M&Aにはどんな方法がある?M&Aの種類を一覧で紹介

会計士 山田武弥

有限責任監査法人トーマツ入所。金融業及び卸売業を中心とした各種業務の法定監査業務に携わる。 その後、大手税理士法人及びコンサルティング会社にて事業承継・事業再生・法人顧問業務に従事。 組織再編税制を活用した事業承継スキームの構築や株価対策、事業再生計画の立案やその後のモニタリング及び金融機関対応等に豊富な経験を有する。 山田武弥公認会計士・税理士事務所として独立後、株式会社M&A DXに参画し、現在に至る。

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M&Aにはさまざまな方法があり、それぞれ手続きの進め方やメリットが異なります。
この記事では、M&Aの方法にはどのような種類があるのか、一覧で分かりやすく紹介します。

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M&Aとは

M&A(エムアンドエー)は、「Mergers(合併)」and 「Acquisitions(買収)」の略称で、一般的には企業の合併・買収を指します。M&Aには株式譲渡や事業譲渡、合併などさまざまな方法があり、広義の意味では資本提携もM&Aに含まれることがあります。
M&Aというと大手企業が行うイメージもあるかもしれませんが、大手企業だけでなく中小企業でもM&Aに積極的な企業もあります。後継者が不在であったり、業績不振に陥った企業の立て直しに利用されることも多く、売手側と買手側双方にメリットのある事業承継の手段としてニーズが高まっています。

M&Aにはどんな方法がある?

M&Aには、大きく分けると「買収」「合併」「分割」の3つの方法があります。

M&Aの手法

株式譲渡

株式譲渡とは、売手側が買手側に対象会社の株式を譲渡する方法です。株式を譲渡することで、売手側から買手側に会社の経営権が移転します。
株式譲渡のメリットは、M&Aにかかる手続きが比較的シンプルで、スムーズに進めやすい点にあります。

事業譲渡

事業譲渡とは、売手側の事業部門や会社資産の一部のみを買手に譲渡するという方法です。
売手側企業は法人運営をそのまま継続することができるため、事業の選択と集中で経営の効率性を高めたい場合などで活用されます。

新設分割

新設分割とは、新しく会社を設立したうえで、会社の事業の全てまたはその一部を承継する方法です。

新設分割のメリットは、資産や契約をそのまま引き継ぐことができるため、取引先との契約を締結し直すなどの必要がなく手続きが簡単な点です。また、経営不振の企業の場合、採算の取れる事業のみを新しく設立した会社に承継することで経営の立て直しを図ることも可能です。

吸収分割

吸収分割とは、会社の事業のすべてまたはその一部を切り離し、他の会社に承継させる方法です。
事業の一部を売却する事業譲渡よりも権利義務や従業員の引継ぎにおける手続きが簡単な点がメリットです。

新設合併

合併とは、2つ以上の法人格の資産や負債などを統合するM&Aの方法です。そのうち新設合併は、すべての法人格を消滅させたうえで会社を新設して権利義務を承継します。

新設合併のメリットは、それぞれの法人格の強みを生かして事業の拡大を図れる可能性があることです。ただし、合併前の法人格は消滅することになるため、事業に必要な認可や届出などは新たに取り直す必要があります。

吸収合併

吸収合併も、新設合併と同じく2つ以上の法人の資産や負債などを統合するM&Aの方法ですが、吸収合併の場合は存続する法人と消滅する法人が存在します。どちらか一方の法人を消滅させ、消滅する法人の事業や権利義務はすべて存続する法人に承継されるため、承継する権利義務が多くある場合にメリットが大きくなります。

第三者割当増資(株式引受)

第三者割当増資とは、特定の第三者に対して新たに株式を発行したり、保有する自己株式を割り当てたりすることで対価を得ることで、資金調達として使われることが多いですが、株式を所有することで議決権比率が高まることからM&Aの方法としても利用されます。

株式移転

株式移転とは、1つまたは2つ以上の株式会社が、その会社の発行済株式のすべてを、新たに設立した会社に取得させるというM&Aの方法です。株式移転は、統合したい意思があっても合併という形に抵抗がある会社間でよく使われる方法です。新設される会社は統合を目的として作られ、新設会社が親会社になり、既存の会社は子会社となります。また、ホールディングカンパニー体制に移行する際にも使われます。

株式交換

株式交換とは、株式会社の発行済株式のすべてを他の会社に取得させるというM&Aの方法で、売手側の会社を完全子会社化することを目的として行われ、現金を使わずにM&Aができるというメリットがあります。

