貸借対照表(バランスシートB/S)とは【動画要約記事】

会計士 村瀬達彦

新卒で有限責任監査法人トーマツに入所。主に製造業、卸売業、小売業を中心とした様々な企業の法定監査業務及びIPO支援業務に携わる。監査業務を遂行する中で企業が抱える様々な課題を目の当たりにし、監査業務とは異なった視点から世の中の企業の力になるべく、幅広いサービスラインを備える株式会社M&A DXに入所。現在に至る。

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本記事はYoutubeで公開している「貸借対照表(BS)とは?デロイト出身M&A会社社長が教える財務三表の読み方【起業家・起業家志望必見】」の要約となります。

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貸借対照表(バランスシート B/S)とは

貸借対照表(B/S)とはバランスシートの略称です。
名前の通りバランスしており、例えば資産(貸方)が100あり、負債(借方)70と純資産(借方)30あるとすれば貸方と借方の合計がそれぞれ100となります。必ず双方の合計が同じになるのが貸借対照表の特徴です。

貸借対照表の構成と各勘定科目について

資産の部

資産とは、会社が所有するすべての財産のことを指し、現金や有形の財産(不動産、車、商品(在庫)など)はもちろん、将来的に現金として回収できる売掛金などの権利・債権なども含まれます。

また大まかにいうと、現金や1年以内(短期的)に現金化が見込まれるものは「流動資産」、流動資産以外の長期にわたって保有するものや現金化に時間がかかるものは「固定資産」に分類されます。資産の部では、流動資産、固定資産の順に記載されます。

負債の部

負債とは、将来、現金などを支払わなければならない義務(債務)のことを指し、その理由に応じて借入金(借金)や買掛金などの勘定科目が使用されます。

資産と同様の考えで、1年以内(短期的)に現金の支払期日が到来するものは「流動負債」、現金の支払までに1年以上の猶予があるものは「固定負債」に分類されます。負債の部では、流動負債、固定負債の順に記載されます。

純資産の部

純資産とは、株主が会社に出資してくれた資金や、会社が日々の営利活動を通して獲得した利益の蓄積などを表すもので、返済義務がない資産といえるため、自己資本ともいいます。

具体的には、資本金(株主が出資した額)や、利益剰余金(会社が得た利益のうち社外に流出せず社内に蓄積された額)、自己株式(会社が株式発行後に自ら買い戻して保有する自社株のことで、取得価額で表記され、純資産のマイナス項目となる)などから構成されます。

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貸借対照表を読み解くための5つのチェックポイント

自己資本比率をチェック

自己資本比率とは、以下の計算式の通り、総資産(資産の部に記載の合計金額)のうち、純資産(返済義務のない自己資本)がどれくらいの割合を占めるのかを表す指標になります。

自己資本比率(%)=純資産÷総資産×100

会社の資産が負債によらず、返済義務のない自己資本でどれだけ賄えているのかを表すため、一般的には、この自己資本比率が高いと会社の健全性が高いと判断され、金融機関から融資を受ける際などの判断材料としてもよく使用されます。

流動比率をチェック

流動比率とは、以下の計算式の通り、短期的に支払期日が到来する流動負債に対し、現金もしくは比較的に短期間で換金可能な流動資産がどのくらいあるのかを表す指標になります。

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

つまり会社の短期的な債務返済能力を見るための指標といえ、最低でも100%以上ないと、足元の債務返済すらおぼつかない状態といえます。自己資本比率と同様に金融機関から融資を受ける際などの判断材料としてよく使用されます。

当座比率をチェック

当座比率とは、流動比率と同様に会社の短期的な債務返済能力を見るための指標ですが、流動負債に対し、流動資産の中でも現金に近い当座資産(現金、預金、受取手形、売掛金、有価証券)がどのくらいあるのかを表す指標になります。

当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100

現金に近い当座資産を使用しているため、流動比率に比べて、より確実な債務返済能力を把握することができます。当座比率が100%を超えていれば、経営上、問題ないと判断できます。

