LOI(意向表明)とは?内容や法的拘束力・MOUとの違いを解説!

山下正太郎

山下正太郎

メガバンクに入行し、M&Aを含む各種ファイナンス業務に従事した後、大手M&Aブティックに入社。中小企業の事業承継問題に対するソリューションとしてのM&A取引を推進。その後、上場企業および大手コンサルティング会社の企画部門にて投資責任者を歴任。キャリアを通じて多数のM&A案件の成約に携わった他、PMI担当として買収先とのスムーズな経営承継を実現した経験を多数持つ。牧田公認会計士事務所、相続・M&A大学に参画し、現在に至る。本記事の監修を務める。メンバーの詳細はこちら

この記事は約9分で読めます。

M&Aでは買収(または譲渡)候補先が見つかった後も、多くの検討事項があり、また、さまざまな種類の契約書を含む書類の作成が必要になりますが、LOIもそのひとつです。結ぶ契約が多いほど、それぞれの目的や取り決める内容を混同してしまいがちです。そこで今回は、内容をLOIに限定してその内容やタイミング、目的、注意点を解説します。

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本記事のポイント

  1. LOI(レターオブインテント)について、詳しく知りたい方向けの記事です
  2. LOIの内容や形式、目的、注意点などを解説しています
  3. LOIの意味や法的拘束力についての説明から、MOUとの違いについても解説するので、M&A初心者の方向けの記事にもなっています

LOIとは?

LOIとは?

LOIとは、買手側が売手側に買収の意向を表明するときや、M&Aを前向きに進めるための意思を示す書面のことです。しかし、MOU(基本合意書)とは異なる点もあるため、注意しなければなりません。ここでは初めに、LOIの意味や提出のタイミング、法的拘束力、独占交渉権、契約の形式、MOUとの違いについて解説します。「LOIって何のために提出するのか、よくわからない」という方は参考にしてください。

LOIの意味とタイミングは?

LOIを簡単に説明すると、M&Aの際に利用される「意向表明書」と言い換えられます。LOIを提出するタイミングは、多くの場合、トップ同士の面談を終えた後に提出することが多いです。
売手側に対する気持ちや、その時点で検討している条件、検討にあたっての前提条件等を書面に纏めたものであり、買手側から売手側へ提出されることが一般的です。売手側からすると、買手の自社に対する気持ちを確認でき、買手側の考える条件が売手の希望条件に比べて大きく乖離していないことを確認する意味でも重要な書面です。

LOIの法的意味は?

多くの場合、LOIはデューデリジェンス(DD)実施よりも前の段階で提出されることから、最終契約書の内容はLOIに記載されたものから変更される場合も多々あります。
LOIには買収価格や基本的条件などには原則として法的拘束力を持たせないことが一般的ですが、LOIの内容を構成するものとして「独占交渉権」と「守秘義務」があり、特にこの二つには法的拘束力を持たせることが多いです。

LOIと独占交渉権

LOI内で法的拘束力を持たせる条項には「守秘義務」と「独占交渉権」があります。守秘義務は、情報漏えいを防ぐための契約であり、もはや説明は不要でしょう。

注目したいのは「独占交渉権」です。独占交渉権とは売手と買手、双方の合意によって発生するものであり、決められた期間内は当該買手を除く第三者との交渉が一切できなくなります。日本でおこなわれているM&Aにおいては、独占交渉機関は半年以内であることが一般的です。

LOIの提出方法は?

LOIの一般的な提出方法は、買手が作成した書面を売手に対して提出するという方法です。

この場合、売手の意思(買手の示す条件等への応諾可否)もあわせて確認する方法として、売手より「応諾書」を買手へと提出する方法、提出された意向表明書に売手が署名し、写しを買手へ返送する方法等が考えられます。

LOIとMOUの違いとは?

LOIと同じく、最終譲渡契約書の締結前に当事者の意向や基礎的な前提条件の確認を目的に締結する契約に「MOU」というものもあります。MOUは双方が押印する形式である点がLOIとは違います。記載される内容が非常に似ているので、LOIの言い換えとしてMOUが使用されていることもありますが、一般的な流れとしては、LOIで買手側が意向を伝え、MOUで売手側と買手側がこれまでの交渉で合意したことを表明します。

LOIに記載される内容は?

LOIに記載される内容は?