株式交換が行われると、発行済株式のすべてを取得した会社は親会社となり、株式を譲渡した会社は完全子会社となります。また、株式交換の対価が親会社となる会社の株式であれば、完全子会社となった会社の株を所有していた株主は、株式交換後、親会社の株主となります。

株式交付

株式交付とは、株式会社が他の会社を子会社化するために用いられるM&Aの方法で、子会社となる会社の株主から株式を取得し、親会社となる会社の株式を対価として交付するというものです。
株式交付は新たな会社を子会社化することに限定されているため、すでに子会社となっている会社の株式を追加で取得しようとする場合にはこの制度を利用できません。

株式交換の場合、親会社となる会社はもう一方の会社の発行済株式を100%取得する必要がありますが、株式交付の場合は完全子会社化ではなく部分的な買収が可能です。

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M&Aにおける契約にはどんな種類がある?

基本合意書

基本合意書(Memorandum of Understanding)とは、買収監査の実施前において、トップ面談を実施した売り手と買い手が互いに「M&Aを進めること」について基本合意した際に締結する文書です。交渉内容やスケジュールなどの認識を明確にし、スムーズに交渉を進めることを目的として締結されます。

内容はスキーム、譲渡価格の概算、対象企業の役員の処遇、買収監査の実施、保証債務の解消、独占交渉権の付与および秘密保持義務などが定められます。基本合意書には法的効果がない部分が多数ですが、買収監査の実施、独占交渉権の付与および秘密保持義務については法的拘束力を付与するのが一般的です。

最終契約

M&Aにおける最終契約とは、取引の最終段階(買収監査の実施後)において当事者でまとまった合意事項を示した何種類かの契約をさし、DA(Definitive Agreement)とも呼ばれます。株式譲渡であれば株式譲渡契約書、事業譲渡であれば事業譲渡契約書を最終的に締結します。

最終契約書は、M&A契約における双方の当事者の権利や締結後のトラブルに対する対処の方針を明文化したもので、法的拘束力を有します。記載内容は、取引対象物、前提条件、表明保証、誓約事項および補償条項などがあります。仮にトラブルが発生した場合には、最終契約書の記載内容に沿って判断がなされます。

M&Aにおける企業価値評価の方法

ここまでM&Aのさまざまな方法について説明してきましたが、M&Aで注目すべきポイントとしては、企業価値評価(バリュエーション)の方法もあげられます。

企業価値とは、M&Aをいくらで実行するかを決める価格の判断材料になるもので「エンタープライズ・バリュー(Enterprise Value : EV)」とも呼ばれています。

企業価値評価(バリュエーション)の方法には、「コストアプローチ」「マーケットアプローチ」「インカムアプローチ(DCF法)」などがあり、複数の方法で企業価値を導き出すのが一般的です。

企業価値評価は、専門知識がある人であれば自分で計算することもできますが、M&Aにおいては時価総額や純資産だけでなくさまざまな面を考慮して総合的に判断することが必要なため、専門家に依頼するのがおすすめです。

M&Aは株式会社M&A DXにご相談ください

まとめ

M&Aにはさまざまな方法があります。どんな方法であっても、M&Aを円滑にかつ友好的に行うためには、専門的や知識と交渉力が必要です。

株式会社M&A DXは、公認会計士や金融機関出身者などが運営する、事業承継・M&Aを推進する会社です。業歴の長いM&Aプレーヤーによる安心・安全な体制で、皆様の事業承継・M&Aをサポートします。M&Aをご検討の際はぜひ株式会社M&A DXにご相談ください。

株式会社M&A DXについて

M&A DXのM&Aサービスでは、大手会計系M&Aファーム出身の公認会計士、 M&A経験豊富な金融機関出身者や弁護士が、豊富なサービスラインに基づき、最適なM&Aをサポートしております。セカンドオピニオンサービスも提供しておりますので、M&Aでお悩みの方は、お気軽にM&A DXの無料相談をご活用下さい。 無料相談はお電話またはWebより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。


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M&A用語集

M&A DX用語集では、M&Aに関する専門用語についての意味や内容についてご紹介しております。
M&Aや事業承継は英語を使うケースが多く、初めて聞くと意味が分からないまま会話が進み、後で急いで意味を調べるような経験がある方もいらっしゃると思います。M&Aの用語に関しては、一度理解してしまえばその後の会話で使えるようになるため、辞書代わりにご利用下さい。
※会計士の当社代表牧田が、動画で解説している用語もあります。

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