固定資産と固定負債+純資産の大小をチェック

会社の収益を生み出す固定資産(機械設備、不動産など)の取得が、どれだけ安定した資金(固定負債+純資産)によって賄えているのかを見ることも、経営の健全性を判断する上では非常に有益です。

「固定資産<固定負債+純資産」となる場合は、支払期日に余裕のある固定負債と返済義務のない純資産によって無理なく固定資産を取得できているといえます。その逆の場合、固定資産取得を、一部、短期で支払期日が発生する流動負債に頼っているといえ、資金繰りに不安が残ります。 

売掛金と売上のバランスをチェック

売掛金は、会社が商品・サービス等の提供により得られる債権で、通常、短期間で現金として回収されますが、売上に対してこの売掛金残高が高すぎる場合には注意が必要で、回収が滞っていたり、回収までの期間が長すぎる可能性があります。

また売掛金の回収サイクルより、買掛金の支払サイクルの方が短いようなら、現金の流入よりも支出の方が早いということになり、資金繰りが厳しくなりますので、売掛金の回収スピードを早めるなどの対応が必要になります。

実は貸借対照表(バランスシート B/S)が一番重要

銀行は「損益計算書」及び「貸借対照表」を確認し融資の判断を行います。
起業直後はいくら利益や損失が出るのかを重視することが多く、損益計算書に意識が向かいがちです。事業が軌道に乗ると金融機関からの融資を検討することも少なくはありません。貸借対照表の内容次第では融資が受けづらくなる可能性もあるため、このフェーズで経営者は貸借対照表の重要性を再確認することが多いです。

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汚い貸借対照表とは

事業に関係の無い資産(高級車や投資用マンションなど)が多かったり、本来の勘定科目とは違う計上を行っていたり、オーナー個人への貸付金が多く計上されている場合、汚い貸借対照表と表現されることがあります。銀行から見るとゆるい会社だと判断されることもあり、融資が受けづらくなる要因となることがあります。
貸借対照表は資産と負債を表したシートです。損益計算書と違い、処理しない限り経歴が残り続けるので「汚い貸借対照表」にならないよう日々意識し活動することが重要です。

良い貸借対照表(バランスシート B/S)の事例

良い貸借対照表の特徴を2点紹介します。

1.資産側に現金化しやすいものが多い
2.負債側は支払いが遅いものが多い

銀行は貸したお金が返済されないことが一番のリスクです。借主の会社に現金化しやすいものが多ければそれを差し押さえれば回収が可能です。そのため、どれだけお金を持っているのか、もしくは持ちそうなのかということが融資の判断の際に重要となります。
こちらを踏まえて順に特徴を説明します。

1.資産側に現金化しやすいものが多い

資産側は上の項目から現金化しやすい順に並んでいます。現金や売掛金・在庫など現金化しやすいものが多いことが良い貸借対照表の特徴です。

2.負債側は支払いが遅いものが多い

負債側は上の項目から支払い期日が早い順に並んでいます。資産側に現金が多くてもすぐに支払わなければいけない負債が多いと現金がすぐに出ていってしまいます。支払いに猶予がある負債の割合が多いこと、こちらも良い貸借対照表の特徴です。

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貸借対照表(バランスシートB/S)とは まとめ

貸借対照表は日々の経営を可視化することができます。
資産は現金化しやすいものを多くすること。負債は支払いが遅いものを多くすること。これらのバランスを意識した経営を行うことにより、倒産しにくい体質の会社になれるでしょう。
貸借対照表をきれいにすることにより融資も受けやすくなりますので非常に重要な財務諸表といえます。

関連記事はこちら「財務分析の基本!方法&やり方を重要ポイントを抑えて解説!」
関連記事はこちら「財務諸表とは?経営者が知っておくべきポイントをわかりやすくご紹介」

貸借対照表(バランスシートB/S)とは 動画

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