LOI上では、守秘義務や独占交渉権をはじめとしたさまざまな取り決めがおこなわれます。代表的なものは「デューデリジェンス(DD)の実施およびその方法」「買収価格※但し法的拘束力は無し」などです。守秘義務についての内容もあわせて、各項目でどのような取り決めがされるのか、解説します。

LOIに記載されるのは主にこの9つ

LOI上の書類には、以下9つの内容が記載されます。

● 自社(買手)紹介
● 本件の目的
● 価格
● スキーム
● 諸条件(役職員の処遇等)
● DDの実施方法
● 今後のプロセス(MOUの締結予定日、デューデリジェンスのスケジュール、最終契約の締結予定日など)
● 独占交渉権について
● 守秘義務について
● 有効期間について

なかでも代表的な項目は、「価格」「守秘義務に関連する事柄」「独占交渉権」などです。独占交渉権については、権利が有効とされる期間も合わせて取り決めます。

買収価格について

買収価格とは言葉通り、売手企業の会社や事業を買い取るための価格です。この買収価格についても、LOI内に記載します。

しかし、繰り返しになりますが、LOIを結ぶ段階ではDD実施前であり、ここでの買収価格はあくまでも目安と認識しておきましょう。DDでの調査結果によって、最終的な買収価格が変わることもあります。

守秘義務について

守秘義務に関する条項もLOIに記載されます。M&Aにおいては、買手と売手が互いに自社の情報を公開するため、情報漏えいのリスクがついて回ります。

企業の情報が外部に漏えいしないようにしっかりと管理しなければなりません。

情報漏えいによって、従業員の動揺をまねくことや、他企業からの介入などが発生する可能性があり、そのようなリスクは避けましょう。

LOIを提出する目的

LOIを提出する目的

LOIを提出していても法的拘束力が及ばない条項もあるうえ、買収金額も変動する可能性もあります。では、なぜわざわざ「意向表明」をおこなうのでしょう。LOIを提出する理由は、売手と買手それぞれに違った目的があるためです。

売手側の目的

M&Aは、情報漏えいのリスクを抱えながらおこなうものです。特に、DDは自社の内容を詳細に買手へと共有することになるため、売手としては、基本的な希望条件について買手側が承諾済みであると確認をとった上でDDへと進みたいという気持が働くものです。そこで、LOIを提出し、条件を含む買手の意思を確認します。

買手側の目的

買手側の目的は、LOIを提出することで他社から介入されず交渉できるようにすることです。

買手側は、専門家のアサインや当該専門家との協議、他社との比較など費用や時間といった多くのコストを消費します。しかしLOIにて売手の意向が確認されていないと、コストをかけたものの交渉を打ち切られてしまうリスクが高まります。そのリスクを下げるため、買手側はLOIで独占交渉権を要求する場合が多いです。

LOIにおける注意点

LOIにおける注意点

LOIを提出する際は、いくつかの注意点もあります。ここでは「高額な買収価格」と「秘密保持」の2点について解説します。特に秘密保持については、法的拘束力が及ぶ条項です。互いの企業の情報を守るためには、細心の注意を払って取り扱いましょう。

高額な買取価格に注意

紹介したように、LOIにて記載された買収価格は確定事項ではありません。独占交渉権を確保したいと考える買手のなかには、この点を逆手にとり、高額な条件を提示してくる会社もあります。

その後、DDの結果等から値下げ交渉をされてしまい、結果として時間を無題にするということも起こりえます。

他社よりも明らかに高額な買収価格を提示する企業には、注意してください。

秘密保持には細心の注意を!

繰り返しになりますが、M&Aは情報漏えいのリスクと隣り合わせです。買手側からすると、DD実施に伴い譲渡企業の詳細な情報を取得することになります。自社の情報を漏らさないことはもちろんですが、譲渡企業の情報管理にも細心の注意が必要です。社内での混乱を防ぐため、M&Aが完了するまでは最低限の人数でプロジェクトを組成し、その中で情報を共有するようにすると良いでしょう。

スムーズにM&Aを完了するなら「M&A DX」に相談しよう

まとめ

LOIの書面を交わす意味や法的拘束力の有無、採用される形式、MOUとの違い、記載内容について解説しました。LOIを提出することで、互いの意向をしっかりと確認し合えるでしょう。
また初めてM&Aをおこなう際は、これまで知らなかった契約などを多く交わすことになります。相談できる専門家を選んでおくことで、スムーズに契約・交渉が進められるでしょう。

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