロセスを融合し、それらの業務を円滑に実施するため、情報システムを整備します。その他、必要に応じて、販売拠点及び製造拠点などの統廃合を行うことになり、グループの組織体制から日常のオペレーションなど業務を統合するのが、業務面におけるPMIです。

また、従業員は新たな業務プロセスを習得するため、PMIに関係する業務と日常の業務を同時進行することになります。したがって、PMIが完了するまでは、特に負担が大きくなる点に注意しましょう。

意識面におけるPMI

買い手企業と売り手企業は、企業風土や文化などの意識面が相違しています。例えば、まず詳細計画を立て、その計画に基づいて業務を遂行するというやり方(意識)が浸透している組織と詳細計画を立てるよりもできることから業務を遂行するやり方(意識)が浸透している組織では、その意識の相違から、円滑に業務が進まないことがあります。そのため、M&A後に業務を円滑に進めることを目指し、企業風土や文化などの意識面の融合を行うのが、意識面でのPMIとなります。

意識面でのPMIは、感情に関する部分もあり、特にお互いを尊重しながらPMIを進めましょう。さらに、経営陣がM&Aの成立だけでなく、M&A後のPMIを必ず成功させたいという意識を見せ、従業員にアピールすることも大切です。

PMIの進め方

PMIの進め方

PMIの進め方は方針を決定することからスタートし、実際にプランを作成して実行することが基本です。ここでは、PMIの進め方を解説します。

1.統合方針の決定

PMIを実施するときには、最初に方針を決定します。M&Aを実施した目的や求めるシナジー効果を踏まえ、どのような目標を設定すればよいのか判断しましょう。同時に、買い手企業と売り手企業の間において、経営理念及び将来ビジョンなどの経営面、業務プロセス及び情報システムなどの業務面、企業風土及び文化などの意識面の状況を共有し、両者の現状を理解します。目標と現状を明らかにすることにより、PMIを実施する上で乗り越えなければならない課題が洗い出されます。

2.ランディングプランや100日プランの策定

具体的な方針が決まったら、ランディングプランを作成しましょう。ランディングプランとは、M&A成立後、半年以内に実施したい課題を設定した短期の統合計画です。この短期の統合計画について、売り手企業だけでなく、買い手企業における実施すべき作業も含め、半年程度の実行計画(To Do リスト)を作成します。また、PMIにおいては、100日プランが策定されることがあります。100日プランでは、将来のビジョンを実現するために達成したいマイルストーンも設定します。売り手企業の従業員は、M&A後の新会社(グループ)が目指すビジョン、今後の業務の流れや従業員自身の処遇など、様々な点について不安があります。そのため、100日プランにおいては、新会社(グループ)の将来ビジョンに基づく数値計画、具体的な施策やKPIを設定し、目指す方向を説明しましょう。また、100日プランの策定期においては、中長期的な将来ビジョンの具体化だけでなく、同時にM&Aにより、すぐに見えるプラスの変化(クイックヒット)の対策を実施していくと効果的です。例えば、特に売り手企業の従業員に配慮した新経営陣による将来ビジョン発表会の実施、名刺デザインの刷新(買い手企業が上場企業であれば、上場企業グループと記載するなど)、コミュニケーションを図るための飲食機会の設定及び個別面談の実施など、PMI上ポジティブとなることを次々と実施していくとよいでしょう。

PMIを成功させるために重要なこと

PMIを成功させるために重要なこと

PMIを成功させ、より大きなシナジー効果を享受するために以下の事項も意識するとよいでしょう。

リーダーシップの発揮

PMIの実施は、膨大な範囲にわたり、ときに買い手企業と売り手企業の役員・従業員の対立を招いてしまうことがあります。PMIの実施にあたっては、強いリーダーシップが必要となることがあるため、意思決定機関(PMIプロジェクトチームの上位機関)を設置します。意思決定機関は、リーダーシップを発揮するために、将来ビジョンの浸透、PMI基本方針の提示及びPMIを進める上での重要事項の意思決定を行います。将来ビジョンを共有している組織は結束し、多少の対立があっても乗り越えることができるため、意思決定機関は将来ビジョンの浸透によりPMIプロジェクトをリードします。さらに、意思決定機関が重要事項の意思決定を行い、PMIの責任を負う体制とします。

PMIプロジェクトにおける留意点

意思決定機関による将来ビジョンの浸透及びPMI基本方針の提示を受けて、PMIプロジェクトチームは、ランディングプランや100日プランの策定、実行及び進捗管理を行います。PMI実施のための人員を選出し、専門チームを作ります。企業規模にもよりますが、買い手企業、売り手企業共に4~5人程度のチームを結成して責任者を置きます。PMIの具体的プランの策定にあたっては、売り手企業が買い手企業にあわせる方式が必ずしも最適でないことがあり、新しいものを買い手企業と売り手企業が一体となって創造することを目指すと、プラン実行時においても有効となるでしょう。

その他、PMIをこれまでの業務を見直すよい機会ととらえて、「調達」「製造・物流」「販売」「研究開発」を軸に、総合的にチェックしましょう。再点検する主な内容は以下の通りです。

・調達:取引先の選択、条件の見直し、外注品の内製化
・製造・物流:工場や物流拠点の整理・統廃合、人員の異動や削減、品質管理や技術流出への対策
・販売:取引条件の見直し、販売代理店制度の統一や見直し、販売網の再構築
・研究開発:知的財産の管理、技術情報の管理、権利関係の処理

これらのポイントを再点検し、見直さなければならないところは改善方法もあわせて検討しましょう。

まとめ

まとめ

M&Aの成功は、統合後のPMIの実施が重要です。上記のように、PMIは経営面、業務面及び意識面の統合が含まれ、多大な労力や時間がかかるため、外部専門家の知見を利用することも効果的です。

すばるでは、PMIを含めた総合的なM&Aアドバイザリー業務を提供しています。豊富な経験を有する大手監査法人系M&Aファーム出身の公認会計士や税理士等が多数在籍しており、それぞれの状況に応じたサポートが可能です。M&A実施後のPMIでお悩みの方は、ぜひすばるにご相談ください。